2018年04月25日
グランクレスト戦記 15話感想 1話と対比されたテオの成長が印象的
15話 帰還
あらすじ
捕縛されたヤーナは魔法師協会により火炙りにかけられるが、デーモンロードを召喚し自決する。
一方アルトゥークではミルザーがテリウスの献策を受けて独立君主たちとの戦いを制する。
テオはシスティナから大陸に戻り、アルトゥーク条約の会議の席でミルザー打倒を宣誓する。
テオはミルザーの支配が及ばない常闇の森に入り、森の居城を拠点にアルトゥーク奪還を開始する。
感想
冒頭から先週に引き続きヤーナの顔芸とCV日笠さんの怪演が見どころ。水野先生のツイートのように、原作では本来先週のバフォメットを呼び出して自決する流れだったのがデーモンロード召喚に変更になったという。自分は現状6巻まで購入しており6巻末でも尋問の様子が描かれているが、原作ではシルーカの尋問に素直に応じているなど、ところどころで変更が見られる。原作のヤーナは生い立ちも明かされそれなりに同情できるキャラクターなのだが、アニメはわかりやすく悪役に徹した形だろうか。ヤーナが自らの命を代償に召喚したディアボロス界のデーモンロード・リリス。これは原作とは違うシーン。惨劇の実行犯であることを強調しようということで変更しました。 #グラクレ
— 水野良@小説グランクレスト戦記10巻発売中! (@ryou_mizuno) 2018年4月20日
ヤーナの自決にほくそ笑む協会からの使い。露骨に怪しい。そろそろラスボスを明確にしておく時期ということだろう。大講堂の惨劇の黒幕は原作では早々に匂わされ、マリーネとミルザーの邂逅あたりで明確に言及されるのだが、アニメでは伏線を仕込んでいる余裕が無かったのか少し遅れた結果に。ヤーナの最期が変更されたのもラスボス印象づけの一環と言える。
このモブには見えない君主はオイゲン男爵。原作では2巻で出番があるのだが、アニメは大きく再構成されたためカット。テオに初対面では威圧的に接するが、テオのわきまえた振る舞いですぐに好意的に転じる、人間的で好感の持てるおじさんである。ヴィラールから派遣されてきた契約魔法師と夫婦になり、ミルザーとの決戦を前に子を授かるシーンはなかなか涙腺にくるので興味のある方はぜひ原作を。
このシーン、原作ではミルザーも彼を倒した後「見事だった」と称賛しているのだが、アニメではヤーナほどではないにしろミルザーも悪役として強調されているように思う。
ラウラさん生きてた!めでたい。(僕の「アニメで進んだところまで原作を買う」スタンスだと、システィナ開放前に明らかになってしまうので新鮮な驚きが無かったのが残念。)エドキア様に仕えている、と聞いたシルーカの微妙な反応の理由がアニメで明かされるかわからないが、1カットくらいあるかも知れないので書かないでおく。別にひどい扱いを受けているわけではない……と思う。
「もう少し待ってくれないかな」「ずいぶん焦らしてくれるな」
距離近いな君ら。周りに兵士がいるので従属云々の話はこの距離でせざるを得ないのだろうが、やたら親密なカットになっている。モレーノ先輩のあからさまに不服な表情が同情を誘う。ラシックがテオのことを好きすぎるのは個人的に見ていて面白いが、そう感じない視聴者もいるだろう。モレーノ先輩はそう思う視聴者のために作中人物の価値観の偏りを防ぐ役割を担っている印象がある。
シルーカの進行を遮って発言するテオ。シルーカの根回しに関係なく、自ら考えて動き支持を得るテオという構図だろうか。1話時点での目的を果たして帰ってきたところなので、シルーカのなすがままだった1話当時からの成長を描いているように感じる。モレーノ先輩の「え?」と「認めちゃうんだ…」の天丼に笑う。前述したように味方ながら主人公ペアに反発する役割があるだけに、憎めないキャラとして描かれている気がする。
会議シーンは前が君主、後ろがその契約魔法師という配置になっているようだ。2話等に登場したペトルくんが出世してサトゥルスさんを従えているのが感慨深い。
同盟側にしては珍しく穏やかな会談シーン。ミルザーの場違い感が面白い。マリーネの表情も声色も優しく、ミルザーを造反させた経緯が経緯ながらも、彼に心情的わだかまりを持っているわけではないことが示唆されているように思う。
スタルク(9話でマリーネが混沌災害を利用して落とした地域)が現在ノルドの支配下にあり、領民をこのウルリカが奴隷としていることを自然な会話で説明するシーンでもある。この作品らしくそれなりに理解難度が高めの部分と言える。
システィナに城代として置いてくるかと思ったらついてきていた次男ジュゼル。まあ彼が城代ではいろいろ波紋もあるかも知れない。早速役に立ちそうな有能ぶりである。KOEI三国志とかで苦労して登用した元敵武将を使う瞬間、言い知れぬ達成感を感じるのは僕だけではないと思う。
「私は既に意見を具申いたしました。決定されるのは太守です。」
最初は疎まれていたテリウスがある程度ミルザーに認められるようになっているのも感慨深いが、それだけに彼がミルザーと運命を共にするのかどうかが気になるところ。個人的には生存して欲しい。范増コースと陳宮コースならまだ范増コースのほうが生存チャンスはあるが、物語的にぐっとくるのは陳宮コースかも知れない。
「俺は既に命じたぞ。常闇の森に攻め入りテオを討ち取る。」
このエピソード前半ではテリウスの策を採用したミルザーが、対テオでは頑なに反発する比較で、ミルザーがいかにテオを意識しているかが分かる。テオをただ侮っているならテリウスの命がけの制止を受けそうなものである。受けられないのは、見下していたテオの王道が自身の覇道とすでに並んでいることに対する苛立ちや焦りが大きいからではないだろうか。彼との決着にはあと2話ほどありそうなので、そのあたりの描写も楽しみである。
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タグ:グランクレスト戦記
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