2024年01月16日
人的補償問題
報道されたのは先週末でしたか、
現在もくすぶり続けている
日本プロ野球の
FA(フリーエージェント)制度に伴う
人的補償問題についてです。
ご存知ない方に軽く説明すると、
まずFAというのはプロ野球の1軍で
一定期間活躍した(細かい条件は割愛)
選手に与えられる自由交渉権。
アメリカのメジャーリーグでは
条件を満たせば自動的にFAになりますが、
なぜか日本では権利の行使を
宣言(申請)する必要があるものの、
自分が所属するチームを含めた
全球団と雇用契約交渉を行い、
翌シーズンからの所属球団を
自分で選べるようになる権利です。
プロ入団時は基本的にドラフトなので
自由に所属球団を選べないため、
選手の夢だったり、活躍の場を求めたり、
より多くのお金を求めたりと
理由は様々でしょうが、
選手の意志で所属球団を選べる
(とはいえ希望球団から声が
掛からない可能性もある)のは、
長年に渡る貢献に報いる
ご褒美みたいなものですね。
そこまではいいのですが、
日本プロ野球では球団間の資金力の差が
大きくて、資金力がそのまま戦力差に
なりかねないという懸念が大きくて、
メジャーにはない戦力均衡化を
図る付帯ルールが存在します。
それが、今回話題になっている
人的補償、と呼ばれるものです。
まず、FA選手にはランクがあります。
チーム内の年俸ランキングで決まり、
Aランクは、上位1〜3位、
Bランクは、上位4〜10位、
それ以外がCランクの選手になります。
Aランクの選手を放出した元チームは、
その選手の年俸の8割、または
人的補償選手+年俸の5割を受け取ります。
Bランクの場合は年俸の6割、または
人的補償選手+年俸の4割になります。
FA選手の大半が、チームのトップクラスの
主力選手ですので、抜けたら大きく
戦力が低下してしまうため、
こうした補償があるのです。
なお、Cランク選手は補償なく獲得可能で
マイナス面がないため、元チームで
控え選手だったとしても結構
人気があって活発に選手が動きます。
この人的補償選手、というルール
(およびネガティブな印象の
ネーミングも含む)が、
今回の騒動の原因です。
FA選手を獲得した球団は、
まず旧所属球団に対して
FA選手の補償で放出してもいいよ、
って選手のリストを提出します。
名目としてはそうなっていますが、
実情はこの選手はあげません、
というプロテクト選手28人、
外国人選手、ドラフトで獲得した
来季の新入団選手、育成選手を
除いた選手がそれに当たります。
今回のケースで言うと、
西武の山川選手がFAして
ソフトバンク入団が決定、
山川選手がAランク選手だったので
甲斐野投手が西武へ移籍することに
なりました。
これはあくまでも最終的に、
という着地点ですけど。
ここで言いたいことを整理するために
時系列で書くと、
昨年末に山川選手がFAになりソフトバンク入り。
1/11 和田投手が人的補償移籍とスクープ
1/12 正式に甲斐野投手が人的補償移籍と発表。
公式に出た情報としては
この3項目だと思います。
問題点は、1/11のスクープ記事。
福岡を中心に大騒ぎになりましたが、
チームの精神的支柱である大ベテランの
和田投手が、よりによってプロテクトから
漏れていたのではないか?
という疑惑があります。
小久保新監督が、就任時から
ローテーション投手だと明言していた
こともあって、衝撃が走りました。
西武ファンの私からしても
嬉しくもありますが、
信じられない思いの方が
強かったくらいです。
で、翌日の夕方に
急転直下、甲斐野投手の移籍が
西武球団からありました。
表に出す情報ではなくて、
両球団しかわからないプロテクト
リストではありますが、
和田投手のプロテクト漏れ、そして
甲斐野投手が実はプロテクト選手だった
のではないか、との疑念が拭い去れません。
和田投手が引退を盾に拒否した、
ソフトバンクも世論に動揺して
西武に変更を泣きついた、
そして言い方は悪いですが
甲斐野投手が犠牲になった?
という図式しか見えてこない。
昨日の自主トレの記事で、
和田投手は「その問題に触れたくない」
というコメントをしたようですが、
「関係ない」と言い切らないあたり
何かがあったことが想像されます。
以前も同様のベテランで
元中日の岩瀬投手が補償を拒否した
問題が起こったのですが
(これは明らかにされている)、
全然対応策が練られていない印象。
今回のケースもちゃんと調査して、
対象球団間で決めるのではなく、
NPBが間に入るなど制度の厳密化を
行わないと形骸化してしまいます。
ついでにプロテクトの問題として、
怪我などの理由もありますが
実績のある選手を一時的に
育成契約してリスト外にする手法も
横行しています。
特に一昨年末に巨人という球団が、
2億円で契約している梶谷選手を
育成契約としました。
資金力があって、FA選手を
多数補強してきた球団だけに、
多くの批判を集めました。
選手の権利としてFA制度を
否定するつもりはありません。
完璧な制度ではないのですから、
問題が明らかになれば修正すればいい。
でも、放置されていたことが
わかっちゃった以上は、
改善が必要な中途半端な
付帯事項をつけるよりも
いっそのことメジャー流に
しちゃえばいいのにな、って思いますね。
現役ドラフトもそうですが、
選手たちがより輝ける環境づくりを
NPB主導で推進してくれることを
一野球ファンとしてお願いしたいです。
現在もくすぶり続けている
日本プロ野球の
FA(フリーエージェント)制度に伴う
人的補償問題についてです。
ご存知ない方に軽く説明すると、
まずFAというのはプロ野球の1軍で
一定期間活躍した(細かい条件は割愛)
選手に与えられる自由交渉権。
アメリカのメジャーリーグでは
条件を満たせば自動的にFAになりますが、
なぜか日本では権利の行使を
宣言(申請)する必要があるものの、
自分が所属するチームを含めた
全球団と雇用契約交渉を行い、
翌シーズンからの所属球団を
自分で選べるようになる権利です。
プロ入団時は基本的にドラフトなので
自由に所属球団を選べないため、
選手の夢だったり、活躍の場を求めたり、
より多くのお金を求めたりと
理由は様々でしょうが、
選手の意志で所属球団を選べる
(とはいえ希望球団から声が
掛からない可能性もある)のは、
長年に渡る貢献に報いる
ご褒美みたいなものですね。
そこまではいいのですが、
日本プロ野球では球団間の資金力の差が
大きくて、資金力がそのまま戦力差に
なりかねないという懸念が大きくて、
メジャーにはない戦力均衡化を
図る付帯ルールが存在します。
それが、今回話題になっている
人的補償、と呼ばれるものです。
まず、FA選手にはランクがあります。
チーム内の年俸ランキングで決まり、
Aランクは、上位1〜3位、
Bランクは、上位4〜10位、
それ以外がCランクの選手になります。
Aランクの選手を放出した元チームは、
その選手の年俸の8割、または
人的補償選手+年俸の5割を受け取ります。
Bランクの場合は年俸の6割、または
人的補償選手+年俸の4割になります。
FA選手の大半が、チームのトップクラスの
主力選手ですので、抜けたら大きく
戦力が低下してしまうため、
こうした補償があるのです。
なお、Cランク選手は補償なく獲得可能で
マイナス面がないため、元チームで
控え選手だったとしても結構
人気があって活発に選手が動きます。
この人的補償選手、というルール
(およびネガティブな印象の
ネーミングも含む)が、
今回の騒動の原因です。
FA選手を獲得した球団は、
まず旧所属球団に対して
FA選手の補償で放出してもいいよ、
って選手のリストを提出します。
名目としてはそうなっていますが、
実情はこの選手はあげません、
というプロテクト選手28人、
外国人選手、ドラフトで獲得した
来季の新入団選手、育成選手を
除いた選手がそれに当たります。
今回のケースで言うと、
西武の山川選手がFAして
ソフトバンク入団が決定、
山川選手がAランク選手だったので
甲斐野投手が西武へ移籍することに
なりました。
これはあくまでも最終的に、
という着地点ですけど。
ここで言いたいことを整理するために
時系列で書くと、
昨年末に山川選手がFAになりソフトバンク入り。
1/11 和田投手が人的補償移籍とスクープ
1/12 正式に甲斐野投手が人的補償移籍と発表。
公式に出た情報としては
この3項目だと思います。
問題点は、1/11のスクープ記事。
福岡を中心に大騒ぎになりましたが、
チームの精神的支柱である大ベテランの
和田投手が、よりによってプロテクトから
漏れていたのではないか?
という疑惑があります。
小久保新監督が、就任時から
ローテーション投手だと明言していた
こともあって、衝撃が走りました。
西武ファンの私からしても
嬉しくもありますが、
信じられない思いの方が
強かったくらいです。
で、翌日の夕方に
急転直下、甲斐野投手の移籍が
西武球団からありました。
表に出す情報ではなくて、
両球団しかわからないプロテクト
リストではありますが、
和田投手のプロテクト漏れ、そして
甲斐野投手が実はプロテクト選手だった
のではないか、との疑念が拭い去れません。
和田投手が引退を盾に拒否した、
ソフトバンクも世論に動揺して
西武に変更を泣きついた、
そして言い方は悪いですが
甲斐野投手が犠牲になった?
という図式しか見えてこない。
昨日の自主トレの記事で、
和田投手は「その問題に触れたくない」
というコメントをしたようですが、
「関係ない」と言い切らないあたり
何かがあったことが想像されます。
以前も同様のベテランで
元中日の岩瀬投手が補償を拒否した
問題が起こったのですが
(これは明らかにされている)、
全然対応策が練られていない印象。
今回のケースもちゃんと調査して、
対象球団間で決めるのではなく、
NPBが間に入るなど制度の厳密化を
行わないと形骸化してしまいます。
ついでにプロテクトの問題として、
怪我などの理由もありますが
実績のある選手を一時的に
育成契約してリスト外にする手法も
横行しています。
特に一昨年末に巨人という球団が、
2億円で契約している梶谷選手を
育成契約としました。
資金力があって、FA選手を
多数補強してきた球団だけに、
多くの批判を集めました。
選手の権利としてFA制度を
否定するつもりはありません。
完璧な制度ではないのですから、
問題が明らかになれば修正すればいい。
でも、放置されていたことが
わかっちゃった以上は、
改善が必要な中途半端な
付帯事項をつけるよりも
いっそのことメジャー流に
しちゃえばいいのにな、って思いますね。
現役ドラフトもそうですが、
選手たちがより輝ける環境づくりを
NPB主導で推進してくれることを
一野球ファンとしてお願いしたいです。
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