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2021年02月03日

シャドウバース 29話感想 結実するルシアの物語に強烈なカタルシス

#29「僕である証」


あらすじ
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ルシアは虚ろの影に取り憑かれたシオリとのバトルを経て、伝説のカードを自らのものとする。
一方、エルフの遺跡に到達したミモリは虚ろの影に取り憑かれたセイヤと対峙する。
感想
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シオリの声を感じて屋上に向かうルシア。……う、浮いてるーー!!25話で闇落ちタクマがビルの上から平然と飛び降りていたが、身体能力強化というよりはもっと超常的な力が働くようだ。病人であるシオリがひと目で異常な力を得たのがわかる描写。前回も書いたが一番の強キャラであるルシアの対戦相手に「闇落ちした妹・シオリ」を持ってくるのはなかなか辛辣な展開。

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「わたしはあなたに伝えたいことがあるんです。今だったら伝えられます」
ルシアと同時にシオリのキャラクターも掘り下げられることが期待されるセリフ。虚ろの影に取り憑かれると自制していた内面の欲望が開放されるようだ。(もともと欲望に忠実そうなジュスティーヌ姉妹は全く変わってなかったが、もしかしたら彼女らの設定上の内面が描写されていたのかもしれない。)バトル前のバンクは二人とも無し。今回はOPもEDもなく24分全てをストーリーに費やしていて見応えがある。結論から言うと神回。

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「それは……世界を滅ぼす力だ」
「滅びればいいじゃないですか、こんな世界」
前回少し書いたが「世界のために戦う」動機に説得力を持たせるには、例えば家族であるとかの守りたい存在を描写しておく必要がある。ルシアにとってそれは他でもない妹シオリなので、守るべきシオリが闇落ちする=世界を救う動機を失うということになる。「動機を失う」は物語上の試練において単に失敗・敗北するよりも強い挫折として機能するので、3クール目中盤にしてこれまでで最も緊迫感のあるエピソードとなっている。

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標準的な倫理観を持っていればたとえ妹が望んでも世界を滅ぼしはしないかもしれない。また、その妹がどう見てもいつもと様子が違ったら……という「挫折へのブレーキ」が視聴者に思い浮かぶことだろう。が、精神ダメージを受ける仕様になっているこのバトルでは、負けたら「標準的な倫理観」は容易に破壊されるだろう。シオリの様子についても「お前はシオリじゃない」と一度否定する描写を入れることで「本当にシオリなんだな……」とルシアに心から理解させている。【呪剣の吸血鬼】でシオリを攻撃することをためらったり、シオリと問答する描写を丁寧に入れることで、ルシアの「挫折へのブレーキ」を一つ一つ潰していることがわかる、極めて執拗で見事な描写と言える。

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「だから私も世界に優しくしない。間違ってます?」
シオリの感情が狂喜と怒りを激しく往復していることから逆説的に普段は強く自制していることが伺える。シオリのCVは豊田萌絵さんで響け!ユーフォニアムの川島緑輝役などが著名。情緒不安定さが声色のアップダウンによって見事に表現されている。
「それだけじゃない、この世界には……!」
ルシアにとっては妹と天秤にかけるほどヒイロの存在が大きくなっていたようだ。今回はルシオリ回であると同時に濃厚なヒイルシ回でもあるのだが、ヒイロはミモリとカズキを助けることしか考えておらず全くルシアを気にかけていないのがちょっと面白い。

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バトルについて触れると、シオリのデッキはヴァンパイアとビショップの混成。平常時と虚ろの影支配下のギャップが特に激しいキャラなので、ヴァンパイアの魔属性とビショップの聖属性がそのギャップを象徴しているようにも思える。双方とも回復が得意なリーダーなのが病弱なシオリの欲求を現しているようで皮肉を感じる。また、デッキタイプとしてはタクマやシロウと同じく【災いの刻印】で【シャドウソルジャー】を延々と出すタイプのようだ。どうでもいいが【ブラッドウルフ】、お前意外と白いな……灰色〜黒のイメージだった。

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「僕は苦しんでなんかいない……!シオリが幸せならそれで……」
「だからそれが……それが苦しいって言ってるんですよ!!!」
妹のためだけに生きようと自分を偽るルシアと、兄が自分のために私心を殺すことに苦しむシオリ。このお互いを想うがゆえに苦しむ関係性は、片方から無償の愛が注がれるだけの関係に対して、それへの返答を含んでいて一層深い表現と言える。12話のこの兄妹の過去描写に対しては「テンプレの浅い不幸話」と評したが、だからこそ今回の「返答」に深みを感じるようになっているので、長尺を生かした見事な布石・構成に思える。

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場面が変わって、アインとツヴァイによる保護を拒否してしまうタクマ。まあ全身黒タイツの男女がいきなり目の前に現れたら気持ちはわかる。おそらくセイヤとバトルする役割があるからだろうが、シャドウナイツの見た目が怪しいのがストーリーに自然さを与えていて笑ってしまう。

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「私が苦しめば兄さんは苦しい、だから兄さんが苦しめば私が苦しいって……どうして、そんなことがわからないんですか!!」
シオリの片目の色が変化し本来の赤い目のほうから落涙が見られる。彼女の情緒が声色的にも視覚的にもハイとローを瞬間的に行き来するのでなかなかのサイコホラー感。現実の人生でこういう状態になることはそうそうないだろうしCV豊田さんの技量が伺える。主張の方向性も兄優先と自分優先をくるくると転換しており、兄への愛情と怒り、兄を束縛する苦しみと離れる悲しみ、兄のための自制と自分のための憐憫……とあらゆる両極の感情の板挟みにあっていることが巧みに表現されている。

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『お前が苦しんだら、お前の妹はもっと苦しいだろうが!』
(ああ……ヒイロ。君の言葉は正しかったのか……)
ヒイロはシオリに会ったこともないのに完璧なプロファイリング。シャドバを絶対楽しむサイコ野郎の印象が強いが(失礼)、ヒイロも「両親がおらず」、祖父と「二人家族」で、「庇護される側」というシオリと共通点があるので、シオリの思考を理解することに説得力がある。(「チャンピオンズバトル」ではイベントでヒイロの祖父想いの一面がちょくちょく見られる。)このストーリーを描くために逆算して設計されたようなキャラクターたちであり、全体構成の緻密さを感じる。

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【群れなす飢餓】の打ちどころを間違えるルシアだが、プレイミスがプレイミスとして描写されるのはこのアニメではかなり珍しい。9話24話のような展開上のご都合は感じないので、自身とシオリの嘘と本心に向かい合うことで思考リソースを削がれたという描写かもしれない。真実を認めた上で妹より自分を優先することは、ルシアにとっては凄まじく心理的障壁が高い決断なので無理もない。

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 いつからだろうね。僕が僕に嘘をついていたのは。
 最初はただ生きるために始めたシャドバだったのに、
 いつの間にか――いつの間にか手放せなくなってしまった。
 だけど認められなかったんだよ。僕ばかりが幸せになるなんて。
 認めるよ――僕は、僕は、

「僕は……シャドバが好きだ!!」

言えたじゃねえか……。(号泣)ヒイロの「シャドバすっげー楽しい!」がネタにされるほど乱発されてきただけに、対照的なルシアのこの一言が重い一撃になるのが面白い。ここでEDテーマが流れるのが震えるほどアツい。音楽の持つ力を思い知らされる。21話22話のヒイロVSルシア2戦目は1戦目の繰り返しであり退屈なものだったが、二度に渡ってルシアの信念・規範・状況を念押しして描写したからこそ今回のカタルシスが強くなっていることは否定できない。「退屈な回」と「必要な回」は両立する(しやすい)ので21〜22話の評価は変わらないが、あのエピソードのおかげで今回が素晴らしいエピソードになったこともまた間違いないだろう。

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「さあ……我が伝説を、貴様に託そう。」
前回もちらっと触れたがこのヒゲダンディは本家シャドバリーダーの一人【ユリアス・フォルモンド】。彼の世界において最後のヴァンパイアであり人類への脅威として封印されていた過去がある。とはいえ性格的には余裕に満ちていてある意味紳士的、強者との戦闘を好み弱者には興味を示さない。善良とも言えないが邪悪でもないタイプ。シャドバの初期7リーダーは性格に難ありの人物が多かったのでむしろ一二を争うほどにまともであると愛されたおじさん。自分を偽っていたルシアにたやすく力を与えないところは実にこの人らしい。CVは諏訪部順一さんで代表作多数だがこのブログ的には覇穹封神演義の玉鼎真人でおなじみ。もう声からして強キャラ。

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「汝は真実の証明、気高き暗黒!来い!アビスドゥームロード!!」
魔神でも降臨したかのような禍々しく荘厳なエフェクト。効果は9/6/4で疾走を持ち、ファンファーレで自分のリーダーに体力1になるようにダメージを与え、同じだけ他の全フォロワーにもダメージを与える。(おそらく味方も含まれる)全体ダメージと疾走は強いが自傷効果がかなり破滅的。9コストということで回復と同時に使うのも難しく、守護をふっとばしてフィニッシュを決めるのが現実的な用途と言えるだろう。今回のルシアはシオリにターンを返したが、ヴァンパイアは1点出るカードが多いので本来なら高確率で負け。しかしシオリはビショップとの混成で攻撃性が薄まっていたせいか直接ダメージを出せなかった。これは25話のタクマや26話のシロウ同様、闇堕ちしたことやそれへの抵抗が敗着に繋がった象徴的描写に思える。

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守護を張って耐えるシオリだが、ルシアは【ダークエンペラー】と【ブラッドレイジ】で突破し勝利。伝説のカードと相棒カードによるフィニッシュがアツい。アビスドゥームロードのもう一つの能力「カードが0枚のとき攻撃力が3上がる」はヒイロの【イグニスドラゴン】をリスペクトしたような印象を受ける。それにしても、兄妹の赤裸々な心の激突を無反応で見ていられたマルグリットさんはある意味すごい。

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「僕は行くよ。友達と共に、世界を救いに。」
友達!さっきも言ってたけど聞きましたかみなさん!友達ですって!何度も書くが二度もめんどくさいやりとりをしたキャラだけに笑顔の破壊力が高い。2クール分の積み重ねを消化する神エピソードでたいへん見応えがあったが、3クール目中盤にしてこれだと後半はどうなってしまうのだろう。そして次回はまさかのミモリVSセイヤ。タクマの介入が予測されるので久々のタッグバトルだろうか。




posted by ぺーた at 20:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ
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