2020年08月22日
とある科学の超電磁砲T 19話感想 フレンダのギャップを演出する佐天さんとの交流
第19話「奇縁」
※原作未読の方はコメントオフでの視聴をオススメします。
あらすじ
佐天はサバ缶を巡って「アイテム」のフレンダと遭遇、サバカレーを振る舞って知人となる。
後日、佐天は購入したインディアンポーカーが原因で暗部に拉致されるが、フレンダが救出する。
佐天とフレンダは帰路の途中、暗部・誉望万化の指示を受けた弓箭猟虎に襲撃される。
感想
アバンはアニオリで尺の余裕を感じる。今回は原作消化量が50P弱で大覇星祭編の序盤と同じくらいのゆっくりペース。佐天&フレンダのエピソードでぴったり2話使う予定と思われる。美山編途中の内容について話しているので時系列的に17話のストーリーと同時進行していることがわかる。
「お姉さまは一般人なのですから」
若干のネタバレになるがT最終盤の展開に対する布石を置いているのが細かい。
【フレンダ=セイヴェルン】登場。まあ1話からいてセリフもあるのだがここがメインの出番である。前作Sで美琴と交戦した暗部組織「アイテム」の一員であり美琴と直接対戦もしている。爆発物を使う戦闘スタイルで、能力については長らく謎とされてきたがどうやら無能力者と確定したらしい。ノルウェー語を話すシーンがあるのでノルウェー出身だと思われるが、サバ好きなのもそこから来ているようだ。
佐天さんとの邂逅はまさかという印象。美琴とは交戦済みだし、黒子と初春は風紀委員なのでフレンダ側が警戒しそう、となると佐天さんということになるが、暗部と一般人とのコントラストを描く物語になっておりキャラクターを再利用する構成に巧みさを感じる。
「もう!何と引き換えならくれるってのよぅ!」
幼児にしか見えない。(前回の原作改変おっぱいはどこに消えたのか……。)しかし佐天さんは終始敬語を使っているので一応作中では高校生くらいの見た目ではあるようだ。殺人もいとわない暗部組織の一員のわりに一介の中学生である佐天さんに終始低姿勢(?)なのが面白い。後編で猟虎とまさしく命の獲り合いになるわけだが、今回はその後編に向けてギャップを準備しているエピソードと言える。
「カレーなんて(中略)そんなもん美味しいわけが……ゥンまああ〜いっ」
即落ち2コマに笑うしかない。原作のテンポ再現が完璧。
「スパイシーなカレーにサバのコクと旨味が乗って(ガフッ)打ち消すどころか相乗効果でお互いを引き立て(ングッ)シャッキリポンと舌の上で踊るって訳よ!」
億泰ばりの食レポボキャブラリーも一言一句が原作を踏襲していて笑う。フレンダのボイスがとにかく可愛くコミカルなのが次回のギャップに強く貢献している印象。CVは内田真礼さんで個人的にはやはりシンデレラガールズの神崎蘭子役と、ダンまちのリリルカ・アーデで馴染み深い。
「そんなわけで、Ha det bra!」「はで……ぶら?」
この初春との会話シーンもアニオリだが、風紀委員活動に勤しむ初春を見る佐天さんに若干の寂寥感・無力感のようなものを感じるのが、フレンダとの交流を深める動機と後編の描写への布石として機能しているようにも思う。無印でそれなりに解決した感情ではあるのだが、Tの3話でも近い描写があるので、なかなかそう簡単には吹っ切れないところに佐天さんの人間性を感じる。
トレーダーからカードを買う佐天さん。品揃え豊富なので前回の巨乳御手事件の前と思われる。そして暗部組織の【誉望万化(よぼう ばんか)】と【心理定規(メジャーハート)】登場。彼らが狙う何らかのアイテムが、佐天さんの買ったカードと「つまむ」という共通点を持っていただけで拉致されることに。このアイテムの詳細についてはぶっちゃけ禁書の領域なので、超電磁砲のみ視聴の方は例によって深く考えないようにしよう。
「ま、一食の恩くらい返すって訳よ」
フレンダはどうひいき目に見ても善人とは言い難いのだが、ある種のゆるい仁義・任侠性を持っていることは否定できない。薄い手がかりで人を拉致する誉望らの組織の横暴さと、サバ缶一つもらうために中学生に懇願したフレンダとが対比的に描かれているように思う。
浜面(前回に続いてもはや普通に登場している)に車を出させて佐天さんを救出するフレンダ。誉望らの横暴さと対比に〜と書いたばかりだがこっちもこっちでやり口がめちゃくちゃである。原作だと廃ビルとおぼしき建物に撃ち込んでいるのだがアニメだと人が居そうなビルにも見える。ていうかこんな危険物とサバ缶交換しようとしちゃダメでしょ。
「今一瞬何か……」
超能力が存在し認知されている世界で、かつそういう分野にいる研究者なのに、こういう現象を気のせいで済ますのはだいぶノンビリしている印象。モブに相応しいといえば相応しいのだが。誉望の能力は単なる念動力なのだが黒子らと同じ大能力(レベル4)で汎用性が高く、頭のゴーグルを利用することでいろいろな現象に変換しているとのこと。
「わっ……わわわわわわわたくしとでございますか?」
(ここは)かわいい。【弓箭猟虎(ゆみや らっこ)】登場。美琴の常盤台もある「学び舎の園」を構成する「枝垂桜学園」に通うお嬢様の一人だが、深刻なコミュ障で誉望らの暗部組織の一員である。学友に誘われて舞い上がるシーンは今回のフレンダや前回の絹旗同様、暗部の闇といち学生の光のコントラスト表現として機能している。
「そのまま学園のアイドルになるはずだったのに……」
コミュ障ぼっち特有の妄想に笑う。いやコミュ強リア充もやるのかもしれないが僕はそっち側ではないので存じ上げません。任務用のコスチュームに着替えたことで、前回の美琴の2番目の夢の主がこのキャラだとわかるのだが……やっぱおっぱい大きいよな?まあ前回のアレは所詮夢なので、美琴(スレンダー)と猟虎(ぼっち)のコンプレックスが悪魔合体した結果なのかもしれない。
そしてフレンダが狙撃されたシーンで次回へ。いわば超電磁砲では初のピカロ(悪漢)対決である。バトルの作画にも期待がかかる。
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