2021年03月16日
シャドウバース 33話感想 迫力の作画と熱演で描かれるマウラの脅威と悲傷
#33「滅びの行方」
あらすじ
エイジの介入によりマウラは大量の虚ろの影に侵入されて支配される。
滅びを望むマウラに対し、ヒイロとルシアは彼を阻止し救うためにバトルを挑む。
感想
「これが僕の運命……なのだとしたら……許せませんよ!!」
大量の虚ろの影に侵入されて闇落ちするマウラ。彼の力が衝撃波となり、大地をえぐりビルを粉々にする。すごい、カードゲームのアニメっぽくなってきた。マウラの顔芸がえぐいことになっていて遊戯王っぽい……と思ったら「遊☆戯☆王VRAINS」で作画を担当されている金子優司さんが作画監督なので同氏のお仕事かもしれない。
「今の彼に通じるとすれば……これだけだ!」
「伝説のカードを手に入れていようが、勝てるはずなどない」
この世界のシャドバは挑まれたら乗るしかない強制力でもあるのだろうか。先程のビルを粉々にする力で物理的にミンチにしてしまえばいいのに、マウラ、そんな姿になっても律儀なやつ。ヒイロへ向けるルシアの微笑がこれまでと違って明らかに険がとれているのが印象的。二回に分けたバトルなので尺に余裕があるのか今回はバンクもあり。ルシアのバンクはかなり久々。
マウラは最初のターンに「第一の神器」【ギルティシールド】をプレイ。効果は「自リーダーへ全てのダメージを-2する能力を与える。」らしい。……は?ぶっ壊れすぎる。アミュレットなら盤面を埋めるし破壊することもできるがリーダー付与スペルだと欠点も対処法もない。アグロデッキはこれを見た瞬間にリタイアするレベル。まあ対人戦では使えないストーリーモードのボス専用カードみたいなものだろう。ちなみにリーダー付与効果は現行の本家シャドバではおなじみだが、アニシャドのカードプールの時期には存在しなかった、とヒイロの驚きで気づく。そういえばそうだったね。(おそらく「ワンダーランド・ドリームズ」の【邪悪なる妖精カラボス】が初出。)
ギルティシールドがあるので【蠢く死霊】の攻撃を見送るヒイロ。今回はちゃんと対戦相手の話を聞いていたようだ。成長したな……!まあそこはさておきルシアが【ダークジェネラル】をいわゆる実質守護としてダメージカットのために置いたりと、複数回をまたぐバトルだけに細かい戦術が描写されている。バトル描写もクライマックスにふさわしいものになりそうな予感がする。
「それなのに僕は……約束を破った!!」
優勢でドヤったかと思いきや急に苦しみだして感情のアップダウンが激しい。29話のシオリと同様の状態に見える。生きたい「願い」を自覚したマウラがどうするつもりだったのか、前回はハイテンションのままバトルが中断したのでよく分からなかったが、レオンの思惑に反するつもりだったようだ。現在は腰布に付いているレオンからもらった髪飾りに触れているカットが印象的。
「救うのは世界だけじゃない!マウラ!お前も救う!!」
世界とマウラを両方救う方法のあては一切ないのにこう言い切るところがヒイロのいいところ。ルシアやカイでは……というかそれなりに計画的な思考をするタイプだととても断言できないだろう。そもそも全員ここまでレオンを信用して戦ってきたのに、それをひっくり返す状況ですぐさま断言できる拠り所は、知性や計画性ではなく「心の力」としか言いようがない。24話でレオンに対して「どちらも選ばない」と言えたヒイロだからこそのセリフ。
「君という存在は消え、一人の救世主が生まれる」
「生贄」の詳細が明らかに。お、おぞましい……。恩義・愛情・正義などの本来ポジティブな事象を盾に、自分以外の誰かに多大なリスクを背負わせる、なんとも生々しい洗脳の描写。若年層向けのアニメでやって大丈夫か?いや、これを見ている若年視聴者は社会に出たときこういう社長に騙されないように教訓としてほしい。「二択しかないように思わせる」のは人を操る手口の一つで、そんなときは第三の選択肢を探るべき。ヒイロのセリフ「お前が犠牲にならなくていい方法が絶対あるはずだ!」がまさにその光明として提示されているのが素晴らしい。
マウラの切り札【ゴッドオブカース】降臨。ギルティシールドのダメージカット効果が凄まじいのでそちらで防御しつつ、潜伏を持ち相手のライフ最大値を下げ続けるゴッドオブカースを4ターン維持する戦略がかなり強力に思える。二度倒さなくてはいけないこのカードの対処をもってヒイロとルシアの絆を描いているのが面白い。ヒイロのデッキで潜伏に効果があるのは【イグニスドラゴン】と【灼熱の嵐】くらいなのでゴッドオブカースは倒せず、【黙示録】を擁するルシアとのコンビネーションが描写されている。いいぞもっとイチャイチャしろ。
「だァからどうしたァァァーーッ!!!」
「遅゛い゛ん゛で゛す゛よ゛!友゛情゛も゛!仲゛間゛も゛!こ゛の゛世゛界゛を゛救゛う゛の゛も゛!!」
すさまじい。マウラCV井口祐一さんによる喉が心配になるほどの超演。以前感想を書いたグランクレスト戦記でもかなり重要な役を演じられていたがここまで感情を露わにするキャラクターではなかった。マウラ役で真骨頂を聴くことができて嬉しい。
「第二の神器」【エターナルドグマ】登場。効果はなんと自リーダーの体力を40にする。これはひどい。コスト8とはいえ実質2回の敗北キャンセルに等しく、打ってターンを返すだけでも強力。相手は1ターンもらっても40打点は出せないだろう。「神器」はおそらくボス専用カードということでバランスのバの字もないのがいっそ清々しい。しかも神器二つが揃うと5体の【シャドウアサルト】(効果は28話参照)が場に出る、先述したゴッドオブカースを守る戦略やらがどうでもよくなるレベルのヤケクソぶり。神器というからには3つ目があるのだろうが、どんなぶっ壊れカードかもはや楽しみになってきた。
「さあぁ続けましょうよ!ぜぇつぼぉのヴゥァトォルをォォ!!」
井口さんノリノリすぎて好き。超楽しそう。31話感想で書いたがルール上はタッグを組んでもそんなに強くならないので、ヒイロもルシアも普通のデッキである以上勝ち目がない気がするが、どうやって活路を見出すのだろう。感想が遅れに遅れているので大筋のストーリーは知っているのだが、バトル展開までは確認していないので楽しみにしたいところ。
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