2020年10月08日
シャドウバース 24話感想 レオンと対比をなすヒイロの「不選択」の決意
#24「祝福と災い」
※原作ゲームプレイヤーの方はコメントありでの視聴をオススメします。
あらすじ
レオンによりヒイロの両親の過去が語られ、災いの樹の暴走に巻き込まれたことが明らかになる。
ヒイロたちは全員勝利し試練に合格、災いの樹のコアを破壊するため「伝説のカード」の獲得に向かう。
感想
冒頭はレオンによる回想でヒイロの父エイジと母アサギが登場。災いの樹は当初「祝福の樹」と呼ばれていて人類に何かしらの恵みをもたらすものとして扱われていたようだ。両親はレオンとともにそれの研究者だったことが判明。「上」という言い方から国家的なプロジェクトかもしれない。レオンのさりげないボディタッチがエイジとの親密さを物語っている。さらに「祝福の樹」が暴走しヒイロの母アサギが「依り代」として囚われたことが明らかに。これは本家シャドバでも主人公の一人アリサの親友ロザリアが同じ被害に遭っている。
「それにねエイジ、私達には____、____。」
うーん2クール目最終話だというのに露骨に謎を置いてきた。「何かあっても対抗する手段がある」とかそんな感じだろうか。表情がネガティブにも見えるので「これをやる以外に道がない」系かもしれない。
現在に戻りバトル再開。【ジェネシスアーティファクト】の能力が徐々に明らかになっていく。
・コスト7で攻撃力0・体力12
・ダメージを受けた時特別なアーティファクトを2枚デッキに加える
・共鳴状態なら攻撃されない
・アーティファクトが場に出た時+2/+2する
・アーティファクトが2体以上場にあるかぎり自リーダーへのダメージを無効化する
体力12+攻撃されない能力で【炎の握撃】などの確定除去以外ではほぼ倒せない。アーティファクトを出し続ける必要はあるが攻防一体の能力で、アニシャドのカードプールであれば極めて強力なフォロワーと言える。
【イグニスドラゴン】が3ターン遅刻して出勤するがおなじみとなった【貫く咆哮】とのコンボで4点のダメージをレオンに通すヒイロ。イグニスを手動進化させたのはもしかしたら初めてでは?返すターンで【エアシップホエール】に破壊されるが、手札の【ジュエルドラゴン】が見えているので復活が予想できる。このあたりのオリカコンボがヒイロの得意技として定着してきている。
「私はね、ある意味では君の仇なのかもしれない」
まーた思わせぶりなこと言ってる。普通に読み取ればヒイロの両親を助けられなかった自責的なセリフに思えるが、Cパートの描写と合わせてレオンが独善的な黒幕である可能性も匂わせている。
他6人は先んじてシャドウナイツを撃破。カズキお前強くなったな……。全員相棒カードでフィニッシュしているのがアツい。ナイツが一様に無念そうに敗北していく中、アリスの対戦相手であるフィーアさんだけは安らかな表情を見せたのが印象的。シャドウナイツ、グランプリ編のピンポイントキャラかと思っていたがもしかしたら3〜4クール目でも出番を期待できるかもしれない。
ジェネシスアーティファクトがデッキに加えた「特別なアーティファクト」が登場。
【ディフェンスアーティファクト】(4/2/8・能力によってダメージを受けない)
【ガードアーティファクト】(4/4/6・能力によって破壊されない)
【キャノンアーティファクト】(1/4/2・場のアーティファクトの数だけ相手リーダーにダメージ)
3種類あるのでランダムで2種デッキに加えていたということだろうか。キャノンは1コストで4点5点を叩き出せるのでなかなかエグい性能をしている。インフレが進む本家シャドバに来ても戦えそうなパワーを感じるので、レオンから加減が感じられずヒイロへの本気の試練として説得力がある。
「耐えてみせろ、超えてみせろ、選んでみせろ!」
「見せてくれ、君の情熱を、勇気を、可能性を!」
「君は何も成せない、何も選べない、今の君は何者でもない」
レオンの3つ重ねる言い回しが戯曲的・リズミカルでカッコいい。3という数字は神秘的・縁起がいいとされるのでそれも意識したキャラ造形なのかもしれない。
「俺の、負けなのか……!?」
えー?いや【輝石のドラゴン】の3ドローあるでしょ。1ドローならともかく3ドローだよ?このターン合計4枚引けるうちの25%を引いた段階で諦めかけるやつおる???……いやまあ輝石のドラゴンは確かこのバトルで初登場のカードなので、視聴者が効果を知らない前提でストーリーを展開させているのはわかるのだが、結果的にこれまで「シャドバは最後までわっかんねえ!」と言い続けてきたヒイロのキャラが崩壊しかけている。……いやもしかしたら輝石のドラゴンの効果をすっかり忘れているのかもしれない。それならいつものヒイロである。
再び回想へ。アサギを救出することは叶わず、封印の選択肢が取られたがエイジは退避しなかったようだ。何のために残ったのかは具体的に説明されないが、セリフから察するに「祝福の樹」を抑え込むためのようだ。内外両面からの攻略のうち、自由に動けるであろう「外」をレオンに任せるところに信頼が伺える。
諦めかけるヒイロを鼓舞するルシア。(どこから入ってきた?)なるほどこのシーンをやるためなら21話22話で協力ではなくぶつかり合うことは必要だったように思えるが、かといって当時の退屈な感覚が消えるかというとそうでもないので難しいところ。残り5人も入ってきてそれぞれの反応が面白い。特にマウラはレオンの敗北に強く悲嘆しているように見えるのが印象的。
「選ばねえよ!俺は全部のためにバトルする!」
レオンは若く見えるがヒイロの父世代なわけで、それなりの歳を生きると「選択」を何度も経験しているものである。「上」の決定に従ってアサギの救出を諦めたのもその一つと言える。そのレオンの選択を迫る言葉に対しこの「選ばない」という返しはヒイロの若さと可能性を示していてカタルシスを感じる。レオン初登場時のセリフ「シャドバは選択の連続だ」もこのやりとりに至るための布石と思うとなかなか爽快。
輝石ドラをディフェンスAに当てて3ドロー→引いた【ワイルドハント】で破壊→【竜爪の首飾り】でダメージ増加→【神龍】を捨てた【ドラゴンナックル】とジュエルドラゴンの攻撃でガードAを破壊→イグニスドラゴンでリーダーを攻撃→全体ダメージが先に入ってキャノンA2体を破壊→ジェネシスAのダメージ無効が消えてレオン本体にダメージが入って勝利。アーティファクトを4体破壊しつつ本体を攻撃するという高い要求値をクリアした、イグニス攻撃時の処理順もしっかり把握しているテクニカルなコンボ決着。竜爪が場にあるのにレオンが「倒せるはずもない!」と言うのはさすがに違和感があるがまあいつものお約束。
前回、輝石のドラゴンのコストを下げたのを「勝利への布石」としていたが、このコンボを成立させるには別に輝石のドラゴンである必要がない(場にジュエル、イグニス以外のフォロワー1体と4枚の該当カードがあればよく、ドローカードのコストを下げる行動がコンボ成立につながらない)。すなわち「ヒイロが諦めかける」というシチュエーションを作るために必要な布石であってゲーム展開のために必要な布石ではない点がちょっと残念。一つ前のヒイロVSルシアはストーリーはさておきゲーム展開に見応えがあったが今回は逆の印象。
「7枚の伝説のカード、それらを揃えて災いの樹の元にたどり着け」
カードと言われると人造的なものに思えるが、わざわざ集めてこさせるのだからレオンの管理下にあるものではないということか。災いの樹の出自や起きる現象といい、それをシャドバでどうにかするメカニズムといい具体的に説明されないのでモヤモヤが残り続けるふんわりとした展開。追々判明していくことを期待したい。
「シャドバで世界を救ってみせるぜ!」
こういう展開になることはおそらく多くの人が予想していただろうが言葉にされるとなかなかのパワーワードである。感想が遅れに遅れたのですでに3クール目がスタートしているが、OPを見る限りなかなか面白い展開になりそうで期待が持てる。長くて2クールだろうと気軽に始めた感想だがもう半年ほど続けることになりそうだ。今後もお付き合いいただけると幸いです。
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