2020年08月14日
シャドウバース 17話感想 アリスとミモリ、心の交流を経てついに登場する切り札
#17「特別と普通」
※原作ゲームプレイヤーの方はコメントありでの視聴をオススメします。
あらすじ
ミモリはアリスと2度目の対戦を果たし、アリスが勝利してシルバーランクに昇格する。
多数の参加者が昇格していく中、いまだに対戦できていないカズキはカイの姿を発見する。
感想
冒頭ではカイの戦いが描かれる。まだシルバーに上がってなかったのか。この勝利を含めて4勝1敗らしいので、だいたい2ptずつ賭けてきたことが推察できる。堅実なタイプだ。すでに95人がシルバーに上がっているようだが、一人3ptしか持たないはずなので950÷3で最低でも317人以上の参加者がいることになる。多いな。
対戦相手は日本の全国大会でマウラに負けた【柳瀬ミホ】。敗北の結果カイに好意を抱いたようだが……かわいいので今後の登場に期待したい。
アリスVSミモリの序盤はネクロ側のラストワード能力を活用した盤面の取り合いに。【ゾンビドッグ】をはじめとしたかわいい系のカードは押し付けられたものであることが判明する。そもそもアイドルらしさを優先するのならネクロマンサーというクラスを使うべきではない気もするが……アリスがクラスだけは譲らなかったのかもしれない。
「だからアリスちゃん、本気でバトルしよう!」
ミモリの言葉からヒイロとの戦いを思い出すアリス。8話のやりとりはアリス救済の物語にはならなかったが、少なからず彼女の心を動かしていたことがわかるのが心地よい。しかしニコ動のコメントでは「百合に挟まる男」扱いで笑ってしまった。異物とかいうな、主人公だぞ。序盤で影を落とした雲がここから晴れ、光が差してアリスの心境を表現するのはベタな演出だが効果的。
途中でルシア、マウラ、ヒイロの戦いの様子が挟まれる。ゴッドオブカースの能力で対戦相手が浮いていくのだがどういう現象なのコレ。ライフにダメージを受けると精神ダメージも受ける現象とはまた別にヤバそうなシステムである。この辺りの謎が明らかになる日はくるのだろうか……。
「【よろめく不死者】、かわいいでしょ?」「うん、そう思う!」
そうかな……そうかも……。しかし4話では当惑していたミモリがここでは間髪入れず同意する点が印象深い。アリスの価値観を知った上ではそう思えるのだろう。今回のテーマの第一段階として「お互いを知る」ことが印象づけされているように思う。ゲーム展開としては不死者を【ソウルコンバージョン】で生贄にして2ドローしつつ相手フォロワーを破壊する往年の強力コンボが懐かしい。
「普通のお姉さんが、あたしは好き!」
もともとお互いに好意的だったが、お互いの価値観を深く知った上で改めて肯定することで、「相手に好かれている自分」をコンプレックスも含めて肯定する、好きな相手の好意を通して自分を好きになるという濃厚な心の交流を果たしているように思う。百合だなんだと言われるが、異性間だと性愛がノイズとして伴いがちなので、今回の物語は同性間でこそ可能な表現と言えるのではないだろうか。(という感想もステレオタイプ的かもしれないが。)
4話で試合を決めた【ブリリアントフェアリー】の疾走コンボを展開するミモリ。序盤の【エルフプリンセスメイジ】で0コストにしたフェアリーを温存している点にプレイングの上達を感じる。おそらく9T目にして進化権が残っていることもお見事。進化してもアリスのライフが1点残るのでここでは使わない選択もあるが、ミモリの手札状況(0枚)から言ってここで使用するのは好判断と言えるだろう。まさしく「すべてを出し切った」状況で、ストーリーと連動している点が素晴らしい。
「あたしに力を貸して……!あたしと一緒に駆け抜けて!」
ここで満を持して【スケルトンレイダー】が登場。4話と8話で2回おあずけされた上で、アリスが自己を開放するシーンで主人の呼びかけに応える展開は凄まじくカタルシスが強い。こういうドラマチックな場面でのトップ解決は心を動かすものがある。聞いてるかヒイロとイグニスドラゴン。
スケルトンレイダーの能力は疾走とネクロマンス6で相手フォロワーを1体破壊、破壊するたびに相手に全体1点、倒したフォロワーの数だけ相手リーダーにダメージと、相手の盤面にフォロワーが多数いるときに効果を発揮するカードのようだ。ミモリのフェアリーたちを連鎖的に倒し、本体と【レッサーマミー】の疾走でミモリの体力を削りきって勝利。アリスの言葉に呼応して主人の葛藤を切り裂く様はカッコいいという他ない。さすがメイン7人中最後の切り札である。
「アリスにとって、お姉さんは特別だから」
「アリスちゃんはアイドルだけど、私の友達……!友達だから!」
アリスが「特別」を褒め言葉として使っていることと、ミモリもアリスの実像を知ったことで「友達」と言えるようになったことが大変感慨深い。偶像の姿だけではとても気安く友達とは言えなかっただろう。8話感想で「物語とはキャラクターの変化をもって成立する」と書いたがここでついにアリスの物語が成立したと言える。
「特別」と「普通」のどちらが良いかではなく、また双方の属性が覆るわけでもなく、お互いをよく知ることで「特別かつ普通」の存在であると認識した着地点が興味深い。orではなくandを取ったというか、非常に哲学的で考え方を育むような話になっていて、子供だましではないという意味で「れっきとした子供向け」として作られている好印象を受ける。こういうアニメをターゲット外なのに揚げ足を取りながらおねロリだなんだと視聴しているおじさん連中は猛省すべきである。すみませんでした。
次回はカイVSカズキ……はランクが違うから無理では?と思いきや再びのタッグバトルっぽい?ここまで推してくるとなるとSwitch版での実装がほんとにありそう。
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