2021年08月19日
シャドウバース 36話感想 繊細な戦略描写からの大味な怪獣決戦
#36「信じる心」
あらすじ
ヒイロはマウラから託された「プロミネンスフュージョン」でエイジに勝利する。
ヒイロたちは災いの樹の力を抑えようとするが失敗、災いの樹の中に吸い込まれる。
ヒイロが自室と思しき場所で目覚めたとき、そこには母・アサギの姿があった。
感想
「母さんを助けるためには、本当にこの世界を滅ぼすしかないのかよ!」
「その通りだ」
前回から続き。状況を説明するセリフだがヒイロが息子であると理解してないとできないやりとりなので、この辺から「実は気づいているのでは?」と視聴者にほのめかす展開にもなっている。
【ジュエルドラゴン】の能力で【イグニスドラゴン】を手札に復活させるヒイロ。進化権を使い切れば【シャドウイグニスドラゴン】を倒せるところを、【シールドドラゴン】で2点ダメージを与えるにとどまる。【インフィニットフレイムドラゴン】を活用するには進化権が必要だからだが、それが手札にない状況では相当思い切った決断といえる。リアル世界ならなかなかやれないプレイだが、ヒイロのここまでのトップ解決率を考えればかなり「太い」(=実現性の高い)プレイである。アニシャドはデッキを信じれば引ける世界なのだ。
エイジは【竜の力】のシャドウ版【邪竜の力】で影イグニスを強化、シールドドラゴンの守備を突破。影イグニスは本家と違い手札があっても機能するカードなのにこっちも手札が枯渇気味。やはり親子か。ヒイロは【竜の闘気】から【ワイルドハント】を引き、前ターンにダメージを与えておいた影イグニスを撃破。ドローに期待して布石を置いておく、10話その他でも描写された高度な戦術である。闘気のドローが不発に終わることを考えるとイグニスで相打ちに持ち込みたくなるところだが、前ターンでリスクを冒して進化を残したのはインフレドラゴンのためなので、闘気でドローを進めるのは一貫性のある選択。ヒイロの戦略がかなり高い視座になってきており、細かく解説されないのが惜しい。
【デッドエンドドラゴン】登場。自分の大型フォロワーが攻撃したときカードを引いてコストを下げる効果を持つ。エイジはヒイロのターンを経て中〜大型フォロワーを5体展開。ここでエイジがヒイロ本体を攻撃せずフォロワー処理に回ったのが興味深い。フォロワーを残しておくとインフレドラゴン一枚で大逆転負けを喫するので、その可能性を潰していると思われる。(つまり伝説のカードの効果を知っている?)また、デッドエンドがイグニスの3点全体ダメージで破壊されないよう攻撃相手を選んでいる点も面白い。それも【オーブドラゴン】等の盤面に干渉できるカードを引く前提なのが、この子にしてこの親ありと言ったところか。
そして絶望的な状況でインフレドラゴンを引くヒイロ。親の顔より見たトップ解決だが、先述したように今回は「引くため&引いた時のためのプレイング」をしているので納得感がある。エイジのフォロワーをすべて薙ぎ払い、ライフを1点まで追い詰めたところでスペルカード【漆黒の目覚め】によりエイジが虚ろの影を集積(取り憑かれていた人は普通に開放されるようだ)し、【デッドエンドドラゴン第二形態】が登場。さあ、前半は繊細なプレイングが見られたが後半からは大味な怪獣大決戦の様相である。
「アサギからネクサスを引き剥がすためには、ネクサスの目的を叶えるしか、道はない」
「この世界を滅ぼし、災の樹の中に取り込むこと」
漆黒の目覚めプレイ前の会話で災いの樹の目的などが明らかになる。前回も書いたがこのあたりは第3クールの間ずっと漠然としていたので、そのままストーリーが進んでいくのかと思ったがちゃんと説明されてよかった。苦悩が表現されるエイジに対してレオンは「喋り過ぎだよ、エイジ」とつぶやき、もはや真の黒幕がどちらかが明白になってきた。
DED第二形態はなんと本体・両翼・両手がそれぞれ別のフォロワーとして扱われる、なんとも小5マインドをくすぐられるラスボスである。能力を要約すると「本体攻撃用の左手」「フォロワーとの戦闘に強い右手」「破壊されると超回復する左翼」「本体へのダメージを防ぎ、手がある限り無敵の右翼」+本体の5体。フォロワーと戦闘できるのが右手だけなので意外と不便そう。ぶっちゃけ展開の都合上、ヒイロのドラゴンを場に残しておくためのデザインにしか見えない。ヒイロはイグニスも展開し本体以外を撃破するが、スペル【シャドウバースト】でドラゴン二体を封じられる。しょんぼりしてるイグニスとインフレ、かわいいな。
「それだけは奪わずにおいてやる…………ヒイロ。」
雑に強いインチキスペルで大逆転する大味な展開だが、それを補うかのようにストーリーが描写される。エイジはやはり息子に気づいていたようだ。息子をなるべく楽に介錯してやりたい心理が見える。しかしヒイロは仲間の声を受けて立ち上がり、【プロミネンスフュージョン】でイグニスとインフレを融合させた【ゴッドプロミネンスドラゴン】で勝利。後半のゲーム展開はこの二体を場に残しておくためのご都合感は否めないが、まあプロミネンスフュージョンは34話から布石が置かれていたのでストーリー展開としては盛り上がったように思う。
世界を吸い込もうとする災いの樹に伝説のカードを掲げるヒイロたちだが、マウラのスマホがレオンによって無効化されていたので抵抗に失敗する。ず、ズルい。これならヒイロたちが勝っても負けても結果は同じである。(伝説のカード自体は信用に足る存在であることが分かる。)しかしそれならエイジの乱入に若干の困惑を示したのはなぜだろうか。ヒイロたちが今やっていることを根本から疑わない限りは勝ち確なので、エイジの口からなんらかの情報が伝わるのを恐れたのかもしれない。
「……ではまた、災いの樹の中で。」
災いの樹の中に吸い込まれていくヒイロたち。カイがアリスを助けようとするところが好き。ここの描写を見る限り、マルグリットはレオンの真の目的を知らなさそうな感じ。
「そんなに寝てちゃダメでしょー?遅刻するわよ。」
そして衝撃の展開で最終クールへ……!第1・第2クールは話がすっきり区切られたところで終わったが第3→第4クールは視聴者の興味を引いたまま続く怒涛の展開。本放送時もここだけ総集編が挟まらなかったと記憶している。さてあと12話、正直今年中に書き終わるか怪しいが、気長にお待ちいただけると幸いです。
Tweet
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/10900976
この記事へのトラックバック