2021年01月22日
シャドウバース 28話感想 アリスとカイ、交互に重なり描写される「心の力」
#28「重なる答え」
あらすじ
カイとアリスはジュスティーヌ姉妹にそれぞれ勝利し、伝説のカードを手に入れる。
一方、ルシアも伝説のカードを入手し、妹・シオリの入院する病院へと向かう。
感想
ヴァンパイアの遺跡にてシャドウグランプリ編のモブを倒し、伝説のカード【アビスドゥームロード】を入手するルシア。しかしこちらも27話のマウラと同じく灰色で使えない状態になっているようだ。このヒゲのおじさんは27話のローウェンと同じく本家シャドバのリーダーの一人で【ユリアス・フォルモンド】。おそらく次回にも登場すると思われるので詳細は次回に。
場面はアリスVSビビアン、カイVSヴァネッサに戻って【虚無への道】の効果が明らかに。27話で登場した【侵食する災い】により「シャドウ化」したカードが15枚以上破壊されているとターン終了時、相手フォロワー全体に5ダメージ、さらに【シャドウアサルト】を場に出す。シャドウアサルトは5/5でフォロワーを攻撃できないが守護を無視してリーダーを攻撃できる。【冥府への道】のダメージ効果を弱くした代わりに中型フォロワーを無限に出すようにしたアレンジバージョンといったところ。
「アイドルちゃんよォ、何度も言ってるだろ。思い切りが足りねえんだよ!」
何度も言ってたっけ?と思わず前回と16話を確認してしまったが初耳である。まあ描写外のところで言っていたのだろう。今回は会話に限らずバトル展開についても全ては描かれていないので評価が難しいのだが、アリスの切り札【スケルトンレイダー】で7点を受けてもビビアンの体力には余裕がある。虚無への道の発動まで守りきるデッキと思われるので、かなり完璧なゲーム運びをされたものと推察できる。
「てめえはアイドルか、シャドバプレイヤーか、何者だ」
精神的な揺さぶりをかけるビビアン。「シャドバプレイヤー」の響きがいまいちサマにならないのが残念。「決闘者(デュエリスト)」のようなカッチョいい肩書を設定していればこんなことには……。アリスは17話でミモリとの交流を経てアイドルを演じる自分もある程度肯定できるようになったはずだが、今度は素面とアイドルの並立が中途半端と見なされるとは皮肉なものだ。
マルグリットの話を聞いて迷わずカズキとミモリを助けに行くヒイロ。この行動がアリスを助けに行かなかったカイと対比になっているのが面白い。カイが今回出した答えに対する布石なっていて地味ながら巧みな描写と言える。
「あなた、世界の何を知ってるんです?この世界の何を?」
カイVSヴァネッサの戦いに移り【次元の魔女・ドロシー】が登場。かわいい。「ドロシーウィッチ」は中盤にコストが下がったフォロワーを一気に展開するデッキとして本家においても一世を風靡した。とはいえ全体除去に弱く、このバトルでも虚無への道が場にあるのでカイとしては以前厳しい状況。そしてヴァネッサもカイの机上論的・頭でっかちな部分を弱点と見抜いて揺さぶりをかけてくる。なかなか正確なプロファイリングである。ジュスティーヌ姉妹、シャドウグランプリ編では見掛け倒し感が強かったがようやく強キャラっぽくなってきた印象。
「僕は仲間のためにバトルする!そしてあなたを倒して、仲間を救いにいく!」
カイはヒイロやカズキ、ルシアのように猫目町に住む家族が描かれたわけでもないので、「世界のために戦う」という動機に説得力を感じづらいキャラになっており、そこを彼の頭でっかちな部分に上手くリンクさせた展開と言える。これまで拠り所としてきた「世界・計算・絶対」を超えて新たな「仲間・心の力・不確実」を掴みに行くために【知恵の光】のドローに賭けるカイは、ここぞというときの主人公・ヒイロと重なるものがあり感慨深い。
「本気のアイドルで、本気のシャドバプレイヤー!それがあたし、黒羽アリスなんだよ!」
キャラクターソングをBGMに「心の力」を示すアリス。カイは「数学の世界ではなかった」と自省しているが、その数学的発想による一言がアリスの心を動かしたところがなかなか面白い。ミモリは当然としてカイやヒイロもアリスを導いたと思うとこちらも感慨深いものがある。アリスにまつわる物語は4話・8話・16〜17話と続いて4回目で、段階的に進展しており長尺のアニメならではの厚みを感じる。
「あなたが欲しいなら……ルナの伝説を、あなたに託すよ」
アリスの心に呼応して「伝説のカード」を授ける、こちらも本家シャドバのリーダーの一人である【ルナ】。両親を殺害されたことがきっかけでネクロマンサーの力に目覚め、その境遇ゆえに狂気に支配されていたが、ストーリーを重ねるごとに年相応の少女らしい性格を取り戻していくキャラクター。【紫紺の抵抗者・エンネア】との友情は必見。(らしい。まだ見てない。)CVはアリスと同じく小倉唯さん。どちらも幼い少女だが声色が明らかに違ってアリスより儚げな印象。見事な演じ分けである。
「新たな力を得るために……さあ、その名を!」
カイに伝説のカードを託すこの女性は【イザベル】。前回登場したローウェンの黒龍化が原因で婚約者を喪い、彼をよみがえらせることを目的とする魔術師。ルナ同様に暗い過去を持つキャラクターなのだが彼女もストーリーを進めていくとそれなりにポジティブになっていく。ちなみにスタイル抜群で胸元が大きく空いた服を着ていたのだが、コンプラ的にアレだったのか海外版や第二弾スキンでは露出度がナーフされてしまった。アニメでは正面が見えない始末。ちょっとー!!CVは佐倉薫さんでアイマスシンデレラガールズの黒埼ちとせ役や近年のぷよぷよのウィッチ役でおなじみ。
「汝は魂の支配者!永遠の番人!わたしの全てをあなたに込める!」
ネクロマンサーの伝説のカード、【デッドソウルテイカー】登場。効果はこのバトル中に破壊された全てのフォロワーを場に出す。(【スカルビースト】が出ているのでコストの高い順ではなくおそらくランダムと思われる)さらに相手のターンに自分のフォロワーが破壊されたときそれらを復活させる。つまり相手のターン限定で自分のフォロワーが【デュエリスト・モルディカイ】になる効果である。前回のヤケクソドラゴンに負けず劣らずインパクトの強いカードと言える。
アリスのこれまでの価値観では一般的に可愛いカードの【天弓の天使・リリエル】などは「可愛くない」扱いで、スカルビーストや【よろめく不死者】が「可愛い」扱いだったのだが、デッドソウルテイカーはリリエル寄りの見た目かつスケルトンレイダーのようないかめしさも備えているのが印象的。これはアリスの価値観が一般的に可愛いものとホラー的な恐ろしいものの両方を「可愛い」と思えるようになった、つまりアイドルとシャドバプレイヤー、双方に本気の覚悟を象徴しているのではないだろうか。
「汝、七つの知恵にて全能に至るもの!」
ウィッチの伝説のカードは【セブンズフォースソーサラー】。進化時に手札のコスト3以下のスペルのコストを0にする効果に加えて、なんと「自分のターン中に7回スペルを使用すると相手リーダーに20点ダメージを与える」という効果を持つ。まあこれ自体が8コストであり、進化効果を活用しても残りのコストで7回プレイはかなり要求値が高いので、インパクトはあるが強さとしてはさほどでもなさそう。ただこの手のカードは本家の【魔道具専門店】しかり、相手のソリティアに付き合わされるのであまり好まれない印象。
アリスとカイ、双方とも伝説のカードでフィニッシュして勝利。今回のバトルは「揺さぶり→覚醒→伝説授与→カード登場→真の効果発動」とそれぞれのシーンで二人が交互に描写される演出が印象的だった。また作画の雰囲気がいつもとかなり違っていて、細い髪の毛が落ちる描写が緊迫の表情を演出していたように思う。ゲーム展開については全体が不明なのもあって評価しがたいが、それ以外の部分は見ごたえがあるものだった。
「カイお兄ちゃんやっさしー!」
は?超かわいい。これはミモリの気持ちも分かろうというもの。助けに来たことをそのまま伝えるあたりカイの素直な性格が伺える。二週かけた関係構築の決めセリフが「『超天才』って、ちょっとダサいよ?」なあたり変人ペアという感じで非常に微笑ましい。カイの呼称がフルネームから変わるかと思ったがそこはお預けで残念。今後に期待したい。
妹・シオリの病院へと急ぐルシア。伝説のカード獲得を優先したあたり冷静で高い使命感が伺えるが、その伝説のカードはやはり使えない状態のようだ。無人の病室にシオリの声が響く。残りの既存キャラクターではルシアにふさわしい対戦相手がいないのではと思っていたが、次回はまさかの兄妹対決か。
3クール目に突入したアニメの感想を書くのは初めてですが、キャラクターにこれまでの積み重ねがあるので長くなり、一週一週に手こずって遅れております。この調子ではいつ追いつけるのか……。遅れたお詫びにヴァネッサ姉さんのセクシーショット集、置いときますね。
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