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2020年02月26日

とある科学の超電磁砲T 6話感想 湾内さんらサブキャラの躍動で描くベストバトル

6話 開戦


※原作未読の方はコメントオフでの視聴を強くオススメします。
あらすじ
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佐天は婚后と子猫を抱えて離脱し、湾内と泡浮は馬場と対決する。
二人はナノデバイスを囮に分断されるが、二人の能力と戦術が馬場の洞察を上回り勝利する。
佐天は婚后が運ばれた病院で美琴と遭遇、美琴は婚后に付いたデバイスから馬場の位置を割り出す。
アジトへ逃げた馬場は巨大ロボットで湾内らに復讐を目論むが、現れた美琴がそれを撃砕する。
感想
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T:GD(タイプ・グレートデーン)の攻撃を泡浮さんが反らして湾内さんが撃破する連携など、漫画媒体では表現しきれない具体的な動きが描かれていて大変見応えがあるエピソード。湾内さんの水が流麗で美しい。ジャンプした相手をさらに浮かせて着地点をずらす戦術などは普段から能力を活用していないととっさには出てこない発想だろう。今回は能力者バトルの魅力が詰まった前半の山場で、サブキャラである湾内泡浮ペアの戦いだが個人的には超電磁砲のベストバトルの一つだと思っている。

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泡浮さんの能力について馬場に聞こえないように小声で確認する佐天さん。性格の粗忽さは否定できないが頭の回転は早く、いざという時に機転が利く印象。ちなみに子猫を手招くシーンはアニオリ追加描写。細かい。どうでもいいがこういうフィクションの動物を見るたび我が家の犬猫は人の言うことを聞かないので羨ましくなる。

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上司らしき謎の人物(警策看取)からの電話を嫌そうに受ける馬場。「はい」が本当に鬱陶しそうで笑ってしまう。後述するが主人公側チームの行動と対照的なものとして描かれている。ここではT:GDへの指示を声に出しているが後半では馬場の思考を読み取っているようにも見える。「博士」産のロボットなのだろうがすごいテクノロジーである。

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美琴を意識する黒子。実はアニオリシーンなのだがこれは正直まずい印象。一部、先の展開について言及するので以下に折りたたむ。

記憶を失っても大切な人のことはかすかに覚えている――というのは創作物によくある展開だが、少なくとも超電磁砲はそういうセンチメンタリズムよりも異能の効果のほうが容赦なく優越する傾向にあるので作風とも合致していない。これまでのアニオリは花火のシーンなど良いものも多数あったが今回のこれは評価しがたい。とはいえアニメと原作はそれなりに雰囲気が違うので、アニメのみの視聴者に向けた描写としてはさほど違和感はないかもしれない。

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「私を殺してでも止める覚悟がないなら――どいて」
目付役の二人の実力を描いたことで、言葉と気迫だけでその二人を退ける美琴の凄みが強く伝わるシーンになっている。美琴の顔を映さないところが想像力を掻き立てられる。馬場が食蜂の手先でないことは婚后さん視点では濃厚なのだが、美琴視点ではわからないので食蜂にヘイトが向かっている。各キャラクターがそれぞれの個別視点で動くストーリーは複雑だが面白い。


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「常盤台生の嗜みとして多少の護身術は心得ています」
湾内さんは入学したてのときにチンピラ(湾内さん曰く「粗暴な殿方」)に絡まれていたところを美琴に助けられた経験があるのでそれ以降に護身術を身に着けたと思われる。お嬢様学校ながら常盤台のカリキュラムが剛健そうなところが想像できる。争いを好まない湾内さんが暗部の馬場の裏をかけるのだから、戦術・戦略的なものを教える授業もありそうである。

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「えっと……実はわたくし、意外と力持ちなんですよ?……なんちゃって。」
大きく跳躍する泡浮さんが美しい。勝利のキメ台詞がいまいちキマってないところがかわいい。他人に勝っても勝ち誇った経験はなさそうなのが伺える。泡浮さんの能力はレベル3の「流体反発(フロートダイヤル)」で浮力を操作する能力。アニメではSの後半で判明しているが、原作ではここが初お目見えなので読者も能力を想像して楽しめるようになっている。

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「それくらいの悪知恵、わたくしにだってはたらくんですっ」
湾内さんのドヤ顔かわいい。原作でもアニメでも、この決着のシーンまでに勝利の決め手となった排水溝が画面端にちらちら映っているのが上手い。馬場の分析は上限数以外は正確と思われるだけに、彼の慢心で誤謬の可能性が見えなくなる「策士策に溺れる」失敗が実に生々しい。文字通り溺れてるし。前回の、美琴に相談されたときに自身の無謬をまず疑った婚后さんとの対比になっているように思える。友情のために見返りなしで体を張る婚后さんトリオと、手柄を欲張って味方の増援を拒む馬場という点も対照的で、勝敗に必然性と説得力が生まれている。

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馬場くんのイキリ顔とやられ顔がいちいちぬるぬる動くので吹き出してしまった。力を入れるところがおかしい(称賛)。アニメは動かすために線が少なくなるので原作ほどの迫力を感じないシーンもあるが、ここは原作を凌駕したと言っても過言ではないだろう。またCV林大地さんの演技も実に多彩で、冷静な洞察、下卑た勝利宣言、劣勢時の狼狽、邪悪な画策、みっともない悲鳴、恐怖の絶叫と前回以上にお見事で各所から称賛の声が上がっている。→Abema TIMES - アニメ「とある科学の超電磁砲T」第6話は馬場役の声優・林大地の演技が見どころ? 視聴者「ほんと最高」


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「若輩者が知ったような口をきいてしまいました」
「いえ、あの方自身のためにも言わなければいけないことだったと思います」
ビンタとお説教で済ませる湾内さんやさしい。泡浮さんも「考えを改めるきっかけになればいい」。聖女か。それに対する馬場くんの反応は「小娘どもが僕を見下しやがってえええええ」という絶叫。馬場くんさぁ……。そんなだから唯一OPからハブられるんだ。「そこそこ優秀でなおかつ全く同情できないクズ」という悪役の見本のような男である。清廉すぎる湾内ペアとのコントラストが眩しい。

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Q.「なんでここに御坂美琴がいるんだあぁッッ!」
A.バルーンハンターで無力化できてなかったからです。しかも「そうかこいつが妹達!」と勘違いに勘違いを重ねる始末。結局のところミサカ妹を美琴と誤認したことがつまづきの始まりで、ここも婚后さんと対照的なので婚后さんには戦う前から負けていたとも言える。

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馬場くんお仕置きシーンのBGMは言わずと知れた無印後期OP「level5-judgelight-」のアレンジである。個人的にはかなりぐっとくるものがあったのだが、演出として賛否はそれなりに分かれているようだ。というのもこのシーンの解釈は二通りあり、それは
・「最強の主人公が狼藉者を懲らしめるシーン(例:暴れん坊将軍)」と
・「最恐の追跡者が主人公を追い詰めるシーン(例:ターミネーター)」の二つ。
この作品の主人公は言うまでもなく美琴だが、この話に限って言えば馬場視点で描かれているために後者のターミネーター型展開にも見えるのである。美琴も怒髪天を衝いているのでその場合はもっと恐ろしいBGMが相応しいと言える。ただ馬場が地上波で流せないようなゲス報復を画策しているので暴れん坊将軍型演出(いわゆる「処刑用BGM」)もカタルシスが強いため、どちらが正解とも言えない。漫画なら両立できるところだが、音のあるアニメならではの悩ましさと言える。


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黒子のアニオリ部分はかなり気になったがそこ以外は作画・動画・演出・ボイス・BGMと非の打ち所がないクオリティだった。さて7話だが、なんと新型コロナウイルスの影響で1週遅れに。21日は6話が再放送されて馬場くんが再びお仕置きされたのだが、28日の放送は大丈夫なようだ。スタッフさんの無事を祈るばかりである。みなさんも予防並びに身体の対抗力を保つようにご自愛ください。





posted by ぺーた at 17:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ
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