2021年03月06日
シャドウバース 31話感想 カズキの「心の強さ」を見せつける横綱相撲
#31「勇者の剣」
あらすじ
ミモリはタクマの力を借りてエルフの伝説のカードを手に入れ、セイヤに勝利する。
一方、カズキもロイヤルの伝説のカードを入手し、ヒイロと共にズオウとコウに勝利する。
感想
前回からかなり間が空いてしまいました。本放送に追いつくどころかどんどん離されていく……。半分くらい美少女化したウマを育てるゲームのせいです。「でも、手を取り合える日が必ず来るから――」
前回のクライマックスから続き。ミモリのテーマがやはり「悪も救うことができるか」なのがわかりやすくなっている。ここでタクマの顔を映したほうがよりわかりやすいと思うが、この作品は一貫して視聴者の読解力を信頼しているフシがある。奇しくも今期のプリキュアがこの手の価値観を否定したと話題になったのが面白い。こちらの価値観のほうが王道だが、普遍的なテーマで多様な価値観が提示されるのは健全なことと思う。
「あなたに私の伝説を託します!」
エルフの伝説のカードを授けてくれるこの少女の名は【アリサ】。明るく素直な性格をしており本家7リーダーの中でも主人公格の存在。ロザリアという親友がいるがヒイロの母と同じように「災いの樹」に囚われてしまい、彼女を助けることがアリサの目的である。優秀なロザリアを慕うと同時に森の守護者としての技量に劣等感を持っていて、「普通」がコンプレックスのミモリと重なるところがある。他6人と比較して飛び抜けて善性に満ちたキャラクターなので、ミモリに「悪をも救う覚悟」を要求したのは彼女らしい。
「汝、生い茂る新緑、数多の妖精を統べしもの――お願い!」
エルフの伝説のカード【シャイニングヴァルキリー】登場。個人的にヴァルキリーという存在が大好きなのだが、流線的な甲冑+特徴的な兜+ドレス風スカート+適度な露出のデザインがヴァルキリーポイントを押さえていて大変素晴らしい。能力は5/2/5、ファンファーレでフェアリー1枚(直前に5ダメージ以上受けていたら3枚)を手札に加えてコストを0にする。さらに攻撃時能力で場のフェアリーの攻撃力合計と同じだけ攻撃力がアップする。うーん、ヒイロのヤケクソドラゴンと比較するとそんなに強くない。単体では活躍が見込めないので【ブリリアントフェアリー】等とのコンボ前提のカードと言える。エルフらしいと言えばらしいが。
前回場に出た【聖騎士の剣】の効果は「自分のフォロワー1体に疾走を与える」とのことだが場に出たorプレイしたフォロワーと表記するのが正しいと思われる。これでシャイニングヴァルキリーに疾走を与え、ブリリアントフェアリーとのコンボで3+3+3+12点で1ターンキル。……ん?これだと場に6面出てるので、聖騎士の剣は本家シャドバの乗り物アミュレットのように効果発動すると消滅するタイプなのかもしれない。
ちなみに前回【グロリアス・スラッシュ】で【シャドウ・プレデターゴーレム】を破壊したのはかなりの博打で、【まどろみの森】の攻撃封じが【天翼を食うもの】を外していたら負けだった。天翼ではなくSPゴーレムを破壊したのはSPゴーレムの攻撃力を0にする効果を解消するためと思われる。つまりタクマはミモリが巨大フォロワーを出すことに賭けてリスクをとったことになり、なかなか高度なプレイング。……まあタクマがシャイニングヴァルキリーの効果を知っているはずもないのだがこの作品も3クール目となると「細けえことはいいんだよ」の精神で視聴したいところである。
「礼なら竜ヶ崎に言え、あのバカのせいでここまで来たんだ」
「そっか、ヒイロ君が……!」
ヒッ……ヒイミモ!ヒイミモだ!!大砂漠の一滴の水がごとき貴重なヒイミモです!!!
「絶対絶対、世界救うからねー!」
世界の救済を文化祭の成功くらいのテンションで約束するミモリ。前回のヒイロと対比になっているのがよい。タクマの「普通じゃねえな、アイツ」がミモリにとって象徴的でありながらもたいへん自然なセリフでぐっとくる。
カズキVSズオウ&コウのバトルへ。ちなみに2対1でもタッグ側はライフ・墓場が共用で手札も各自の分しか使えないのでリソース面では別段有利ではない。ただこの二人の場合タッグ前提のデッキなので戦略面で有利と思われる。すぐヒイロが現れて2対2になるがこちらはタッグ前提デッキではないので戦略面での不利は変わらないと言える。
ズオウのシャドウ系カードは27話のジュスティーヌ姉妹と同じく全てのフォロワーをシャドウ化する【侵食する災い】と、【虚無竜の笛】。こちらは18話で登場した【竜呼びの笛】のアレンジバージョンのようだ。現状と今後加わる手札のシャドウ化カードをすべて【シャドウフレイムドラゴン】に変える。これは3/4/3でアレンジ元の【ヘルフレイムドラゴン】よりコストが1上がって突進を失ったが、突進しなくてもファンファーレで相手フォロワーに4点与えられるようになっている。さらにシャドウ系カードおなじみの三体合体で6/5疾走の【シャドウトリプルドラゴン】になる。9コスト払う必要があるが盤面を掃除して6点疾走できるのはなかなか強力。
コウのシャドウ系カードは【増殖する災い】で手札を(おそらく1枚)捨てて3枚の【シャドウソルジャー】を得るカード。その後シャドウFDに9コスト支払っているのでおそらく1コスト。ズオウが手札変身のアミュレットを出してコウが手札を補充するコンボが18話と同じでやはりタッグ前提のデッキになっている。そして疾走するシャドウTDの攻撃で物理的に高く吹き飛ばされるカズキたち。相変わらず物騒なゲームだ。
「弱いやつはみんな俺たちの獲物だ、まとめて食ってやる!」
「そんなこと言われたら……諦めるわけに、いかないじゃんね……!!」
自身の弟妹たちを思い浮かべて立ち上がるカズキ。たびたび書いているが世界を救う動機に説得力を持たせるには守るべき存在を描写しておく必要がある。カズキはヒイロやルシアと同じくその条件を満たしているので、新しいテーマを必要とせず試練をクリアしている。ここで特筆すべきは主人公たるヒイロがサポートに来ているのに彼に全く頼らず乗り越えたことだろう。バトル上では助けられているが物語上の試練においては全く力を借りていない。実力こそ味方の中で最下位だが、レオンの重視する「心の強さ」で言えばカズキはヒイロに匹敵するレベルなのかもしれない。
「あなたの覚悟、見事でした。私の伝説を、あなたに託します。」
ロイヤルの伝説のカードを託すキャラクターは【エリカ】。本家シャドバの最初の世界に存在する「アレスター王国」の姫に仕えるメイド兼護衛。実は出自が暗殺者であり姫に拾われて足を洗った経緯がある。その姫はヴァンパイアのユリアスを封じるための生贄としての役割があるため、姫を信奉するエリカはユリアスと序盤激しく対立する。融通がきかない石頭かつ姫様唯一主義なので、別に姫を害する気のないユリアスのほうがまともに見えるのが面白いところ。ユリアスと互角に渡り合うほどの剣技を持つ。
「汝は世界を変える剣!切り裂け!【レジェンドソードコマンダー】!」
ロイヤルの伝説のカード降臨。能力は9/5/5突進、ファンファーレでアミュレット【伝説の剣】を出し、これがある限り全てのダメージを0にする。攻撃するたびに相手リーダーに3ダメージ。うーむ、盤面干渉可能でダメージで死なないのはいいのだが必殺等は防げないし、9コストならもう少し決定力が欲しいところである。場を1つアミュレットで埋めるのもマイナス。アニシャドのカードプールでも【バハムート】があるはずなのであまり活躍が見込めそうにないカード。
ズオウは【竜の知恵】で手札補充しシャドウFD2体を出し、シャドウTDのラストワードで出てきていた1体と合体させて再び6点疾走させるが2点足りず。惜しい!ギリギリの展開!……と言いたいところだが、シャドウFDその1はカズキのターンからいるはずなので、合体させる前に攻撃させておけば足りていたのでは?……まあ伝説のカードが降ってくるバトル展開はまともに評価できないのだが、あまりに雑なのは関心しない。正確なテキストがわからないので攻撃できない理由があったのかもしれないが。
ヒイロにターンが渡り、おなじみトップ解決【竜の力】で強化されたレジェンドソードコマンダーで殴って勝利。バトル自体は苦戦したものの、物語上のハードルはなんの苦もなく超えた横綱相撲と言えるのでは。横綱相撲が面白いかどうかはまた別の話だがカズキのこのキャラクターには好感が持てる。勝利しイチャつくヒイロとカズキだが、全ての伝説のカードを手に入れたために遺跡が崩壊し脱出する。マウラのカードは灰色状態だったはずだが手に入れた判定になるようだ。……ズオウたちが放置されたが死ぬんじゃないのこれ。ミモリは悪をも助ける覚悟を示したというのにお前らと来たら……。
「ヒイロにばっかりカッコいいことはさせられないじゃん!」
キン肉マンオマージュと言っていいのかわからないほどベタな「俺に任せて先に行け」様式美を決めて次回へ。次回はまさかのマウラVSルシア。2度バトルしてもあまり進まなかったマウラの物語が、3クール目に置かれた多数の布石を回収してついに進展しそう。
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