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2020年12月11日
シャドウバース 26話感想 アリス&カイなど、長編ならではの関係描写に期待
#26「伝説を掴め!」
※原作ゲームプレイヤーの方はコメントありでの視聴をオススメします。
あらすじ
「伝説のカード」のある遺跡に到達したヒイロは待ち構えていた霧山シロウとバトルする。
一方、別の遺跡に向かっていたアリスはカイと遭遇し、シャドバスタジアム内で共闘する。
感想
虚ろの影に取り憑かれたモブ集団をまとめて倒していくヒイロ。相手はフォロワーからウィッチ&ネクロマンサークラスと推定できるがどういう形式でバトルしているのかよくわからない。23話で言及された「心の力」が弱いと一つのデッキを扱うのに複数人が必要になったり、ライフが少なかったりするのかもしれない。だとするとタクマはあれでなかなかの強豪なのだろう。
「遺跡」で待ち構える霧山シロウと対峙するヒイロ。ヒイロたちの町に遺跡がせり上がって出現したようだが、そもそもこれらは誰の手によるものなのか。回収に行かせるということはレオン管理下ではないだろうし、災いの樹への対抗勢力が過去にも存在して、ヒイロの頭に響いた声が関係しているのだろうか。このあたりがしっかり作中で明らかになるのか一抹の不安を感じる。
場面が変わってなんとカイ&アリスの様子が描かれる。まさかのロリショタ……になるのか?女子であろうと彼の基準で認めていなければ容赦なくフルネーム呼び捨てのカイと、彼を小悪魔的しぐさやプライドをくすぐるやり方でコントロールするアリスの、変わっている、言い替えれば「特別」な人間同士の組み合わせが面白い。さすが4クール(推定)もあると関係性描写にバリエーションが生まれて素晴らしい。
アリスが近道としてシャドバスタジアム内に入るのだが、「チャンピオンズバトル」をプレイしているとおなじみの風景なので破壊の痕跡がなかなか痛々しく映る。
カイはアリスに好感を抱いていないのが露骨だが、それでも彼女のアイドル活動は高く評価しているところが正直・素直でキャラが一貫している。「特別」同士の二人だがここは嘘の活動をしていて素直でないアリスと対照的と言える。とはいえポスターを破るシーンなどはアリスが素の自分を見せていて、カイに対してそれなりに仲間意識があることが伺える。次週以降で関係性が発展するであろう描写が楽しみである。
スタジアム内には全国大会編に登場しシャドウグランプリ編で敗れ去った松尾アキコや藤岡ススム、柳瀬ミホらの姿が。ってだからなんでこいつら帰したんだよ。ジェネシスアイランドにとどめておけば敵に回らなかったろうに。柳瀬ミホ(メガネの制服女子)は17話でカイに好意を抱いたような描写があったはずだがこの感じだとモブとして処理されてしまいそうで残念。このあたりのキャラクターは「プレイヤー」としかクレジットされていないのでメインの描写は望み薄か。(そのわりにEDの映像には居るのだが。)
ヒイロVSシロウに戻る。シロウはようやくまともなバトル描写である。CVは梅原裕一郎さんでアイマスSideMの鷹城恭二やゴブリンスレイヤーのゴブリンスレイヤー役でおなじみ。落ち着いた悪そうな声色にすさまじい色気を感じる。タクマと違って全く苦しむ様子がなく、完全に虚ろの影を受け入れているところに彼のパーソナリティが見える。粗野なタクマより柔和で紳士然としたシロウのほうがより闇を抱えているところが興味深い。このあたりは次回で深堀りされそう。
「コ、コスト3なのにそんな強くなるのかよ!?」
【エンシェントエルフ】意外にも初登場。進化できない序盤に中〜大型のフォロワーが立つコンボが強く、【リノセウス】と並んで初期のエルフを支えたレジェンドカードである。アニシャド環境でも【シャドウソルジャー】を毎ターン出す災いの刻印と相性が良い。そして、エルフを相手にしたら高確率で遭遇するカードなのに初見のような反応を示す全国大会優勝者のヒイロ。数話ぶりに様式美を見た。
「その時が……近づいている」
マウラはボートで海に出ている。チャンピオンズバトルによると猫目町(ヒイロの町)は海にも面しているのでそう遠いところではなさそうだ。マウラは3クール目からテンションが低めな印象。23話でシャドウナイツの一人が言及していた彼の「運命」に関係しているのだろうか。
【神魔裁判所】の登場でシロウのデッキもエルフ&ビショップの混合デッキとわかる。【エルフナイト・シンシア】が進化するシーンがあるが、本来【フェアリー】が2体出るところ、災いの刻印・神魔裁判所・Sソルジャーで場が埋まっているので1体しか出ていない。シロウは序盤こそシャドウソルジャーをうまく利用していたが、アミュレットが場に残るビショップと、フェアリーを並べたりしてプレイ回数を稼ぎたいエルフではそもそも噛み合わせが良くないように思える。これはシロウの闇落ちが、一見強くなったように見えて実のところはポテンシャルを制限している象徴的な描写ではないだろうか。
親の顔より見たトップ解決【イグニスドラゴン】でSソルジャー3体と【アークエンジェル・レイナ】を破壊するヒイロだが、当然ラストワードで復活するSソルジャー3体。破壊時に一瞬安堵するヒイロが謎。Sソルジャーの能力はタクマとのバトルで説明されたはずだがもう忘れたのか。そして合体した【シャドウコマンダー】にイグニスを破壊され、ドローの【神龍】と守護の【ドラゴンガード】の2択を迫られる。まあ基本的に守護で耐える戦術はその後のドローに期待する行動なので、それならダメージを受ける覚悟で神龍で2ドローしたほうがおおむね良いだろう。迷うヒイロだが、そこに謎の声が響く展開に。
(選ばれしもの……力を求めるか)
この聞き慣れた杉田ボイス、一体誰ーウェンなんだ……!!というところで次回へと続く。おそらくはOPに登場する新たな相棒カードのお披露目になると思うので、能力が楽しみである。
新規EDテーマはゲーム実況者わくわくバンドの「心誰にも」。寡聞にして初めて聴くアーティストだが、面白げなバンド名に反するハードロック系サウンドがカッコいい。映像もストーリーが想像できて興味深い。世界と友人を救おうとしているはずのレオンの表情がどう見てもワルモノのそれなのだが果たしてどうなるか。
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2020年11月27日
シャドウバース 25話感想 ヒイロVSタクマの原点からリスタートする新章
#25「7つの希望」
※原作ゲームプレイヤーの方はコメントありでの視聴をオススメします。
あらすじ
ヒイロたちはジェネシスアイランドから帰還し、災いの樹を封じる「伝説のカード」を獲得に向かう。
遺跡に向かうヒイロは「虚ろの影」に取り憑かれたタクマとバトルし、勝利して彼を開放する。
感想
「とある科学の超電磁砲T」の最終話・全体感想を書くのに一ヶ月強かかったおかげでこっちがめちゃくちゃ滞ってしまいました……。Switch版の「チャンピオンズバトル」が発売された影響かアクセスも微増しておりますのでこっちもしっかり書いていきたいと思います。冒頭でヒイロの父エイジと母アサギが登場。旧OPの伏線を回収した形になる。エイジは悪堕ちしたように見えるが妻アサギへの感情は失っていないようだ。アサギはこれが「災いの樹の依代となった」状態のようだが眠っているようにも見える。エイジCVは日野聡さんで国民的ヒット中の鬼滅の刃・煉獄杏寿郎役が話題だがこのブログ的にはグランクレスト戦記のラシック・ダビッド役でおなじみ。
「今まともに動けるのは中央タワーの防護壁の中に居た者たちだけ」
ヒイロたちの町(チャンピオンズバトルによると「猫目町」)の被害が描かれる。マルグリットのこのセリフが祖父シゲフミやカズキの弟妹らを写しながらなので誤解しがちだが、彼らも「静止」しているっぽい。動けるのはヒイロたちだけということだろう。静止している人間に「虚ろの影」というものが乗り移ることができるようだが、この行為や「災いの樹」自体にどういう目的があるのかは今のところ不明。
お、お前はスマホ狩りマン!……じゃなくてタクマ!牙倉タクマじゃないか!!第2クールでは全く出番がなく9話のラストにちらっと出て以来の登場になる。しかし記念すべき第1話のバトル相手ということで、シリアスな雰囲気に変わった新章をスタートするにふさわしいコールバックと言えるだろう。無事だったのかと再開を喜ぶヒイロだが、ビルの上から平然とジャンプしてくる時点でおかしいと思わないのだろうか。虚ろの影に取り憑かれると身体能力もアップするようだ。
「精神エネルギーを使い……」「よくわかんねーけどタクマ!今助けてやる!」
相変わらず人の話を聞かないヒイロだがシャドバで精神エネルギーを削り合って勝てば開放できるらしい。災いの樹の麾下にある虚ろの影がなぜかレオンの作ったゲームのルールに従うのがツッコミどころに思えるが、因果が逆で、レオンが災いの樹のルールに従ってシャドウバースというゲームを作ったとみなすのが正しいのだろう。いや知らんけど。これまでゲーム中に精神ダメージを受けたような描写が多々あったのはこのシステムへの布石だったと言える。
ヒイロのバンクが久々にフルサイズで描かれる。【悲報】タクマはまたしてもバンクなし。兄・セイヤとの関係性を昇華するバトルが後々ありそうなのものだが……。そしてタクマのデッキはなんと本来のロイヤルとヴァンパイアクラスの混合デッキ。本家シャドバでもストーリーが進むと強力な敵が使ってくるので本家プレイヤー的にも盛り上がるところである。
(あのアミュレットカードの能力がわかんねえ!)
ええー。これまでキャラクターの珍プレーに対して「カードテキスト読めよ」「いやテキスト書いてないんじゃない?」というやりとりをした視聴者は多いと思うが、やはりカードの説明機能はないことが判明。それなら14話でのマイセルの珍プレーも擁護でき……ないな。ただこの【災いの刻印】はアニメオリジナルカードなので視聴者もヒイロと同じ気持ちが体験できる。効果はターン開始時に【シャドウソルジャー】を場に出すこと。
「な…なんだそのフォロワー!」
これまではツッコミどころでしかなかったセリフに本家プレイヤーでも共感する日が来るとは。シャドウソルジャーは1/1だがラストワードで他のフォロワーに「シャドウソルジャーを場に出すラストワード」を与えるのが第一の能力。つまり毎ターン出てきて消えづらいので最終的に1/1で盤面が埋まってしまうのでは?弱くね?と思うところだが、それは第二の能力で3体の1/1が合体し【シャドウコマンダー】になることで解決している。シャドウコマンダーは0/5だが交戦時能力で相手フォロワーを破壊しその攻撃力を奪うことができる。(合体直後に攻撃しているので突進も持っていると思われる。)リソースが無限かつ弱点も自己完結で補えるのでかなり強力なギミックと言え、闇落ちした敵キャラが使ってくる戦法としてふさわしいのでは。
「こんな力で勝っても、意味なんて……あるかよ」
虚ろの影による破壊衝動に抗うタクマの本心が見える瞬間。ここの声色が明らかにそれまでと違うのが演者さんの実力を感じさせてくれる。タクマCVは岩瀬周平さんでこのブログ的にはグランクレスト戦記のジュゼル・ロッシーニ役が印象的。ジュゼルは敵方3兄弟の次男で1人だけ味方になる知的キャラの立ち位置だったが、タクマはワイルドなタイプなので演技の違いが面白い。
【ハイドラ】で【ミラージュディフェンサー】と【仮面の殺戮者】を撃破するヒイロ。シャドウコマンダーたちまで手が回っていないので明らかに「災いの樹の力」に押されている描写である。タクマは7/1で残ったハイドラを場の1/1シャドウではなく【ファングスレイヤー】をプレイして倒すのだが、ここでファングスレイヤーを使ったせいで次のターンの【イグニスドラゴン】を処理できなくなってしまう。つまりここが敗着の一手になった。プレイミスといえばミスなのだが、これは操られたタクマがロイヤルフォロワー=自分の力で勝とうとした結果、ヒイロの勝ちをアシストしたとも受け取れるので、ストーリー的には大変エモい展開ではないだろうか。
「竜ヶ崎ィィィー!!」「つぅらぬけええええ!!」
イグニスドラゴンで攻撃後、【エースドラグーン】でイグニスドラゴンの攻撃力をコピーし、【竜の伝令】で引っ張ってきた【ドラゴニックチャージ】で疾走を付与して勝利。ヒイロのデッキを推察するに竜の伝令でチャージを引っ張ってくる確率はかなり低いはずなので相変わらずの豪運解決だが、第1話のコールバックと考えるならこれ以外にない決着かもしれない。ダイナミックで綺麗な作画と、ヒイロCV梶原岳人さんとタクマCV岩瀬周平さんの熱演で、3クール目初回からかなり見応えがあるエピソードになったように思う。
「クソ……また俺の負け……か……」
敗北しつつも晴れやかなタクマの表情がとてもよい。イキリスマホ狩りマンだった1話から比べるとかなり好感の持てるキャラになったのではないだろうか。セイヤとのエピソードでも登場が期待できそうで楽しみ。
ドラゴンクラスの「伝説のカード」があると思しき場所にプロプレイヤー・霧山シロウの姿が。こいつも虚ろの影に取り憑かれているようだが……。ん?こういう事態を予測してたのならシャドウグランプリでの敗北者たちもジェネシスカンパニーで保護しておくべきだったのでは……?「中央タワーの防護壁内」に収容限界があるにしても敵にまわると厄介そうなプロは優先すべきだと思うが。……ストーリー細部がガバガバなところが気になるが、シロウのまともなバトルがようやく見られそうなのは楽しみ。【アイヴィーキング】の効果やいかに。
新OPはFlowによる「新世界」。前期のペンギンリサーチはかなり最近のアーティストだったが今期のFlowは活動歴20年近いベテランで、個人的にはやはりNARUTOやエウレカセブンのテーマソングでおなじみ。OP映像は今回も非常にぐりぐり動いてかっこいい。各キャラにそれぞれ新しい相棒カードが登場するようだ。新キャラっぽい少女はヒイロの母アサギに似ているようにも思えるが……
……???!?!?!?!!!この人たち見たことある!!!なんと本家シャドバのリーダーたちが登場。確かに本家シャドバはいろいろな世界を渡って問題解決していくストーリーなので、ヒイロたちが住む世界に来ても設定上おかしくはない。「伝説のカード」をめぐる上で登場することになるのだろうか。俄然楽しみになってきた。ちなみに僕の推しは右から3番目のイザベルさんです。
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2020年11月19日
【事前評価】シャドウバース Storm Over Rivayle / レヴィールの旋風 アディショナルカード
Cygames, Inc.
本日レヴィールの旋風・アディショナルカード追加となります。アニシャド感想が滞りまくっているのである程度書いてから事前評価と行きたかったのですが、全く間に合いそうにないのでこちらを先に。事前評価答え合わせも2回分ほど滞っているのでなんとか進めたい……。
カードはSSからDまでの6段階で評価し、基準はファミ通Appさんのものを採用。以下のようになっております。
SS----Tier1デッキに採用され、ナーフされるパワーを持つカード
【トリニティモンスターズ】【ホーリーエンチャンター】等
S------Tier1デッキに採用され、ナーフはされないパワーを持つカード
【双砲の神罰・アンヴェルト】【カースドクイーン・ナハトナハト】等
A------Tier1デッキに採用される or カード単体で評価できる強カード
【竜喰らう禁忌】【ヴァーミンハンター】【暗獄の遣い・ジャスパー】等
B------カード単体としては平凡 or 環境デッキでたまに見るカード
C------ネタデッキで採用されたりごく稀に遭遇するカード
D------ローテ落ちするまで存在を忘れるカード
シャドウバース Storm Over Rivayle / レヴィールの旋風 アディショナルカード事前評価
エルフ
天香の剣士・ルヴァン ------ A
妖精の開花 ------ A
ロイヤル
スカイキャプテン・ヴァルフリート ------ C
ラディカルガンスリンガー ------ C
ウィッチ
無尽の魔像 ------ C
未知の究明 ------ C
ドラゴン
ゲオルギウス ------ A
深海の接近 ------ B
ネクロ
イシス ------ A
死の哲学者 ------ D
ヴァンパイア
鏖殺の大悪魔------ A
契約の碑文 ------ C
ビショップ
殲滅のアルミラージ ------ A
赦しの聖騎士 ------ A
ネメシス
均衡の刃・シルヴィア ------ C
コネクトエンジニア ------ D
ニュートラル
ゴブリンクイーン ------ B
以上とりあえず間に合わせの評価だけ。今期そんなにプレイできてないこともあって正直全く自信がないです。寸評は書けたら書きます……。
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2020年11月14日
とある科学の超電磁砲T 25話・全体感想 精巧なキャラクター視点で描く心理と物語
第25話「私の、大切な友達」
※原作未読の方はコメントオフでの視聴をオススメします。
あらすじ
ドッペルゲンガーの目的は自身とそのデータを載せた飛行船を破壊させることだった。
美琴はドッペルゲンガー自身に頼まれ「彼女」を破壊、飛行船は墜落し全壊する。
現場に現れた所長は繰歯を人質にしてドッペルの引き渡しを要求するが、拳銃の誤射で逃走する。
所長は食蜂に洗脳され、撃たれた繰歯は内臓をドッペルの一部と置換することで一命を取り留める。
後日、繰歯は見舞いに来た美琴に対し、ドッペルゲンガーとの夢での「共生」を告げる。
感想
「待て!射線上に――!」
射線上にドッペルゲンガーがいることを美琴に警告するリーダーだが、リーダー的にはこの時点ではドッペルを破壊しても問題ないはずなので若干違和感のあるセリフ。美琴の規範を察したのだろうか。「もうブラフは効かないわ、あんたはそんなことしない」のセリフはアニオリで、ドッペルゲンガーの目的が破壊活動ではなく自決であることを視聴者に示すためにわかりやすくワンクッション置いた形になる。漫画である原作とはテンポが違ってくるので必要な措置かもしれない。
「この姿で存在し続けることこそが苦痛なのだ」
今の「彼女」はもはや完全にラスボスの風格の「ドッペルゲンガー」というパーソナリティだが、もともとは繰歯涼子の人格を持って生活していたことがここで想起される。機械としては生きていけないという感覚は実感はできなくても想像はできる。この心境を踏まえると22話でリーダーの腕を折ったのも冷徹・無感情な機械の行動ではなく、心理的に傷つけられた報復のように思えて印象的。
「……わかったわよ」
美琴としてはここまで楽しげにすら戦っていたのに急に辛い選択を迫られることになる。ドッペルの複雑な人格はもはや人間と区別がつかないので「壊れた家電を廃棄する」と割り切るのは難しい。ましてや美琴なら人造的人格という点で少なからず「妹達」との共通点を見出すだろうから、妹達は守るがドッペルゲンガーは「殺す」という心理的線引きが必要になるので他の人間よりずっと困難な行為になるだろう。ここは原作・アニメともにドッペルゲンガーと「妹達」の対比表現を明確に「しない」ところが考察の余地と気づいた時の快感を生んでいてお見事である。
「礼を言っておくよ、超電磁砲」
「冗談じゃないわよ!こんな……役回り」
セリフに限らずアニメになったとき原作のイメージ通りの出力だと興奮するものだが、クリエイターはそのイメージを遥かに超えてくることもある。飛行船上〜落下直後の美琴と繰歯の会話は自分の脳内イメージがゆるかったと思えるほどに情感的で、二人のCV佐藤利奈さんと種崎敦美さんの技量を強く感じさせてくれる。「壊れた家電を廃棄する程度のことでしかないさ」は美琴への慰めの言葉だが、機械としては生きられないが「機械として死ぬ」ことはできる「ドッペルゲンガー」の複雑なアイデンティティが感じられる。
所長と一緒に現場にやってくる繰歯。清ヶとナルが所長に引き渡したと推測できる。美琴の「伝えとかなくちゃいけないこと」は繰歯が死んでいないことだが、ドッペルゲンガーの視点を意識しないと分かりづらいかもしれない。悔いなく眠らせたいという美琴の心情が感じられる。所長との悶着によってドッペルから繰歯への殺害動機が消え、逆に自身の一部をもって救けようとするのだが、人間のアイデンティティで「死」を選びながらも最後に医療サイボーグの役割を果たそうとするところが皮肉な苦味と、悔いを残さず眠った救いのようなものを同時に与えてくれる。
原作では清ヶとナルが紙の飛行機で到着して繰歯を運ぶのだが、アニオリ描写で黒子を呼んでいる。何度か書いたがアニメの美琴は原作と比較して周囲を頼るようになっているので、そのことの是非はさておき納得できる改変。髪止めもせずに急いで到着する黒子が健気だがどうやって位置を特定したのだろう、初春を頼ったわけでもないようだが。戦闘音は聞いていたのであらかじめあたりをつけていたのかも知れない。
よからぬことを考えた瞬間に食蜂に洗脳される所長。主人公が不殺主義だと公権に委ねられない悪の処遇が難しいことがあるが、その点食蜂がいると洗脳で解決できるので便利。幻生も洗脳されて善良なおじいちゃんにされているのだろうか?ただこの所長らは10話その他で描写されてきた邪悪な科学者たちと比べればかなりマシな部類と思われる。涙を流しているところに彼の本来の善性が表現されているようにも見える。所長CVは田中完さんで凄まじい数の脇役を演じられているベテランである。こういう脇役の演技のクオリティが高いのが個人的にすごく好き。
ここからアニオリが合計3パート描かれる。原作では屍喰部隊と繰歯のその後を描いて終わるのだがアニメは最終回ということで総決算的な描写が追加されている。帆風さんと初春佐天が知り合いだったり、食蜂が黒子にちょっかいをかけたりするのはスピンオフの「アストラル・バディ」の描写を反映したもの。こちらも「一方通行」に続いてアニメ化が期待されるところである。
「退屈しないわねぇ、この街は」「ちょ、食蜂?!」
いつもの〆セリフが奪われてツッコミを入れる美琴、というちょっとメタな描写が面白い。
「スカベンジャーって名前さ……特撮ものみたいじゃん?」
ここは原作通りで屍喰部隊のその後の様子。ナルのドヤ声に笑うしかない。リーダーと薬丸が完全に呆れているのに対して清ヶは特撮ネタに一定の理解を示すところが男の子らしい……のだろうか。「清ヶたんの清ヶたん見せてみろよ!」の演技がノリノリすぎる。楽しそう。「清ヶはブラックよりブルー」は何の隠喩だよと思っていたがアニメで色がついて判明したような気がする。異性装文化は詳しくないのだがTS漫画の金字塔「らんま1/2」いわく、下着までも女物にするのは一段ハードルが高いようなので、清ヶたんのガチ勢ぶりが伺える。
暗部エージェントに対して強気に交渉し、ランク復帰をもぎとるリーダー。「闇」の犯罪組織としてのし上がっていくことが最終回で描かれるべき幸せなことかは大いに疑問だが、こういう普遍的でない価値観を描くことも「とある」シリーズらしい。リーダーがゲコ太通信機に愛着を見せることで美琴への好感=「光」の価値観も描いているところが印象的。ちなみに超電磁砲において暗部エージェントの顔が明らかになるのは初めてのはずだが、「アイテム」を仲介しているエージェントとはCVが違うので別人のようだ。
…………?!?!すごいアニオリぶっこんできたな。美琴は妹達のことを黒子にすら明かしていないので、この秘密は個人的に美琴の「聖域」と見ていたのだがまさか婚后さんに最初に明かされることになるとは。賛否ある描写かもしれないが、個人的には婚后さんの友誼が報われたようでうれしい。ミサカ妹としても普通に友人に紹介されるのは初めてなので大変エモいシーンである。美琴の立場なら婚后さんがあそこまでしてくれた記憶を消すことを躊躇するかもしれない、とは思うが、14話の描写から察するに記憶操作は食蜂の独断で行われたようである。食蜂がこうした理由は推察になるが、美琴と同じ想いを持っていたとすれば、やはり8話の「ガラクタと潰し合ってくれて助かった」という突き放すセリフは本心でなかったことが推察できて大変興味深い。
「み……みっちゃん、と……」
光子かわいすぎんか?「ミサカ10032号」という名前をツッコまず受け入れる婚后さん、やはり人間ができている。しかし口止めしておかないと黒子らに普通に話してしまいそうだが大丈夫なのだろうか。キャラクターの変化をもってストーリーが成立するので、美琴の変化はここで婚后さんに秘密を明かしたことになるだろうか。
最後のアニオリもなかなかサービスの効いたシーン。(これをやるなら21話でドリーをチラ見せしないほうがインパクトが大きかった気はするが。)「教育に悪い」という警策のセリフが完全に親目線で微笑ましい。食蜂は15話で警策に「そのうち自首してもらう」と言っていたがもう心情的に無理なのでは?
夢の中でドッペルゲンガーに会う繰歯。電車で出発するところを阻まれるのが「何らかの行為を踏みとどまらせた」ような暗喩を感じる。15話感想でも書いたがこの作品は感傷よりも能力が優越する傾向にあるが、結末の部分にはこういう感傷的な描写が用いられやすい印象。この世界の物理現象では起こり得ない「共生」が起きていることに、ドッペルゲンガーと美琴に対する救いが感じられる結末になっている。CV種崎敦美さんによる二役演じ分けがここでも聴きごたえがある。ドッペルの「ハッハッ、魂もないのに成仏など」と繰歯の「やめてええええ」のところが好き。
原作におけるドリームランカー編は美琴がドッペルゲンガーの自決に協力して終わるビターエンドなので、アニメ過去2作の雰囲気を思うと最終回に相応しくないのでは……という危惧が個人的にあったのだが、爽やかなアニオリを入れることでビターながらもすっきりした結末になったように思う。
全体感想
実に約7年ぶりのアニメ化、しかもストーリー完成度の高い大覇星祭編の映像化ということで個人的にはかつてないほどに期待が高かった。
構成・演出
原作7巻末〜13巻まで、6巻分強の映像化で25話なので1巻につき4話使えることになり、原作付きアニメは全てこれくらいの基準でやってほしいと思えるほどにぴったりの尺だった。大覇星祭のラストを丁寧にやったので他が早回しになった部分も多少あったが、再現度において原作ファンは強く満足できる結果になったのでは。
アニオリ部分は6話で記憶のない状態の黒子が美琴を過剰に意識するシーンや、3話でミサカ妹が倒れるシーンの順番を変えたせいで食蜂のセリフのニュアンスが変わったところは原作の意図を外してしまったように思えるが、他はほとんどが原作をうまく補完することに注力していた印象。4話の4人で花火を見るシーンなどは美琴が友人3人を「失う」フラグとして機能するオリジナル名シーンと言える。
ストーリー
前半の大覇星祭編は一本筋が通ったストーリーで、実質的新キャラの「食蜂操祈」の描写方法がお見事。仲の悪い同級生として登場するも4話で一気に敵対的に牙をむく瞬間の脅威と、それがミスリードであり実は味方、それどころか主人公格ポジションであることが判明したときの腑に落ちる感覚は強いストーリー的快感を与えてくれる。注目が集まり重要キャラでも納得感のある「7人いるレベル5の一人」という、明白なキャラクターの格を活かした描写方法と言える。
またプロットが大小双方のスパンでツイスト(ひねり)が効いていた印象。大きなスパンでは食蜂のミスリードに加えて美琴がラスボスの一人となる点、小さなスパンでは13話の食蜂VS幻生や黒子VS警策など個別バトルがどんでん返しで決着する点など、ストーリーの完成度が非常に高かった。
対して後半の天賦夢路(ドリームランカー)編は実質的に単発エピソードの集合体のようなものだが、正義の味方・白井黒子をストレートに描いた17話やフレンダ・佐天の交流を描いた19・20話など単発でもそれぞれ完成度の高い物語だった。また18話、巨乳御手編のような完全ギャグエピソードも超電磁砲シリーズ(特にアニメ)には欠かせないテイストだろう。
またキャラクターの項でも触れるがこの作品は「キャラクターの視点」を意識した描写が多い。具体的には5〜6話の「食蜂が黒幕でないことを婚后さん(と視聴者)は気づいたが美琴はそれを知らない」などで、美琴は誤解したままストーリーが進んでいくが、それが物語の中にキャラクターが生きているリアルな印象を与えてくれる。「キャラクターの自然な行動」と「練り上げたいストーリー」が矛盾なく成立しているのは出来事の配置が極めて精巧なおかげと言えるだろう。
ストーリーにあえて欠点を挙げるなら本家の物語「とある魔術の禁書目録」を履修していなければわからない・わかりづらい描写が無印やSと比較して多かったことだろうか。とはいえ第三期ともなればスピンオフ作品であることは周知のはずなので欠点にカウントすべきでないかもしれない。
キャラクター
こちらも今期最重要キャラの食蜂の描写がお見事。先程書いた「キャラクター視点」が食蜂の性格描写にも活かされている。能力が通用しない相手はたとえ美琴のような好人物であっても信用しない(できない)性格は「読心能力者ならこう考える」という視点に立って構成された個性と言える。この性格がストーリーに影響を与えているので、最終的に能力なしで警策を協力させる心理の変化に強いカタルシスを感じるように構成されている。
婚后さんチームの活躍も印象的。原作では湾内泡浮ペアは完全にちょい役、婚后さんは登場すらしていなかったがアニメ無印の活躍を受けて出番が設けられたと思われ、その部分がさらにアニメになったのは感慨深い。湾内泡浮ペアVS馬場は脇役対決ながら能力者バトルの魅力に溢れていて超電磁砲ベストバトルの一つだと個人的に思う。婚后さんはその引き立て役となったもののそれまでの性格描写が素晴らしい。都合上映像化されなかったが婚后父との「桃李成蹊」エピソードと美琴と初めて交流するシーンは彼女のパーソナリティや今期の行動の源泉を語る上で外せないので全宇宙にあまねし光子ファンはぜひ原作を読んでほしい。
前半のボス木原幻生のキャラクターも面白かった。無印から登場している巨悪ということで超電磁砲シリーズの集大成的な盛り上がりに貢献した。他の研究者たちが倫理より生産性を重視することで悪を表現する中、幻生は生産性をも度外視することでさらに狂気を表現したところが印象的。また警策を使役する上での関係性が美琴と婚后さんのような「信頼」や、食蜂のような「強制」でもない、「目的の一致」であるところに対比が見え、オルタナティブな価値観とラスボスとしての格のようなものを感じた。コミカルな一面もあり魅力的な悪役として描かれていた。
後半は絹旗、フレンダ、屍喰部隊の登場により「学生の日常」と「暗部組織の非日常」の対比が描かれていた。日常と非日常、敵と味方、光と闇がぐちゃぐちゃに混ざり合いグレーの価値観を形成するところがとあるシリーズの特徴と言えるだろう。さらに、だからこそその中で純白の正義を描く黒子と美山少年のエピソードが異彩を放っていたように思う。
作画・動画
作画は一切崩れることがなかった印象。全編通して良かった。当初の予定より3ヶ月伸びたことで結果的に余裕が生まれたのだろうか。視線誘導の概念がある漫画原作の構図をそのまま使うのではなく、映像作品に適した構図に変更されたシーンも多かったように感じた。7話で黒子に見せた美琴の笑顔や、17話の美山への黒子の照れ顔など破壊力の高い表情の原作再現度も非常に高かった。一方で瞳の描き方が一定で、警策の「燠火のような目」などを表現しきれてなかったようにも思う。
作画において好きなエピソードは湾内泡浮ペアVS馬場の6話、雷神美琴VS当麻&軍覇戦の13話、怪獣大決戦の24話など。2話・3話の競技シーンなども原作から想像できる動きを完璧に表現していて今期に対する期待感を膨らませてくれた。
主題歌・CV
OPは2種ともおなじみfripSideで超電磁砲といえばこのアーティスト。前期の「final phase」は大覇星祭編のストーリーにふさわしい疾走感があり、後期の「dual existence」は最終盤のドッペルゲンガーと美琴のやり取りをなぞるような情感に溢れている印象。「final phase」の歌詞は食蜂とドリーに描いたようにも美琴と妹達を描いたようにも受け取れて解釈の幅があって面白い。
前期EDの岸田教団&THE明星ロケッツの「nameless story」は歌詞が完全に食蜂のパーソナリティを掌握して書かれていた点が話題になった。曲のイントロが印象的で10話では本編にかぶる演出がクライマックスを非常に盛り上げてくれた。sajou no hanaによる後期ED「青嵐のあとで」と15話挿入歌「ここにいたい」はどちらも情感を揺さぶるメロディーが印象的。特に「ここにいたい」は、何度も読んだ既知のストーリーなのに音楽の力で泣かされるとは思わなかった。
CVに関しては黒子役の新井里美さんの変態演技が今回も聴き応えがあったのだが、馬場役の林大地さん、猟虎役の鈴代紗弓さん、繰歯&ドッペルゲンガー役の種崎敦美さんなどのゲスト声優の演技も非常に印象に残った。馬場・猟虎はモノローグが多く担当回では多様な演技が聞けて心地よかった。繰歯とドッペルゲンガーは演じ分けがお見事で、最終盤の美琴とのやり取りは真に迫るものを感じた。
おわりに
以上です。非常に満足度が高かっただけに書くのに慎重になりすぎてかなり遅くなってしまいました。「原作ファンの期待に応えたアニメ」というカテゴリで見たら個人的に昨年のジョジョ5部と並んでトップだと感じています。7年待った甲斐がありました。世相がウイルス騒ぎで大変な中、3ヶ月伸びはしたものの素晴らしいクオリティを保って製作してくれたことが大変嬉しく、関わった全てのスタッフさんに最大の感謝を贈りたいと思います。ありがとうございました。
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2020年10月08日
シャドウバース 24話感想 レオンと対比をなすヒイロの「不選択」の決意
#24「祝福と災い」
※原作ゲームプレイヤーの方はコメントありでの視聴をオススメします。
あらすじ
レオンによりヒイロの両親の過去が語られ、災いの樹の暴走に巻き込まれたことが明らかになる。
ヒイロたちは全員勝利し試練に合格、災いの樹のコアを破壊するため「伝説のカード」の獲得に向かう。
感想
冒頭はレオンによる回想でヒイロの父エイジと母アサギが登場。災いの樹は当初「祝福の樹」と呼ばれていて人類に何かしらの恵みをもたらすものとして扱われていたようだ。両親はレオンとともにそれの研究者だったことが判明。「上」という言い方から国家的なプロジェクトかもしれない。レオンのさりげないボディタッチがエイジとの親密さを物語っている。さらに「祝福の樹」が暴走しヒイロの母アサギが「依り代」として囚われたことが明らかに。これは本家シャドバでも主人公の一人アリサの親友ロザリアが同じ被害に遭っている。
「それにねエイジ、私達には____、____。」
うーん2クール目最終話だというのに露骨に謎を置いてきた。「何かあっても対抗する手段がある」とかそんな感じだろうか。表情がネガティブにも見えるので「これをやる以外に道がない」系かもしれない。
現在に戻りバトル再開。【ジェネシスアーティファクト】の能力が徐々に明らかになっていく。
・コスト7で攻撃力0・体力12
・ダメージを受けた時特別なアーティファクトを2枚デッキに加える
・共鳴状態なら攻撃されない
・アーティファクトが場に出た時+2/+2する
・アーティファクトが2体以上場にあるかぎり自リーダーへのダメージを無効化する
体力12+攻撃されない能力で【炎の握撃】などの確定除去以外ではほぼ倒せない。アーティファクトを出し続ける必要はあるが攻防一体の能力で、アニシャドのカードプールであれば極めて強力なフォロワーと言える。
【イグニスドラゴン】が3ターン遅刻して出勤するがおなじみとなった【貫く咆哮】とのコンボで4点のダメージをレオンに通すヒイロ。イグニスを手動進化させたのはもしかしたら初めてでは?返すターンで【エアシップホエール】に破壊されるが、手札の【ジュエルドラゴン】が見えているので復活が予想できる。このあたりのオリカコンボがヒイロの得意技として定着してきている。
「私はね、ある意味では君の仇なのかもしれない」
まーた思わせぶりなこと言ってる。普通に読み取ればヒイロの両親を助けられなかった自責的なセリフに思えるが、Cパートの描写と合わせてレオンが独善的な黒幕である可能性も匂わせている。
他6人は先んじてシャドウナイツを撃破。カズキお前強くなったな……。全員相棒カードでフィニッシュしているのがアツい。ナイツが一様に無念そうに敗北していく中、アリスの対戦相手であるフィーアさんだけは安らかな表情を見せたのが印象的。シャドウナイツ、グランプリ編のピンポイントキャラかと思っていたがもしかしたら3〜4クール目でも出番を期待できるかもしれない。
ジェネシスアーティファクトがデッキに加えた「特別なアーティファクト」が登場。
【ディフェンスアーティファクト】(4/2/8・能力によってダメージを受けない)
【ガードアーティファクト】(4/4/6・能力によって破壊されない)
【キャノンアーティファクト】(1/4/2・場のアーティファクトの数だけ相手リーダーにダメージ)
3種類あるのでランダムで2種デッキに加えていたということだろうか。キャノンは1コストで4点5点を叩き出せるのでなかなかエグい性能をしている。インフレが進む本家シャドバに来ても戦えそうなパワーを感じるので、レオンから加減が感じられずヒイロへの本気の試練として説得力がある。
「耐えてみせろ、超えてみせろ、選んでみせろ!」
「見せてくれ、君の情熱を、勇気を、可能性を!」
「君は何も成せない、何も選べない、今の君は何者でもない」
レオンの3つ重ねる言い回しが戯曲的・リズミカルでカッコいい。3という数字は神秘的・縁起がいいとされるのでそれも意識したキャラ造形なのかもしれない。
「俺の、負けなのか……!?」
えー?いや【輝石のドラゴン】の3ドローあるでしょ。1ドローならともかく3ドローだよ?このターン合計4枚引けるうちの25%を引いた段階で諦めかけるやつおる???……いやまあ輝石のドラゴンは確かこのバトルで初登場のカードなので、視聴者が効果を知らない前提でストーリーを展開させているのはわかるのだが、結果的にこれまで「シャドバは最後までわっかんねえ!」と言い続けてきたヒイロのキャラが崩壊しかけている。……いやもしかしたら輝石のドラゴンの効果をすっかり忘れているのかもしれない。それならいつものヒイロである。
再び回想へ。アサギを救出することは叶わず、封印の選択肢が取られたがエイジは退避しなかったようだ。何のために残ったのかは具体的に説明されないが、セリフから察するに「祝福の樹」を抑え込むためのようだ。内外両面からの攻略のうち、自由に動けるであろう「外」をレオンに任せるところに信頼が伺える。
諦めかけるヒイロを鼓舞するルシア。(どこから入ってきた?)なるほどこのシーンをやるためなら21話22話で協力ではなくぶつかり合うことは必要だったように思えるが、かといって当時の退屈な感覚が消えるかというとそうでもないので難しいところ。残り5人も入ってきてそれぞれの反応が面白い。特にマウラはレオンの敗北に強く悲嘆しているように見えるのが印象的。
「選ばねえよ!俺は全部のためにバトルする!」
レオンは若く見えるがヒイロの父世代なわけで、それなりの歳を生きると「選択」を何度も経験しているものである。「上」の決定に従ってアサギの救出を諦めたのもその一つと言える。そのレオンの選択を迫る言葉に対しこの「選ばない」という返しはヒイロの若さと可能性を示していてカタルシスを感じる。レオン初登場時のセリフ「シャドバは選択の連続だ」もこのやりとりに至るための布石と思うとなかなか爽快。
輝石ドラをディフェンスAに当てて3ドロー→引いた【ワイルドハント】で破壊→【竜爪の首飾り】でダメージ増加→【神龍】を捨てた【ドラゴンナックル】とジュエルドラゴンの攻撃でガードAを破壊→イグニスドラゴンでリーダーを攻撃→全体ダメージが先に入ってキャノンA2体を破壊→ジェネシスAのダメージ無効が消えてレオン本体にダメージが入って勝利。アーティファクトを4体破壊しつつ本体を攻撃するという高い要求値をクリアした、イグニス攻撃時の処理順もしっかり把握しているテクニカルなコンボ決着。竜爪が場にあるのにレオンが「倒せるはずもない!」と言うのはさすがに違和感があるがまあいつものお約束。
前回、輝石のドラゴンのコストを下げたのを「勝利への布石」としていたが、このコンボを成立させるには別に輝石のドラゴンである必要がない(場にジュエル、イグニス以外のフォロワー1体と4枚の該当カードがあればよく、ドローカードのコストを下げる行動がコンボ成立につながらない)。すなわち「ヒイロが諦めかける」というシチュエーションを作るために必要な布石であってゲーム展開のために必要な布石ではない点がちょっと残念。一つ前のヒイロVSルシアはストーリーはさておきゲーム展開に見応えがあったが今回は逆の印象。
「7枚の伝説のカード、それらを揃えて災いの樹の元にたどり着け」
カードと言われると人造的なものに思えるが、わざわざ集めてこさせるのだからレオンの管理下にあるものではないということか。災いの樹の出自や起きる現象といい、それをシャドバでどうにかするメカニズムといい具体的に説明されないのでモヤモヤが残り続けるふんわりとした展開。追々判明していくことを期待したい。
「シャドバで世界を救ってみせるぜ!」
こういう展開になることはおそらく多くの人が予想していただろうが言葉にされるとなかなかのパワーワードである。感想が遅れに遅れたのですでに3クール目がスタートしているが、OPを見る限りなかなか面白い展開になりそうで期待が持てる。長くて2クールだろうと気軽に始めた感想だがもう半年ほど続けることになりそうだ。今後もお付き合いいただけると幸いです。
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2020年10月04日
とある科学の超電磁砲T 24話感想 3D作画でダイナミックに動く怪獣大決戦
第24話「拡散」
※原作未読の方はコメントオフでの視聴をオススメします。
あらすじ
瓦礫を取り込み巨大化したドッペルゲンガーに対し、美琴は砂鉄で巨人を作り応戦する。
ドッペルゲンガーは砂鉄巨人の塵を利用し、自身の研究データが存在する飛行船を発見し捕捉する。
現場に駆けつけた繰歯は飛行船上でドッペルゲンガー本体と交渉するが決裂、飛行船より落下する。
繰歯は屍喰部隊が救出、美琴はリーダーのサポートを受け飛行船上でドッペルゲンガーと対決する。
感想
「そりゃあ……質量には質量で」
第五位に聞かれたらさすが脳筋の発想力ねぇと言われそうな美琴の回答。瓦礫の怪獣と同様3D作画で生成されていく砂鉄の巨人がカッコよすぎる。荘厳なBGMも相まって完全に怪獣映画の様相だが、ご覧の作品は「とある科学の超電磁砲T」で間違いありません。
24話スゴい怪獣大決戦でした。3Dの雷巨人がカッコよすぎた。 #超電磁砲T #御坂美琴 pic.twitter.com/E3Nycs3qTJ
— ぺーた (@peta_) September 18, 2020
瓦礫の中から出てくるドッペルゲンガーの本体。原作ではこの時点では全裸なのだがアニメではさすがに「衣」を着ていた。まあ漫画よりバストトップを隠すのが大変だろうし、シリアスなシーンで「謎の光」が出てくるのもそぐわないので変更もやむなしか。ちなみにこの「衣」はドッペルゲンガーの「能力」そのものなのであまり早く出すとネタバレになり得るのだが、アニメのスパンではこの回で正体判明するので問題ないという判断だろう。
瓦礫怪獣VS砂鉄巨人(雷巨人)のバトルがぐりぐり動いて興奮せざるを得ない。常に振動する砂鉄を2Dで表現するのはかなり難しそうなので、10話の無数の車が道を開けるシーン同様に3D作画の利点が活かされている。3D作画スタッフさんのツイートを紹介。
怪獣と巨人は、原作しかデザインがないところから、
— 田中哲郎 (@lemonade0428) September 18, 2020
若手のモデラーさんお二人が、どうやったら巨大感失わずに常時エフェクトのを動かせるか、試行錯誤して、デザインから起こして、モデリングしてくださいました。是非その設定も見てほしい。
そして、どなたか、フィギュア化してくれないかなー(笑
超電磁砲T24話いかがでしたでしょうか?
— 風音ハル (@kazane_2525) September 18, 2020
砂鉄の巨人の3DCGを担当させていただきました!
ド迫力バトルは何度も繰り返し見ていただけると嬉しいです!#超電磁砲
これは最初に作った砂鉄ボール。 pic.twitter.com/EUgywuzzSM
巨人対決では不利と見るやガスホルダーを落とす作戦に切り替えるドッペルゲンガー。ガスホルダーが打ち上がる瞬間、視点がダイナミックに回転するシーンが印象的。遠く離れた巨大な物体を地面からちぎって打ち上げ、しかも複数同時も可能という点に凄まじいスペックが伺える。
ここの初春佐天と黒子の描写はアニオリ。初春が久しぶりと言っているので20話でフレンダを待っていた日と同日ということだろうか?少しの出番でもCV新井さんの怪演で爪痕を残していく変態黒子に笑うしかない。
砂鉄の弾丸を撃たせることで粉塵を空に舞い上げさせ、飛行船の位置を特定するドッペルゲンガー。美琴と交戦する可能性を考慮していたとはいえ砂鉄巨人を繰り出すところまでは予測が難しいはずなので、臨機応変の思考力が伺える。人工知能は演算速度や試行回数に優れるが新たに発想するのは苦手分野のはずなので、このあたりはドッペルゲンガーの「人間っぽさ」として描かれているようにも思える。
瓦礫怪獣から無数のメカ繰歯が生成されぱらぱらと剥がれていく。原作だと1コマの小さい描写にゾワッとするくらいだったがアニメで動くとストレートに気持ち悪い。どうでもいいがこういう能力で生成されるオブジェクトがどれもしっかり人の形などにデッサンとれている(?)のがすごい。ナルの紙などもそうだが芸術的感性が鋭い連中である。うらやましい!無数のメカ繰歯の背中から紐状のものが飛び出し集まり、巨大な女性の形になって飛行船を捕捉する。この辺の具体的な意味を計りかねる演出はエヴァリスペクトだろうか。
スクーターで駆けつける繰歯。転ぶあたりが運痴勢である。CV種崎さんによる、冷静冷徹なドッペルゲンガーとメカ繰歯にさらわれて悲鳴を上げる繰歯の演じ分けがお見事。追いかける美琴のモノローグでドッペルの目的に対する考察が入るところはアニオリ。アニメだと早いペースで話が進んでいくのでちょくちょく解説が入るのは親切だし、この直後の交渉シーンはドッペルの目的を意識していたほうが見応えがあるので、地味だが微に入り細を穿つ脚本。
ドッペルゲンガーと交渉する繰歯。交渉とは相手の目的を把握していなければどうやってもうまく行かないものだが……このシーンはストーリーを最後まで把握してから見返すとより味わい深い。というわけで↓
「母を助ける算段がついた今、この命などに……」
んん?原作では美琴に助けられてから現場にくるまでに、自宅から研究成果を所長らに送るシーンがあるのだが、アニメではなぜかカットされている。これがないと「算段がついた」ことにならないのでは?何かしら意図があってカットしたのならこのセリフも変更すべきだが、自決する動機が薄くなるのでそもそもカットすべきでない部分に思える。1シーンまるごとうっかり忘れるとも思えないのでちょっと改変意図がわからない。
(地面まで何秒……?!)「まかせろ」
大ピンチに義理を果たしに駆けつけるリーダー。アツい。空中に大量の目玉が浮かぶ不気味な能力もめちゃくちゃカッコよく見える。BGMも良い。照れるリーダーの横にニヤついている薬丸が描かれるのはアニオリだが、美琴に協力することをリーダーが残り3人に相談したのは間違いなく、それを象徴する描写。唾棄する「いい子ちゃん」寄りの行動ではあるがリーダーが言うのなら、と従ったことが推測できる。屍喰部隊の仲のよさが表現されていてたいへん良い。
ドッペルゲンガーの「能力」が明らかに。魂の憑依ではなく、特殊なオリジナル人工筋肉を電気信号で操っているだけの、超能力でも魔術でもない100%科学の産物のようだ。……いや無理じゃない?13話の初春の映像トリック以上に無理じゃない??遠隔であれだけパワフルな筋肉を操るのに電力はどうしているのだろうとかいろいろツッコミが湧いてくるが、そういうものなんだと納得しておこう。学園都市の科学力は世界一ィィィ!食蜂がカイツに出迎えられているが、これまで外で会うのを避けていた印象だが夜なら大丈夫なのだろうか。
「真の絶望は魂の不在を確信したことじゃないかしら?」
「……ようこそ。歓迎するよ超電磁砲」
飛行船上で最後の対決に臨む美琴とドッペルゲンガー。美琴の質問を無視するところが原作より「間」が作られていて印象的。美琴が「これ以上何を望むわけ?」と繰歯が落下死したていで問いかけるところがこの作品の「キャラクター視点」重視が見えて(繰歯が助かったことを美琴や視聴者は知っているがドッペルは知らない)細かいところだが好きな描写。
「人間に対する復讐……とでも言えばいいのかな」
砂鉄の剣でドッペルゲンガーと対峙する美琴。足場である飛行船が動くことで三次元的でダイナミックな戦いになっている。美琴の向きも瞬時に把握してサポートするリーダーが実に優秀。彼女の能力「鳥瞰把握(プレデター)」は原作によるとレベル3だが昼間に性能低下するのでそれも含めての評価なのだろう、夜間かつリーダー個人の知的スペックを合わせればかなり強力な能力者と言える。美琴の超電磁砲をどこか穏やかな表情で受けるドッペルゲンガー、というところで次回へ。最終回感想は全体感想も含めて書く予定なのでちょっと遅くなるかも。
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2020年10月02日
シャドウバース 23話感想 新クラスの紹介と2クール目ラストへの前提回
#23「未知なる邂逅」
※原作ゲームプレイヤーの方はコメントありでの視聴をオススメします。
あらすじ
ヒイロたちはレオンから「災いの樹」により世界が滅びかけていると告げられる。
7人はレオンの与える「最後の試練」に挑戦し、新たなクラス「ネメシス」と対戦する。
感想
それぞれ違う扉に入り試練を受ける7人。実に少年漫画的なシチュエーションである。扉にクラスのロゴが描いてあるが、シャドウナイツによるあの選定方法だと都合よく各クラスひとりずつになる確率はかなり低い気はする。ヒイロの対戦相手はやはりレオンで6話以来のバンクとなる。
「な……なんだ、そのアミュレット?!」
レオンたちが使うのが未知の新クラスであることを示すセリフ……になるはずだったがヒイロくん普段からカード知らないからなあ。完全にいつもどおりである。レオンたちの使用クラスは「ネメシス」であり「アーティファクト」というタイプを持つ低コストの割に強力なフォロワーを使用するクラスだが、まずはそれらをデッキに加えてから引っ張ってくるのが特徴。アーティファクトが実際に登場するまでカード説明で「アーティファクト」という単語を露骨に封じていたのが印象的。
他の6人は再びシャドウナイツとバトルでこちらも全員ネメシスクラスを使用。カズキ・カイ・ミモリ・アリスは対戦相手が変更されているがルシアだけはなぜか再びゼックスとのバトル。前回彼だけ省略されたからだろうか。無感情的だったシャドウナイツの面々に怒りのような感情が見えるので、アリスの言うところの「訳あり」の部分が色々と想像できる。とりあえずレオンの元で訓練された面子なのは間違いないようだが、全員一様に陰鬱なパーソナリティを感じるので非人道的なものを想像してしまう。
「真の力?」「心の力さ」
ルシアやアリスあたりはさておきカズキやミモリらは設定上強豪プレイヤーではないはずなので、ここまで残っていることにご都合以外の理由をつけるならこの「心の力」ということになるだろうか。意思の強さで強力なカードを引いているとするなら毎回都合よく駆けつける【イグニスドラゴン】にも納得がいくというものである。
【神秘の番人・スピネ】登場。かわいい。除去とドローを兼ねた、初期の「アーティファクトネメシス」を支えたカードである。1点ダメージ効果をちゃんと説明してもらったのに「まだ【ファイアーリザード】が残ってるぜ!」というヒイロくん、相変わらず話を聞かないタイプだ。
「だからこそ、お前の運命を思うと……」
他6人のバトルも交互に描写される。シャドウナイツたちを超えて選ばれた7人が何やらネガティブな目に遭うかのような発言である。マウラがたまに無表情になることもそれに関係するのだろうか。このセリフに対するマウラの反発が憤ったようにも一笑に付したようにも見えるのでまだまだ分からない。
【騎竜兵】で【輝石のドラゴン】のコストを下げるヒイロ。レオンの言うように後半の決着のための布石だろうが、ドローカードのコストを下げるコンボはいまいち想像がつかない。そしてアニメオリジナルカード【ジェネシスアーティファクト】が登場、レオンが父エイジと友人であったことをヒイロに明かして次回へと続く。今回はストーリーもバトルも後半へ続く感じなので感想も短め。次回はおそらく2クール目最終回ということで謎がある程度明らかになることを期待。
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2020年09月24日
【事前評価】シャドウバース Storm Over Rivayle / レヴィールの旋風
Cygames, Inc.
レヴィールの旋風の事前評価です。(20/12/31注:誤って記事を上書きしてしまったので評価だけ再掲しております。)
カードはSSからDまでの6段階で評価し、基準はファミ通Appさんのものを採用。以下のようになっております。
SS----Tier1デッキに採用され、ナーフされるパワーを持つカード
【オネストシーフ】【地を裂く異形】等
S------Tier1デッキに採用され、ナーフはされないパワーを持つカード
【光輝の顕現・ラー】【決意の予言者・ルーニィ】等
A------Tier1デッキに採用される or カード単体で評価できる強カード
【エターナルホエール】【界門のホムンクルス・ラズリ】【カーニバルネクロマンサー】等
B------カード単体としては平凡 or 環境デッキでたまに見るカード
C------ネタデッキで採用されたりごく稀に遭遇するカード
D------ローテ落ちするまで存在を忘れるカード
シャドウバース Storm Over Rivayle / レヴィールの旋風 事前評価
エルフ
優美な猫姉妹・シャム&シャマ ------ A
開拓のロデオガイ・ロキサス ------ A
ギガントパスチャー ------ B
小槌の勇士・スクナ ------ A
笑顔の破壊者・カーマイン ------ B
ヴァーミンハンター ------ A
茨の侵食------ C
物見のエルフ------ C
フォレストパトロール ------ C
サボテンカウボーイ ------ B
蜂の襲来 ------ A
ロイヤル
ファントムデュオ・バニー&バロン ------ A
カースドクイーン・ナハト・ナハト ------ A
リジェネレーター・ラインハルト ------ A
麗しき美技 ------ B
アウトローガンナー ------ B
フリングソルジャー ------ B
劇的な撤退 ------ A
前線の教官 ------ C
ナハトの私兵 ------ B
シノビタヌキ ------ D
盗賊の奇襲 ------ B
ウィッチ
アクセルヒーロー・マイザー ------ A
ピースキーパー・ヴィンセント ------ B
マジカルシューター ------ A
欲望の観察者・ファウスト ----- B
アーティストメイジ ------ D
マーシャルゴーレム ------ B
ブレイズブラスト ------ B
レヴィールの保安官補 ------ A
ミラーウィッチ ------ C
水晶の魔剣士 ------ D
大地の活用 ------ D
ドラゴン
竜喰らう禁忌 ------ B
烈覇のアルチザン・レジー ------ S
万華の鳳凰 ------ B
燎火のレンチスミス ------ A
蒼炎のドラゴニュート ------ C
竜人の工匠 ------ A
竜の助言 ------ A
コンダクターマーメイド ------ A
竜炎の設計士 ------ B
パンプキンドラゴン ------ A
サンダーロア ------ B
ネクロ
ゴールドラッシュゴースト ------ A
トリニティモンスターズ ------ S
大ツルハシの骸 ------ C
ノーライフパーティ ------ B
金鉱のネクロマンサー ------ C
暗がりの悪霊 ------ A
ネクロインパルス ------ A
恨みの語り部 ------ C
ボーンフリーク ------ D
スカルドリーマー ------ D
呪いの銅貨 ------ C
ヴァンパイア
享楽の支配人・ボルテオ ------ B
傷無き双翼・ピユラ ------ A
ショーダウンデーモン ------ S
魔剣の騎士・ハザン ------ B
クラップスデビル ------ C
レッドキャップ ------ C
ブラッドフォール ------ C
闘志の人狼 ------ B
激昂のバーサーカー ------ D
ルーレットヴァンパイア ------ D
糸蜘蛛の放射 ------ D
ビショップ
メルティングシュガー・セリーナ ------ S
双砲の神罰・アンヴェルト ------ A
パニッシュメントスナイパー ------ S
清浄の領域 ------ A
ダーティプリースト ------ A
セト ------ C
清き転変 ------ A
聖石の使徒 ------ A
ホーリーエンチャンター ------ A
リボルバーイーグル ------ D
カインドブライト ------ D
ネメシス
ストレイホロウ・イルガンノ ------ S
カオスルーラー・アイシィレンドリング ------ A
暗獄の遣い・ジャスパー ------ A
狭間の生成 ------ D
カプセルホムンクルス ------ D
保線機能のコヨーテ ------ D
廃品の選別 ------ A
ビームヨーヨーガール ------ C
ストリングマイスター ------ C
異形 ------ C
機器による設計 ------ D
ニュートラル
虚無の堕天使・ルシフェル ------ S
ラミエル ------ C
放浪する料理人 ------ A
氷獄の顕現 ----- C
ワイルドリザード ------ A
雷鳴のギタリスト ------ A
レヴィールの無法者 ------ D
自由なる冒険者 ------ A
スパイスシャワー ------ D
以上です。今回もグラマス未到達だったりちょっと時間が取れなかったので取り急ぎ評価のみで。寸評はまた後で書けたら書きます。Tier1予想は【葬送ネクロ】【バアルヴァンパイア】【進化ロイヤル】【アミュレットビショップ】【乗り物ドラゴン】【AFネメシス】です。どのリーダーも強くてバランスの取れた環境になるのでは……と予想(希望)しておきます。
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とある科学の超電磁砲T 23話感想 リーダー必死の弁舌とドッペル戦の躍動に注目
第23話「憑依」
※原作未読の方はコメントオフでの視聴をオススメします。
あらすじ
ドッペルゲンガーから逃れた屍喰部隊は美琴に遭遇、風紀委員を詐称し協力体制を取り付ける。
リーダーはドッペルゲンガーの進行方向を美琴に誘導させ、回収依頼を強引に達成する。
ドッペルゲンガーは美琴と交戦、対抗するために大量の瓦礫を取り込んで巨大化する。
感想
(まずい、弁解を……)「私達も驚いたんです。遭遇した時点で…」
ドッペルゲンガーを損傷させたことをごまかすリーダーたち。ここのセリフは原作からかなり変更されていて、ごまかしたことが視聴者にわかりやすくなっている。今回の原作消化量は60P程度だがほとんど会話劇なので尺を調整する意味合いもありそうだ。今回もほとんどが屍喰部隊視点のエピソードになるので、ここの3人のコミカルなやりとりが視聴者へ好感を与えてくれる。
「レベル5には二度と手を出さないって言ったのに!ヤンチャがすぎるぞ!!」
清ヶは美琴と知らずに手を出したわけだがリーダーは美琴が変装していたのを知らないのでこの推測が自然になる。細かい部分だがキャラクターのそれぞれの視点が正確なのがこの作品の特徴であり物語のクオリティの一端になっている。原作ではここのリーダーの「苦しい言い訳のポーズ」が笑えるのだが残念ながらアニメでは表現されなかった。
「へー、なるほどね。」
ころっと騙される美琴。リーダー苦し紛れの説明がたまたま美琴の普段の状況と重なったからなので、次回予告で食蜂が言うところの「信じたいものを信じた」格好になる。後半ドッペルゲンガーとの戦闘で見せたリアルタイム分析など、美琴が聡明なのは間違いないのだが、同時に善良な人間ゆえの隙も作品では強調されている。今回は食蜂と協力したエピソードなので二人の性格が対比的に描かれているのかもしれない。
「第3位と第5位は同中!レベル5同士交流があって当然!」
※イメージ映像です。実際の関係性とは異なる場合があります。
リーダーの口から食蜂が障碍者に対して慈善活動をしていることが明らかになる。前々回のラーメン屋のシーンと同じく思わぬところで興味深い設定が明かされるのが面白い。さらっと紹介されているがなかなか重く覚悟のいる活動に思えるので、食蜂が洗脳なしでも派閥メンバーに慕われることに納得できる。さておきリーダーの、当人でなく相方を褒める人心掌握術は実生活でも使えそうなテクニックに思える……不発に終わったが。嫌いなやつはどうしようもないやつであってほしいよな、わかる。
「いいセンスしてるわよ、アンタ!」
「セーフッ!!!!! (ちょっと出た……)」
美琴のファンシー趣味や食蜂との特殊な関係性に翻弄されるリーダーの独り相撲が面白すぎる。ナル以外は知性派揃いの屍喰部隊で、おそらく最年少で司令塔を努めるほど有能なのに完全にコメディリリーフとして描かれていて笑うしかない。リーダーCVは藤田茜さんでアイマスシンデレラガールズの水本ゆかり役でおなじみ。ゆかりは天然お嬢様で悠然としているのに対しこのエピソードのリーダーは常にいっぱいいっぱいでギャップが激しい。
「ていうかそんなのなくても助けるっつーの。」
リーダーが美琴の善性に触れてフラグが立つ部分。美琴からしたら当然すぎる行動なのでこのセリフすら若干不自然に映る。屍喰部隊が仲良しグループなので他人の善性を知らないわけではないだろうが、メンバーの絆が強固な分、それ以外の人間には不信感があるのかもしれない。ドッペルゲンガーの「能力」だが、遠くにある燃料タンクを破壊し持ち上げているので視聴者の想像を凌駕してくるシーンである。
別行動で情報収集する食蜂。ドッペルゲンガーの研究データが飛行船にも搭載されており、ドッペルが何かしらの理由でそれを狙っている事がわかる。ドッペルの能力同様、目的も少しずつ全容が明かされていくシーン。
テテーン♪BGMに黒子のテーマが流れるともはや反射的に笑ってしまう。原作では薬丸嬢による「男の子論」がもうちょっと詳細に披露されるが尺の都合か控えめ。薬丸、原作扉絵ではカタギっぽい友人たちと自撮りするシーンが見られるので暗部としての活動はそこそこに女子活を謳歌してそうな印象である。CVは西田望見さんでマクロスΔのマキナ・中島役でおなじみ。薬丸というキャラクターを下地にさらに「かわいこぶる」演技が面白い。表と裏、ナルとはまた別軸のギャップのある演技が印象的。
「夏休み明け、アンタみたいのと戦った気がするけど……お友達?」
「アンタみたいの」とは禁書1期のラストエピソード(21〜24話)で登場したゴーレムのこと。美琴の声色や表情に余裕を感じる。直接身内の安全がかかっていない戦いは超電磁砲において珍しく、かつ自分の能力が通用して全力で戦える相手なので、純粋に戦いを楽しむ姿が表現されている。肥大し伸びていくドッペルゲンガーの腕をボードで波乗りするように追尾していくシーンはアニメならではの躍動が感じられて素晴らしい。
「なんなら道連れは多いほうがいいかもなァッ!!」
美琴(と電話越しの食蜂)に翻弄されまくっていたリーダーが恫喝も使いこなすところにギャップが演出されている。ナルの紙ボートの摩擦を清ヶの能力で消して薬丸の薬品で飛ばす、という屍喰部隊のコンビネーションが面白い。
「頼りにさせてもらうわね。」
お姉さまがまたどこの馬の骨とも知れぬ女を落としていますわ!リーダーは使命感や正義の意識ではなく保身と面目躍如のためにやっているだけだが、怪我を押して身体を張っているのは間違いないので美琴の視点からは黒子や初春たちのように見えるのが面白い。ちょうど初春が怪我している時期なのもこの感覚を導く要因と言えるだろう。間接的に黒子たちへの尊敬が見えるのも良いシーン。主人公がすっかり騙されているのに見ていてストレスがないストーリーというのもなかなか珍しいのでは。リーダーの回想から屍喰部隊の「いい子ちゃん嫌い」の源泉が想像できる。
「圧倒的質量を前にしたら……どうする」
かかかかかかKAIJUだああああああ!!巨大化はロマン。負けフラグでもあるが。ドッペルCV種崎さんの静かだが重厚で圧を感じる声色にゾクゾクする。次回、さらに躍動が激しくなる戦いに期待せざるを得ない。
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2020年09月15日
シャドウバース 22話感想 「選択の連続」を体現し勝利を求めたヒイロの覚悟
#22「決着!そして…」
※原作ゲームプレイヤーの方はコメントありでの視聴をオススメします。
あらすじ
ヒイロとルシアのバトルはヒイロが勝利し、ミモリもシャドウナイツに勝利する。
ゴールドランクはヒイロたち7人のみとなり、7人は中央タワーに集合する。
感想
「シャドバが楽しくないなんて嘘だ!」
「そしたらきっと、お前ともシャドバを楽しめるから!」
「シャドバ好きなんだろ?楽しいんだろ?」
「理解なんて必要ない!」
「君はシャドバを楽しめばいい、だけど僕にその資格はない」
「そんなことは認められない、認められるものか!」
……君らそのやりとり何回するん……?
主義主張を交わしながらの戦いは極めて王道の見せ方なのだが、ターン制ゲームのターンごとにやるのはスパンが短すぎるのかかなりしつこい印象を受けた。よく聞くと二人の主張がじりじりと進んでいるのはわかるのでずっと同じことを言っているわけでもないのだが、実態と初見の印象が乖離してしまうのもアニメのようなリアルタイムの媒体では起こりやすい現象のように思う。舌戦は前半に1度、ミモリのバトルを挟んで後半にもう1度くらいが適正かもしれない。
ましてやこれが初見ならまだしも、前回書いたように11話と12話でやったストーリーの「やり直し」に近いのでなんとも盛り上がれない。ただその11話12話でも同じことを思ったが、二人を演じる梶原岳人さん、榎木淳弥さんの熱演は大変聴き応えがある。アニメとは絵・動き・物語・音・声と多様なメディアの集合作品なので物語以外にも見どころがあるのがいいところ。これから見る人は二人の演技を聴くつもりで視聴するのもおすすめ。
さておきゲーム展開だが、レジェンドカード【ブラッディー・メアリー】が登場。個人的にはこれは強いと予測してそうでもなかったので苦い思い出のあるカード。自傷とのコンボありきのカードなので必然的に7T以降に活躍するのだが当時のヴァンパイアはアグロ(前半に削り切るデッキ)が主流で出番に恵まれなかった印象。これを先に出し次のターンに【アザゼル】とのコンボで20点を与えるデッキもあったが強くはなかった。ゲーム画面だと見えなかったがそばかすがチャーミング。
先のバトルで決着を成した相棒カード【イグニスドラゴン】と【ダークエンペラー】だが今回は中盤に退場し、ヒイロはひたすら盤面展開を続けルシアは除去・回復・守護で粘り続ける泥仕合に。バトル漫画なら互いに武器を失って素手で殴り合うような展開だろうか。ストーリーの良し悪しはさておきそれに沿ったゲーム展開なのは良い。
アイキャッチ後にミモリの戦いへ。【ブリリアントフェアリー】を引いての勝利だがそれまでフェアリー4枚を抱えていたわけで戦略的勝利と言えるだろう。ミモリがゴールドになって定員7名が確定したようだが、シルバーから上がったミモリがそれにカウントされるということは、他はシルバーランカーも全滅したということだろうか?シャドウナイツのバトルが相変わらず神速である。そして久々のアリミモありがとうございます。いいぞもっとイチャイチャしろ。
ヒイロVSルシアに戻って、最大の見どころは最終ターン。スペル【ドラゴンナックル】で【暗闇の蝙蝠】(1/5守護)と【復讐の悪魔】(4/4)のどちらを倒すか迷うヒイロ。ライフが2なので安全に4/4を倒したくなるところだが、その場合は守護が残るので疾走を引いてもルシアにダメージを与えられない。ルシアはダメージスペルを多く持つのでターンを渡すと負ける可能性が高いため1/5守護を倒す。ここが第一の選択。
そして引いてきた【竜の伝令】と【ドラゴンガード】のどちらをプレイするかで第二の選択になる。ドラゴンガードならひとまず復讐の悪魔の攻撃を防げるが、やはりダメージスペルでは負けてしまう。(まさにルシアはここで3点ダメージの【鋭利な一裂き】を引いている)このターンで決める意思で守護を倒したのならドラゴンガードに行くのは一貫性のない選択なのだが、人情としてやってしまう人は多いだろう。実際ヒイロも諦めかけたが決意をもって竜の伝令をプレイ。2連続で先の見えないドローに賭け、闇の中の勝利を求めたヒイロの覚悟のプレイングが光る。7話のレオンのセリフ「シャドバは選択の連続だ」がようやく体現された瞬間でもある。
結果として【ダークドラグーン・フォルテ】を引いてきて勝利するヒイロ。ヒイロのデッキを推測する限り相当低い確率だがまあ毎回イグニスドラゴンを引いてくることに比べれば大したことないだろう。フォルテは「神撃のバハムート」出身のキャラクターで初期のドラゴンを支えた強力なフィニッシャーである。ファンも多く前回の【レヴィオンセイバー・アルベール】と並んでサイゲシリーズの顔と言えるキャラなのでこういう瞬間に初登場するのはアツいものがある。ストーリーに不満は残るがゲーム展開としては前戦と差別化がなされていて満足のいくものだった。
「……僕は僕の考えを改めるつもりはないよ」
今回は前回より頑なに拒んだ印象なので即デレるよりはこっちのほうが自然だが、じゃあ12話13話でちょっとデレたのはなんだったんだという気持ちになる。1クール〆だからデレさせとくか、みたいな感じなのだろうか。うーん。
「今はそれでいいや」
いいぞもっとイチャイチャしろ。呼びにきたマウラが若干呆れ顔なのが面白い。
中央タワーに集まる7人。ヒイロたちの会話を見てマウラが今度は露骨に不機嫌そうになるのが興味深い。彼のパーソナリティがじりじりと見えてきている気がする。
「世界は今、滅びの危機に瀕している。」
来たーーーーーッ。やはり命や世界をかけてシャドバする展開が来た。まあ誰しも予想しうる展開だと思うが、リアル世界で続けてきた物語が途中からファンタジーになるのは基本的には突拍子もないことなので、「不気味なシャドウナイツ」や「詩的な表現を多用するレオン」などファンタジー色が強めな存在をクッションとして置いている印象を受ける。「災いの樹」は原作シャドウバースにも登場する存在なので原作世界観とのリンクもありうるかも知れない。そしてこの感じだと3クール目以降があるのは確定的か。
次週予告にはシャドウナイツたちと「アーティファクト」の姿が。ついに8つ目のリーダー「ネメシス」が登場か。
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