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2014年12月25日

34丁目の奇蹟

メリークリスマス!
サンタさんは来ましたか?
私もう大人なのですが
弟のおこぼれでしょうか、
チョコレートが枕元に…笑

と、いう訳で
ヴァレンタイン デイヴィスの名作
34丁目の奇蹟
34tyoume.png

クリスマス、で個人的に
思い出深い本が
あるのですが、
昔話になりそうなので
追記の方にて…笑

さて、こちらの作品

白いひげの太った老人クリスが
自称サンタクロースさんで
子ども達に夢を、
と心から願っているのですが

一方で、スーザンという
女性がいて
彼女は娘と二人で
暮らしています

母子家庭の母親として、
デパートのイベント責任者
として、とっても
シビアな物の見方を
要求される彼女は
やはりどこか
心が寂しい印象
ちょっと、ぎすぎすしている

そんなスーザンは
ひょんなことから
クリスを雇うことに
なります
勿論、サンタクロース役
として

そして、その娘
ドリーもまた、
まだまだ小さな女の子
なのに、

デパートでサンタさん
の恰好をして
子どもに何が欲しいのか
聞いているクリスに
何もいらないわ
安いものでいいの
と、サンタさんを
全く信じていない様子

クリスは衝撃を受け
何とか、この女の子に
夢を……と願い
サンタクロースを
信じてもらおうと必死に

そこでドリーは
本当にサンタクロースが
いるのなら
家とパパと弟が欲しい!
と、言いはじめ

クリスは、
行動を起こしはじめます

どこまでも
「本物のサンタクロース」
のクリスが

夢を大切にして
子どもと接し、
子どもながらに
信じる心を失った
ドリーの為に
奮闘するあたり
とても、素敵です

クリスのデパートでの
サンタクロースぶりも
なかなか、見もの

子どもを抱き上げ
あれが欲しい、
これが欲しい、
という子ども

後ろで
「それは諦めさせて!
ここに売ってないから!」
と身振り手振りで
訴える母親

母親を完全に無視して
「きっとサンタクロースは
君の夢をかなえてくれる」
とにっこりクリス

しかし、クリスのすごい
所は、てきとうな事を
言っているのではなく
この後苦情を
言いにきた母親に
ちゃんと、
子どもの欲しいものを
買ってもらってしまう
所です

ネタバレが嫌で
分かりにくい
書き方になりましたが
個人的にこの場面
好きなんですよ…

さて、しかし
クリスのことを
良く思わない
人間も出てきて……


何なんでしょう
サンタクロースの魔法は
どこにもないのに
サンタクロースを
信じてしまうようになる

そんな、素敵な作品です




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2014年12月24日

海と毒薬


さてさて、本日ご紹介する
のはこちら

遠藤周作著『海と毒薬

海と毒薬.png

勝呂医師という医者ののもとへ、「私」が診てもらいに
いくその前あたりから、物語がはじまります

勝呂医師は、素晴らしい腕の医者でした
「私」も思わず感服。

しかし、彼には壮絶に暗い過去があった…

戦争直後の新聞に勝呂医師の名前は載っていました
戦争中に、医大の医局員たちが、捕虜の飛行士8名を
医学上の実験材料にした、という内容のもの。
人間は血液をどれほど失えば死ぬか、
血液の代わりにどれほど塩水を注入できるか、
肺を切り取って人間はどれほどの間生きながらえるか……
この実験に、彼は参加したという
しかし、彼は主だった被告ではなく、懲役二年で済んでいる

冒頭の勝呂医師の少し不気味な雰囲気からもして
勝呂医師は余程人間らしい暖かさの欠けた人なのかと
思ったところで、時代がぐんと遡る。

戦時中の医療現場の実態

手術をしたところで幾何も生きながらえる時間の増える訳でも
ない患者、むしろその負担の方が大きいような患者相手に
どうせ死ぬなら、オペで実験をやりたい、実験に最適だと
言う柴田教授
それを見て、その患者に本当のことも言えるはずも無く
苦悩する若き日の勝呂。
こんなエピソードからはじまるのです

医療現場でも、患者を救いたいなどと思えることもなく
倫理観が極端に欠如した状態が伺えてしまう
しかし、病院で死なんやつは空襲でどうせ死ぬんや
という現場の人間の声を聞くと、彼らを
一様に責め立てるということも出来ないのだろうか…

暗澹とした気分で物語を読み進めていきますが
そこでは、やはり、どこか疲れ切って
ネジが飛びきってしまったのかと
思えるような人々、倫理観の欠如した人々の姿

それぞれの幼少期や、過去を通じて
何だか仕方ないのではないかと思えてしまう
のも恐ろしいところ

そうして罪の意識を忘れ去っていたもしくは
意識してそんなもの忘れていた人々が
冒頭の実験に立ち合うことになってしまう

実験の後の反応は、それぞればらばらです
勝呂の反応と、その同期戸田の反応の違いは
そら恐ろしいものがあります

そんな勝呂も、時を経て、どこか諦念を持ったまま
今を生きているのか…
読者を茫然とさせ、物語は終わります

そして、遠藤周作さんの問いかけ
慄然として神を持たない、私達日本人の倫理とは、
罪の意識とは何なのか……

倫理や道徳なんて、当たり前に形成される
もののような気もしてしまいがちですが
極限状態においてまで、一体何を罪とすればいいのか

衝撃を受けること間違いなしの作品です





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posted by at 09:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 遠藤周作

2014年12月23日

暗いところで待ち合わせ


さてさて、本日はこちら

乙一著『暗いところで待ち合わせ
暗い所で待ち合わせ.png

設定が絶妙です
起きている事態は非現実的なのに
描かれている登場人物が
本当に、感情移入してしまうほど
身近な、そんな存在で

まずは、アキヒロからいきましょう
彼の方が、おそらく
読者にとって身近な
印象になるかと…

どうしてそんなことに
なったんだ、と
言いたくなったりもしますが
でも、そうなるもの
なのかなぁ……

アキヒロは
同僚の松永トシオに
とてつもなく嫌悪感を
抱いていました

とはいえ、アキヒロの
心の声を見る限り
明らかに松永が悪い…
性質の悪い嫌がらせを
してくるようで

アキヒロはついに
殺してやりたい
と思ってしまうほど

でも、気持ちは分かる
と、思わず
慰めたくなって
しまうような、そんな状況

そして……
松永が、電車のホームから
突き落とされる
事件が起きる

アキヒロは、警察に
追われることになり

ミチルの家へ転がり込む
そして、ミチルの家で
隠れて暮らすようになる

なぜ、そんなことが
可能だったか

ミチルが、実は
事故で失明して、
一人暮らしをしている
女性だったのですね

奇妙な同棲生活が
はじまる訳です

アキヒロは、ミチルに
気づかれないように

息をつめて部屋の
隅に縮こまっている

この作品の大きな見どころの
一つは、この、
奇妙な関係の中で
お互いの存在を
少しずつ認めていく
二人の描写です

自分がいることを
知らせる訳にはいかない
アキヒロ

しかし、感覚的に
誰かがいることに
気づくミチル

アキヒロとミチルだけでなく

ミチルの友人となった
カズミやハルミといった
登場人物も出てきて

物語は、ゆっくりと
ほどけながら
気づけばどんどん
複雑になっていきます

犯罪者としての
切迫感

視力を失ったこと
からくる閉鎖感

しかし交わる
温かな人間関係

静かに、じわじわと
心が温まるようなお話です

さすがは乙一さん、
目を疑うようなラスト

乙一さん、と聞くと
何となく、ホラーなイメージ
やグロイ、イメージが
ある、かもしれませんが
こちらの作品は
その点でも
大丈夫だと思います
ので、

乙一さんはじめて、
だなんて方も
是非、手に取ってみて下さい




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暗いところで待ち合わせ





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posted by at 21:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 乙一

暗いところで待ち合わせ


さてさて、本日はこちら

乙一著『暗いところで待ち合わせ
暗い所で待ち合わせ.png

設定が絶妙です
起きている事態は非現実的なのに
描かれている登場人物が
本当に、感情移入してしまうほど
身近な、そんな存在で

まずは、アキヒロからいきましょう
彼の方が、おそらく
読者にとって身近な
印象になるかと…

どうしてそんなことに
なったんだ、と
言いたくなったりもしますが
でも、そうなるもの
なのかなぁ……

アキヒロは
同僚の松永トシオに
とてつもなく嫌悪感を
抱いていました

とはいえ、アキヒロの
心の声を見る限り
明らかに松永が悪い…
性質の悪い嫌がらせを
してくるようで

アキヒロはついに
殺してやりたい
と思ってしまうほど

でも、気持ちは分かる
と、思わず
慰めたくなって
しまうような、そんな状況

そして……
松永が、電車のホームから
突き落とされる
事件が起きる

アキヒロは、警察に
追われることになり

ミチルの家へ転がり込む
そして、ミチルの家で
隠れて暮らすようになる

なぜ、そんなことが
可能だったか

ミチルが、実は
事故で失明して、
一人暮らしをしている
女性だったのですね

奇妙な同棲生活が
はじまる訳です

アキヒロは、ミチルに
気づかれないように

息をつめて部屋の
隅に縮こまっている

この作品の大きな見どころの
一つは、この、
奇妙な関係の中で
お互いの存在を
少しずつ認めていく
二人の描写です

自分がいることを
知らせる訳にはいかない
アキヒロ

しかし、感覚的に
誰かがいることに
気づくミチル

アキヒロとミチルだけでなく

ミチルの友人となった
カズミやハルミといった
登場人物も出てきて

物語は、ゆっくりと
ほどけながら
気づけばどんどん
複雑になっていきます

犯罪者としての
切迫感

視力を失ったこと
からくる閉鎖感

しかし交わる
温かな人間関係

静かに、じわじわと
心が温まるようなお話です

さすがは乙一さん、
目を疑うようなラスト

乙一さん、と聞くと
何となく、ホラーなイメージ
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ある、かもしれませんが
こちらの作品は
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乙一さんはじめて、
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タグ:小説 乙一
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2014年12月22日

各書名言集(小説pert16)


各書名言集もpert16です٩(๑•̀ω•́๑)۶
(極めて微妙な数であえて触れてみる)
紹介した本も多くなってきましたので
カテゴリーを作家さんのお名前に
変更しました…
気になる作家さんがいたら
カテゴリーから見てみて下さい

と、いう訳でいきましょう!

真夜中の料理人
真夜中の.png
ーただ、さいわいなことに、英子の
場合は凝縮の度合いが、
それほど強くはない。
ゼラチンみたいにゆるく固まる。
ブヨブヨとしている。
そのかわり昂りは、
しばらく続く。
二時間も、三時間も、
―殺してやりたい―
と思い続ける。
いつの頃からかそんな想像を楽しむ
すべを覚えた。
殺したあとで、見つかって、
捕まってしまったら、つまらない―

「殺意」って何かとてつもなく
鋭いイメージを抱いてしまいますが
ブヨブヨとしている、この
表現の仕方に衝撃を受けました
でも、確かに、その場で本当に
相手を殺してしまうような
鋭く凝縮した殺意を持てる人
ばかりとは、限らないですよね、きっと


紹介記事はこちら


検察側の罪人
検察側の罪人.png
―何も間違えていないのに、
こんな気持ちになるものだろうか―

間違いなく、沖野が行った事は
法的に見て「正義」ですが
しかし、沖野は正義という言葉の
いびつさに、混乱し、
それはおそらく読者も
同じなのではないでしょうか


紹介記事はこちら


『未来(あした)の思いで』
未来のおもいで.png
―その高度で、突然に一面がお花畑と化した。
天然の花園が現れたのだ―

正直言いますと、この作品の
最後のセリフがなかなかに
しびれさせられるのですが
思いっきりネタバレになるので、
個人的に綺麗だなぁ、と
思った、山の上に現れた花園の
描写の冒頭を


紹介記事はこちら



いかがでしょうか?
寒い日にはこたつか
ストーブ前でぬくぬく
読書に限りますよ〜
そんな、冬のおともに、
どうですか('ω'*)?
タグ:名言
posted by at 00:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 名言

2014年12月21日

各書名言集(小説pert15)


引き続きまして
各書名言集です
行って参りましょう

発想力獲得食
発想力獲得食.png
―きっと、これがこの国のあり方なのであろう。
他の問題にしても、皆同じように大切な事柄は
不明のうちにわあわあと騒がれ、
間もなく忘れられていく……
いつも、そうだったのではないか?−

アイスクリーム爆弾より。
このお話はおそらく一番
うーむ…確かに、と唸らされたような
そんな作品でした


紹介記事はこちら


ちょんまげぷりん
ちょんまげぷりん.png
―入口ニテ籠を取リ、欲スルトコロノモノヲソノウチニ入レルベシ。
シカシ入レタルモノノ代金ハ出繰りニテ徴収サルル仕組みナリ。
調子ニ乗リテハ財布空トナルベシー

安兵衛の、主夫ノート
何でも、宇宙人でも彼の
ノートを見れば問題なく
家事がこなせるのだとか…
このノートの一部を見ても
彼の生真面目さが伺えてちょっとだけおかしい


紹介記事はこちら


死神の浮力
死神の浮力.png
―慌てて私は、「ぎゃあ」と声を出し、
その場に倒れる。
もう少し生々しさがなくてはまずいか、
と思い、「助けてくれえ」と付け足す。

少々やりすぎであったかと反省する。
このあたりのバランスは本当に難しい―

痛みを感じない死神
でも、痛みを感じていないことが
分かると怪しまれるので痛いふり。
真面目に痛いふりをしようとした
千葉さんの天然(?)が炸裂
千葉さん、好きだなぁ…


紹介記事はこちら


いかがでしょうか?
ちょっとふふっと
なるような作品が
多くなりましたね
どれもそれほど長くもなく
読みやすいので
気軽に、読んでみて下さいね



タグ:名言
posted by at 10:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 名言

サンタクロースっているんでしょうか?


さてさて、本日は…
クリスマス当日にご紹介しようかな、
とも思ったのですが
もしかしてクリスマスプレゼントに
ぴったりかも、ということで…

東 逸子 (イラスト) 中村 妙子 (翻訳)
サンタクロースっているんでしょうか?
サンタクロースっているんでしょうか?.png

この絵本は、実際に
アメリカのニューヨーク・サン新聞という
新聞の社説に載った記事なのだそうです
約100年前程に

ことの発端は、
何てことはない、よくある
親子の会話から

当時8歳の少女が
お父さんに
サンタクロースっているの?
と訪ねたのです

理由はこれも良くあることで
学校の友達が
サンタクロースなんて
いないよ!
と言った為

お父さんは、ここで
サン新聞に尋ねてみればいい
サン新聞が
サンタクロースがいると
言うんなら
そりゃ間違いなく
いるんだろう、と
答えをかわします笑

しかし、そうして
少女は本当に
サン新聞に手紙を送り
それに答えることに
なったのが
論説委員のフランシス・チャーチ
(Francis Church/1839-1906)氏
でした

こうして、1897年9月21日
後世に伝えられるような
名文が新聞の社説にのります

ヴァージニア、それは
友だちの方がまちがっているよ。

そんな言葉からはじまる
暖かい言葉

サンタクロースが
いないですって?
とんでもない!

フランス・チャーチ氏の
思いやりと、知性溢れる
素敵な文章

サンタクロースを
見た人がいない
それがどうして
サンタクロースが
いない、っていう
証拠になるの?

そんな問いかけを
しながら

大切なものが
目に見えないという
ことを、暗に伝えながら

しかし、8歳の
ヴァージニアに
ちゃんと分かるように
丁寧に、伝えているんですね

じつはね、ヴァージニア、
サンタクロースはいるんだ。
愛とか思いやりとかいたわりとかが
ちゃんとあるように、
サンタクロースもちゃんといるし、
愛もサンタクロースも、
ぼくらにかがやきをあたえてくれる。

サンタクロースについて
はぐらかしたり
煙に巻くようなことは一切せず
「サンタクロースはいるんだ」
ときっぱり言い切ってくれる
それも、こんな素敵な
納得できるような理由をつけて
言い切ってくれる

ヴァージニアは
どんなにか
嬉しかったでしょう

この日サン新聞を見た
子ども達は一様に
サンタクロースの存在を
疑うことなく
信じられるようになったでしょうし

大人達は
心が温かくなって
大切なことを
見つめ直せたのでしょう


こんなに素敵な文章を
書ける人って
本当に尊敬します

サンタって本当に
いるの?
そう真剣な目で
問いかける子に、
こんなクリスマスプレゼントも
悪くないと思う訳です





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2014年12月20日

未来(あした)のおもいで

さてさて、本日ご紹介
するのは、こちら…


梶尾真治著『未来(あした)のおもいで
未来のおもいで.png

白鳥山に登ることを趣味とする滝水浩一。
彼は、デザイナーの仕事をしていますが
人との煩わしい関係に疲れ、
あまり人気のない白鳥山へせっせと足を
運んでいました

そんな、ある日。

本来5月頃に満開を迎える
を見つけ、茫然と喜ぶ滝水。
どうして普段より1か月もはやいのか
いや、奇跡のようだ
しかし美しい…

そう山の神々に感謝しているうちに
濃いミルクのような霧まで出てきて……

突然の大雨。
長年の経験的に、今日は快晴だとたかをくくって
雨具を持っていなかった
洞で雨をしのごう、そう思った時、
一人の女性とと出会ったのでした。

洞の中で雨をしのぎながら
ほんの少しだけお話をして、
そして、別れた二人。
登山者の暗黙のルールで
名前さえ交わさなかった二人。
しかし滝水は女性の面影が忘れられない

彼女の忘れていった手帖をたよりに
彼女の家まで足を運ぶと、
そんな女性はいないと言われる
狐につままれたような心持で再び
あの洞へ行くと、手紙が置いてある

なんと、彼女は未来の人でした。

お互いに、もう一度会いたいと願いながらも
それは叶わず、洞に手紙を置くという
何とも頼りなげな方法で
時を超えた文通を続けかろうじて
繋がる二人。

二人とも、それまで異性に興味がなかった為、
大人なのに、とてつもなく純粋で
会えなくても、と手紙を書き続ける

しかし、こうした時を経ての交流の中で
二人はある衝撃的な事実を知ることになり……

二人がお互いにちょっと喋っただけなのに
とっても好きあっているだとか、
洞の仕組みだとか、基本的に運命や奇跡で
語られ、決して現実的ではないので
そういう曖昧なお話は絶対無理、という
方には向かないのかもしれませんが

彼らを見ていると、こういう奇跡が
起きてもいいんじゃないか、と思えてしまいます
だんだん、何で?を考えるのが
馬鹿らしくなってきてしまって

ちょっと二人の手紙は、くさい気もしますが笑

ラストは、なるほど、と
うん、このお話らしい
自然な終わり方で、すっきり

描かれる山の情景も、なかなか見事。
不思議な不思議な、時を越えた物語に
少し浸ってみませんか?





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2014年12月19日

検察側の罪人


雫井脩介著『検察側の罪人
検察側の罪人.png

東京地検のベテラン検事・最上毅

教官時代の教え子、沖野啓一郎は最上と
同じ刑事部に配属され、意欲満々
最上は。そんな彼を頼もしく思う

最上を憧れの検事として尊敬し、
彼のように正義を貫く検事になりたいと
疑いも無く思う彼

法という剣で、犯罪人を斬る
そう話す最上には、法の下悪人を斬ることへの
ためらいは微塵もなく、
非常に芯のある人間性が伺えます

そんな折、起きた殺人事件。
被害者は老夫婦。犯人は逃走。
現場には何も残されていなかったため
老夫婦と関係のある人物をあらいざらい
見ていく警察

老夫婦は、幾人かにお金を貸していたことが分かり
お金を借りていた人物達を容疑者として捜査を進めていく

その容疑者リストの中に、最上はふと
ある名前を見つける。

この男が、最上にとっては因縁の相手、
最上だけではなく、最上と親しい人々にとって
忘れたくても忘れられない、人間、松倉です

松倉は、最上達にとって、親しい人を殺した
殺人犯ではないかと思われていたが
最後まで自供せず、時効を迎え
逃げ切った人間だったのですね

そして、今回の老夫婦殺人事件、松倉が
犯人の線が、色濃くなり
今度こそ、法による裁きを…と最上は内心息巻く

しかし、沖野は、松倉が容疑者である、という
最上らの説に疑問を感じはじめる……

真相は……?

途中からラストが見えてきて
心苦しいことこの上ないのですが、
しかし、本当に、うまくできた小説だと
思います

最上を突き動かしたのも、
そして沖野を突き動かしたのも
正義だった、はず

検事として、法の下、あくまで冷静に、と
するべきなのは勿論なのですが
そこに、感情が少しずつ少しずつ入っていき
どんどん膨れ上がっていく描写が素晴らしい

私は読んでいるうちに、
本当ならば、嫌悪感を感じなければならない
人物に同情してしまい、
同情しなければならない人物に
嫌悪感を感じてしまうことに
動揺してしまいました。それだけに、沖野の
正義とはこんなにいびつで、こんなに訳の分からないものなのか
という言葉が、ぐさっと胸にささってくる

冷たい決断を下し、全く信念のぶれない最上と
はじめての現場で様々な葛藤を経験する沖野の
対比もさることながら、
登場したキャラクター達はみな
絶妙に使われていて、本当に練られているなぁ、と感服

本当に一気読みしてしまう程
面白かったです

是非是非





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2014年12月18日

死神の浮力

あれ、昨日が終わっている…
なんだか、ばたばたして
気づけば一日が終了していました…
茫然。笑

師走ですからね…忙しいですよね
皆様も
そんな中いつも足をお運び
頂きありがとうございます…

やたらと前置きが長くなりましたが
本日ご紹介するのは、こちら

伊坂幸太郎著『死神の浮力
死神の浮力.png

以前、ご紹介したことのある
『死神の精度』
このシリーズの続編、になるのでしょうか
続編、ではないのかな。

『死神の精度』は短編集という形で、
様々な人々が出てきて、
その人々と、
千葉の絡みが見られたのですが

今回は、長編(?)作品です。

千葉さんの調査対象は、
山野辺という人間。
はじまりは、
もう、これは文章の力なんでしょうね
涙が溢れてしまいました。

山野辺遼と、その妻美樹は、
愛娘を亡くして一年になります
その愛娘は、事故や病気ではなく、
ある人物によって殺害されたのでした

そして、山野辺夫婦は、
その犯人が誰なのか
確信を持っています

本城というその男は、
山野辺家族の近くに住む男でした。

彼が犯人である、という証拠は3つ。
コンビニエンスストアの
監視カメラに映る本城と娘の姿、
目撃証言、
そして娘の爪に付着した本城の皮膚

ところが…裁判所から
出てきた本城は、「無罪」
それを受けての、
山野辺夫婦のコメントを得ようと、
家にはマスコミが待機している。

そんな、時に、見慣れぬ男
千葉さんがやってくる。

千葉さんは、仕事のため、
とっさに俺も本城に恨みがうんぬんと言い
結局夫婦と行動を共にすることとなります

残忍で、冷酷、どこまでも
人を痛めつけることに快感を
覚えているのではないかと
思われるような本城を相手に、
怒りの収まらぬ山野辺遼と美樹は、大奔走

死神の精度に比べると、
何だかチート感の増した
千葉さんが、
本人の意思があるかないかは関わらず大活躍

何といいますか、本当に、
読了後、よくよく考えてみれば
千葉さん、すごすぎて、
興が冷めてもおかしくないはずなのに
全く気にならずに読み進めれるのは

徹底的に、千葉さんが
ずれているせいなのでしょうか?

敵役である本城が
どこまでも狡猾で、ドキドキ感も一杯
そんな中、千葉さんのずれた言動でなんだか
拍子抜けたり、ほっこり(?)したりしながら
最後まで、どうなるのやら
分からず、物語は進行します

ちなみに、終わり方は、うーん。やられた!
その伏線をこんな形で回収してくれるのか!
伊坂さん、ありがとう!!!
と私は思いましたが…

なぜ、ありがとう!
なのかは、まぁ
読んでからのお楽しみ、
ということで…

ちなみに、ちょこちょこ
『死神の精度』で出てきて人間についての
記述もあるので、少し嬉しくなったりします。
だからこそ、先に
『死神の精度』を
読むことをお勧めします

是非是非ご一読あれ




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posted by at 09:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 伊坂幸太郎
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気ままにもう一冊

きみが住む星 (角川文庫)

とうとう旅に出てしまった。 離陸した飛行機から、 群青の成層圏の空が見えたとき、 ぼくはこの星が好きだと思った。 どうしてなのか考えて、気がついた。 この星には、きみが住んでいる。 きみが住む星をぼくは旅する
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