2021年03月10日
シャドウバース 32話感想 ルシアの成長、マウラの謎の収束、そして急転する物語
#32「希望の足音」
あらすじ
マウラは災いの樹周辺で待つルシアにバトルを要求、戦いの最中にヒイロが駆けつける。
伝説のカードで勝利しかけたマウラだが、そこへエイジの手による虚ろの影の集団が襲いかかる。
感想
おそらく他の面子を待っているルシアだがわざわざそこ登ったの?相変わらず高いところが好きだなこいつ。そこにマウラが現れてバトルを要求する。まあ闇落ちしそうなサブキャラはあらかた片しており、財善寺ミヤビや田部丘マイセルでは実力的にも物語的にもマウラの相手として不足だろう。マウラがルシアを選んだ理由は、「僕にだってわかりませんよ」と本人が言う通り明確なものはないのかも知れない。
モブを撃破していくカズキとそれに合流するミモリ、そしてカイとアリス。横スカスカなのにその扉を通る意味ある?カイの変人ぽさの演出なのかもしれない。
「ねえルシアくん、君は世界が好きですか?」
「さあね……でも、守るべき価値はきっとある!」
マウラの心中はさておきルシアを選んだ物語上の理由がここにあるように思う。シオリの言葉を借りるなら「世界に優しくされなかった」もの同士だからか。「あなたたちと僕」と他6人との差を強調するマウラに「差は埋まるものだよ」と返すルシア。ヒイロやシオリとの差を埋めた実績もあるのでルシアは最もマウラを変えられる可能性のある人物と言える。そう考えると、ヒイロVSマウラを2戦(10話・20話)やってもマウラの物語にあまり進展がなかったのも必然か。
序盤のバトル展開だがルシアは進化した【鉄槌の僧侶】を【鋭利な一裂き】で処理する。一裂きをフォロワーに打つのは俗に「処理一裂き」と呼ばれる負けフラグなのだが、相手がビショップだと顔(リーダーのこと)に打っても回復されてしまうのが悩ましいところ。ルシアはじっくり戦う戦略を選択したことになるが、後に出てくるマウラの「伝説のカード」の能力を知っていればこの一裂きは顔に打ったかもしれない。
バトル中盤に錯乱しだすマウラ。この時点ではわからないがこのエピソードを最後まで見るとレオンからの命令と自身の願望のギャップに苦しんでいるのがわかる。錯乱ぶりが尋常じゃないので精神力を使う仕様になっているバトルシステムの影響に思える。なんて恐ろしいゲームなんだシャドバこえーな。マウラが「レオンのカード」として認識している【レディアンスエンジェル】を引いたターンなのが暗喩的。
復讐状態に入ったルシアの顔がいい。細い髪が落ちる表現が28話と同じだが作画が同じ人なのだろうか。どなたのお仕事かはちょっと確認できなかった。
「僕のことなんて何も知らない!」
「そうだね、何も知らない。だけど彼の言葉を借りるなら……バトルしていれば分かるさ」
ここでちょうど「彼」が合流するのがエモい。ヒイロに気づいたルシアの微笑がなんというか慈しみに溢れているようで感慨深い。ヒイミモよりヒイルシに余念がない作品である。
「この世界には守るべき優しさだってあるんだ!」
「マウラ、絶望するには早すぎる!希望はきっと、まだある!」
「答えは君の中にあるはずだ」
ルシアの口からこんなポジティブなセリフが聞けるとは。いわば助けられる側だったキャラクターが助ける側に回る展開がアツい。ヒイロも「仲間同士」の戦いに困惑していなければ感慨もひとしおだったろうに。
「おそらく彼はまだ……伝説のカードに認められていないんだろう」
互いの相棒カードの応酬を経てビショップの伝説のカード【インペリアルセイント】登場。「認められていない」ことが同じ状況だったルシアには分かるのが自然な流れ。ルシアは復活した【ゴッドオブカース】を【黙示録】で【ダークエンペラー】を残したまま破壊、マウラは回復で粘るが、ルシアは次のターンにダークエンペラーその他と【アルカード】の疾走で勝利……のはずがまさかの展開に。
「運命に溺れながら、生を強く掴まんとするものよ……私の伝説を、あなたに託します。」
ビショップの伝説のキャラクターは【イリス】。本家シャドバ最初の世界で司祭を務める心優しい女性。序盤のストーリーではかなり重要な役回りであり、詳細に紹介するとネタバレになってしまうのでアニシャドのみの方はぜひプレイしてみてほしい。(まあ序盤よりそれ以降のほうが評判が良いのだが。)CVはおなじみ井上喜久子さん。艶の中に重厚感を備えたお声がずっと変わらず美しい。まあまだ17歳なんですけど。
「災いの樹を消滅させるには生贄が必要なんです。そして僕がその生贄だ」
23話でシャドウナイツの一人によって示唆された「マウラの運命」が明らかに。3クール目でも毎週のようにマウラのカットが挟まれていたが、この運命への使命感と葛藤を表現したものだったようだ。レオンは以前から善玉か悪玉か測りかねるところがあったが、その不信感のようなものがここで一気に噴出する。生贄にするために子供を拾うとはなかなかに鬼畜の所業だが、感じる通りの利己的な邪悪なのか、正義のための使命感と覚悟を持った悪なのかはまだまだわからない。
なんか今変なカット入ったぞ。ほんとに一瞬なのが笑わせに来てる……んだよね?おかしいな、真面目な話のはずだが……。
「そう、ただ生きたいという願い!」
育ての親であるレオンの意に反してでも「生きたい」という願望がマウラの本心にあり、ルシアとの戦いを経て自覚したことで伝説のカードのお眼鏡にかなったようだ。ただ自覚した願いを実行するつもりだったかどうかはわからない。レオンに対する恩義や愛情を吹っ切ったようには見えないが、ルシアらに対する敵対を止めていないのでレオンの計画に反逆しているようにも見える。結果的にバトルが中断したのでなんとも言えないところ。
「汝は希望!思いの結晶!今ここに奇跡を起こせ!」
インペリアルセイントの能力が明らかに。9/0/10で潜伏を持ち、敗北したときそれを無効にし体力を10にする。さらに自分のフォロワーを全破壊、手札全捨てで進化、さらに1度だけ、このフォロワーが攻撃した時追加ターンを得る。……これはすごい。これまでの伝説のカードはなんだかんだで最初に出てきたヒイロのヤケクソドラゴンが一番強そうだったが、最後にとんでもないのが出てきた。まあ敗北キャンセルしたところでこれ一枚で与えられるダメージは(相手が守護を張らない前提で)10点なのであまりの劣勢時に出してもおそらく逆転不能だが、拮抗するゲームに持ち込んだりカウントアミュでデメリットをスルーしたりとデッキ構築次第で相当な力を発揮しそうなカード。Switchの「チャンピオンズバトル」にも実装されたがさすがに敗北キャンセルはアニメ独自の能力っぽい。
【シャドバト情報をお届け】
— 「シャドウバース」TVアニメ・ゲーム公式 (@shadowverse_anm) January 26, 2021
『シャドウバース チャンピオンズバトル』に、TVアニメで活躍中の「伝説のカード」が登場決定
本日はビショップの「伝説のカード」をご紹介️
⚔️インペリアルセイント⚔️
「伝説のカード」は2021年2月上旬頃登場予定️続報をお楽しみに️#シャドバト pic.twitter.com/8QeNXpvZ5k
「僕は僕の中の願いを掴めた!」
生きたいという欲求は当然のものだしマウラがスッキリしたのもわかるのだが、バトルは続行して敵対的な雰囲気のままで、じゃあ災いの樹の封印はどうするのか……と視聴者的にはポジティブなのかネガティブなのかよくわからない状況のままバトルが進行する。追加ターンでマウラの勝ちか……というところでさらに衝撃の展開へ。竜ヶ崎エイジによる横槍が発生してバトルが中断、レオンがマウラを道具と呼ぶところに酷薄さが強調されている。ただ善玉ではないにしろ今のエイジと敵対関係なのは間違いなさそうだ。
「生きたい!生きたい!生きたい!嫌だ、嫌だァァァ!!」
無数の虚ろの影がゴリゴリとマウラの中に侵入していく様はなかなかグロテスク。マウラCVの井口祐一さんの怪演も相まって低年齢層にはトラウマになるレベルでは。この展開でサブタイトルが「希望の足音」なのおかしくない??「這い寄る絶望」とかに変えたほうがいいと思う。
今回は実質的にマウラの勝利だがインペリアルセイントの敗北キャンセルが破格で、さらにルシアはそれを知らずに戦っているのでバトル展開についてはさすがに評価不能。次回は闇落ちスーパーマウラVSヒイロ&ルシアのタッグバトルのようだ。第3クールがまだ4話くらい残っているがすでにクライマックスの様相である。
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