2020年01月18日
とある科学の超電磁砲T 1話感想 期待が持てる作画とそつのないキャラ紹介
1話 超能力者(レベル5)
※原作未読の方はコメントオフでの視聴を強くオススメします。
あらすじ
学園都市に7人存在する「超能力者(レベル5)」の第三位、御坂美琴は白井黒子の見舞いに訪れる。一大イベント「大覇星祭」を控え、療養中の黒子は美琴の競技パートナーを婚后光子に依頼していた。
一方、大覇星祭の運営委員たちはレベル5による選手宣誓を企画する。
7人中6人との交渉の結果、宣誓はレベル5第五位の食蜂操祈、第七位の削板軍覇に決定する。
はじめに
初見の方のために最初に記述しますが、本作は「とある魔術の禁書目録」(小説が原作)の外伝である「とある科学の超電磁砲」(漫画が原作)のアニメ化で、無印とSに続く第3期目にあたります。……スピンオフ作品かつ3期目ともなると初見の視聴者はほぼいないのではと思いますが、これまでのアニメは見ているが原作は未読という方はかなりいると思いますので、ネタバレを含む感想は折りたたんで書かせていただきます。
また、本作はスピンオフ元である「禁書目録」の内容を知らないと理解が難しい表現が多数存在します。それも可能な限り記述していきますが、僕自身、禁書目録を全て読んだわけではないので不備や間違いがあると思います。そこはご容赦願います。ブログ中で「原作」は「超電磁砲」の漫画原作を指し、「禁書」は「禁書目録」本編のことを指して記述する予定です。よろしくお願いします。
感想
前作S以来、実に6年3ヶ月ぶりのアニメ化である。(そんなに……。)初回ということでキャラクターを紹介するエピソードとなっており、大筋は原作に沿いつつオリジナル描写も補助として採用されている。初見の方のため、感想と並行して前作Sまでの内容についてキャラクター情報を補足していく。【御坂美琴】本作主人公。学園都市に7人しかいない超能力者(レベル5)の第3位。通称は「超電磁砲(レールガン)」だが電気・磁気に関することならわりとなんでも可能。前作Sでの経緯から「禁書」の主人公である【上条当麻】(1話は未登場)に好意を寄せており、禁書では恋するツンデレヒロインとして描かれるが、本作では周りに年下が多いせいもあって頼れる姐さんヒーローとしての側面が強い。性格は勝ち気で敵に対しては粗野だが友人・後輩には柔和で優しく面倒見が良い。お嬢様学校かつ能力者の強豪校である常盤台中学の2年生。カエルのマスコット「ゲコ太」が好き。
小さな子供たちの壊れてしまったおもちゃを、彼ら自身の能力を駆使して直してあげるアニオリシーン。冒頭で超能力モノの世界観を提示しつつ主人公の優しい性格を視聴者に見せる、ストーリーテリングの手法としてそつのない描写である。(参考→SAVE THE CATの法則)
【白井黒子】「空間移動(テレポート)」の大能力者(レベル4)で美琴のルームメイト(中1)。そして美琴に心酔する変態淑女。ただ性愛対象が女性というわけではなく、美琴個人に極限まで惚れ込んでいるだけっぽい(諸説あり)。しかし美琴が絡まない場面では誠実で優秀、型破りだが正義感が強い「風紀委員(ジャッジメント=学園都市の治安維持のために活動する学生組織)」としての側面が強く出る。CV新井里美さんによる変態演技は相変わらず聞きごたえがありアニメにおけるメインコンテンツの一つと言っても過言ではない。
怪我で療養中なのはさっそく「禁書」を前提とした描写。前作Sと本作Tの間の時期に格上の空間移動能力者と戦った経緯が禁書にあり、その時の負傷である。冒頭で初春が若干落ち込んでいるのもそれに関連している。
【初春飾利(ういはる かざり)】風紀委員における黒子の同僚(中1)。一応レベル1の温度保持能力者だが学園都市トップクラスのハッキング能力を有しており優秀なオペレーターとして活躍する場面が多い。運動能力は小学生低学年レベルだが作中で言われたように根性はあり、責任感が強い。美琴・黒子とは学校が違う。
【佐天涙子(さてん るいこ)】初春の学校の同級生で無能力者(レベル0)。能力への憧れのせいか都市伝説や能力グッズについてやたら詳しい。善良で明るく、コミュ強で友達思いだがトラブルメーカー気質。一般人の目線で視聴者の共感を手助けする狂言回し的な役割も担う。
【婚后光子(こんごう みつこ)】美琴の同級生でレベル4の「空力使い(エアロハンド)」。アニメにおいては1期1話から登場するが、原作においては今作時期の直前に常盤台中学に転入してくる。性格もアニメと原作で若干異なるが、エピソードが違うために別の側面が見えているだけかもしれない。常盤台生の中でも特に裕福な出自でやや世間知らず、高飛車なところもあるが清廉で友誼に篤い性格。原作通りなら今期はメインで活躍するシーンがあるので期待できる。
【←泡浮(あわつき)さんと湾内(わんない)さん→】黒子のクラスメートで婚后さんの友人。湾内さんは美琴に助けられた事があるため美琴に憧れがある。湾内さんの能力は水流操作で、泡浮さんの能力もアニメでは判明しているのだが原作ではこの時点で不明。今後の展開が原作通りなら不明のほうが楽しめると思うので伏せておく。
【ミサカ妹】美琴のクローンであり約1万人存在する「妹達(シスターズ)」の一人。個人の能力は美琴の劣化版だがクローン全員と記憶と意識を共有しておりミサカネットワークと呼ばれる。彼女らが実験で殺害されそうになったところを美琴と上条当麻が助けた経緯があり、その経緯と存在を知っているものは今作開始時点で(視聴者目線でわかっているのは)メインキャラの中では美琴と当麻のみ。……の割には街を普通にうろうろしている。
【食蜂操祈(しょくほう みさき)】登場。CVは浅倉杏美さんでアイドルマスターシリーズの二代目萩原雪歩役でおなじみ。アニメでは前期Sにもちらっと登場したが原作では大覇星祭編からの登場になる。ほとんど新キャラ同然と言っていいが、Sでの描写が今期の物語の感じ方に影響を与える可能性もありそうである。レベル5の第5位で「心理掌握(メンタルアウト)」という強力な洗脳能力を持つ。美琴との折り合いも悪ければ性格もなかなか悪そうな描写である。
【カイツ】前作Sで妹達を殺害する実験で中間指揮を執る立場にあった人物。ちなみに名前はアニメで判明。
レベル5第六位について、この描写だと伏線っぽく感じられるだろうが実のところは禁書ファンへのサービスである。超電磁砲はこういう、伏線なのかファンサービスなのか判別しづらい描写が多々ある。このへんも可能な限り解説していく予定。ちなみに原作連載時(8年前)ではこの「藍花悦」という名前が明かされていなかったので、禁書部分を含む8年間の情報をアニメスタッフがしっかりと把握している点が頼もしい。それくらい当たり前だろうと思う人もいるだろうが、そうでもなさそうな原作付きアニメにもしばしばお目にかかるのである……。
【削板軍覇(そぎいた ぐんは)】登場。アニメにおいては「とある」シリーズ通して初登場である。CVは河西健吾さん。鉄血のオルフェンズの主人公三日月オーガスやヒプノシスマイク大阪ディヴィジョンの躑躅森盧笙役でおなじみ。原作では開会式で初登場するのでここはアニオリ描写である。彼の豪放な性格は表現できているが、結果として大事故になりかけたのではた迷惑さが強調されてしまったようにも思う。
ちなみにアンダーシャツのデザインが原作から変更されているのだが、隣国への配慮としてやむなしか。個人的には過剰なポリティカル・コレクトネスによって創作物が歪んでしまうことに嫌悪を覚えるタイプなのだが、この変更については軍覇のキャラクターや作品の面白さを毀損するほどのものではないだろう。
いろいろあって最後は美琴の必殺技、超電磁砲で〆という展開は無印、Sに続く第1話のお約束である。なんと今回は超電磁砲専門の作画スタッフがいる凝りようである。
OPは学園都市の美しいビル群が様々なアングルで映される前で流麗なアクションを見せるキャラクターたちが大変カッコいい。当麻と軍覇の背中合わせにテンションぶち上がった人も多いだろう。ストーリーがよく表現されているだけに内容に触れるとどうしてもネタバレになってしまう。
OPを歌うのはおなじみのfripSide。今回も疾走感のあるシンセのメロディーと透明感のある高音ヴォーカルが美しい。そうそうこういうのが超電磁砲だよ!と6年前、10年前を思い出させてくれる曲。ご存知の方も多いだろうがVo南條愛乃さんは泡浮さんのCVも担当されている。
1話目は作画が大変素晴らしく、オリジナル描写の使い方も悪くなかった。尺も十分あるのでこれは期待できそうである。大覇星祭編のストーリーは原作通りやれば間違いなく面白いのでこの調子で進行されることを願う。ただ大覇星祭編だけだと24話も必要なさそうなので(贅沢な話である)、原作の次のシリーズまでやるか、無印やSのように後半はオリジナルなのか、そこが多少気になるところである。
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