アフィリエイト広告を利用しています

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

2015年06月10日

ほんとうの花を見せにきた


おお、久しぶりの
晴れ間ですね!

本日ご紹介するのは、こちら

桜庭一樹著『ほんとうの花を見せにきた
ほんとうの花を見せにきた.png


竹から生まれた吸血種族バンブー

そんな、バンブーを中心としたお話が
3篇、おさめられています

小さな焦げた顔
ほんとうの花を見せにきた
あなたが未来の国に行く


分量としては、最初の
「小さな焦げた顔」が最も
多いのですが、


これは、バンブーと、
孤児となってしまった男の子のお話

唯一、人間目線のお話で
バンブーについての設定が
細やかに語られつつ
優しいバンブーに見守られながら
時に葛藤し
道を踏み外して
しまったりしつつも
成長していく男の子の物語です

このお話で、バンブーについての
設定はおそらく全て
語られ、この前提条件のもと
次の2篇へうつるのですが…

その後の「ほんとうの花を見せにきた」
「あなたが未来の国に行く」
が素晴らしく心に響きました

1篇で語られたバンブーについての
様々な設定が見事に生かされつつ
話自体が実に上手く
つくられていて、
引き込まれてしまいます

表題「ほんとうの花を見せにきた」は
1篇でのキャラクターが再登場
1篇での出来事を知っているからこそ
胸を打たれます

寿命が約百二十年のバンブーは
年をとる、ということを
しません。ずっとずっと
その見た目は変わらない

対して、成長し、年をとり
やがて一緒に過ごした
妖怪のことなんて、忘れてしまう
人間、、、

この、妖怪と人間の
違いをついた描写は
なかなかに、
切なくて、でも、
現実味があって……

1篇でも、同じような描写は
あったのですが、
こちらは、1篇以上に

妖怪と人間が
いつまでも共には
暮らせない、ということが
つきつけられて
本当に、切ない。

バンブーの過去も語られ
さらに、切ない

それでも、最後は
心が温まるような
終わり方です

個人的に一番好きなのは
「あなたが未来の国に行く」
です。

突然、時代がどこへいったのか
分からなくなり、

バンブーの国のお話へ

一体、このバンブー
誰なんだろう、
と思いながら
読み進めるうちに

平和なバンブーの国に
危機が訪れて……

希望という未来へ
進みたくて
自分の運命に
抗おうと必死な
主人公のバンブーに
思わず涙
してしまいそうに
なります

頑張れ、本当に
頑張れ、と、もう
このバンブーが
誰でもいいから
とにかく
応援したくなる

そんな真っ直ぐさを
持ったバンブーが
主人公

そして、最後の最後で

あぁぁ、このバンブーだったのか
と、種明かしがされ

1篇を思い出し、
唸らされます

いろいろと言いたい
気もしますが
少しでも喋ると
ネタバレになってしまいそう
なので、自重しますね…

うーん、
唸らされます。笑


素晴らしい
ハートフルストーリー
ファンタジーな世界に
浸りつつ、暖かい気分に
なりたい方、
是非是非どうぞ。




人気ブログランキングへ



ほんとうの花を見せにきた

新品価格
¥1,512から
(2015/6/10 08:42時点)






ほんとうの花を見せにきた [ 桜庭一樹 ]

価格:1,512円
(2015/6/10 08:42時点)
感想(0件)










タグ:小説
posted by at 08:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 桜庭一樹

2015年03月03日

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

さてさて、本日はこちら

桜庭一樹著
『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』
砂糖菓子.png


まず、最初に告白しますと、
最初の一ページ、うーん、読もうかな、読まないでおこうかな、
ちょっぴり迷いました…

個人的な趣向ですが、このような文体には
どうも馴染まないところが、あるんですね、私。
しかし、電車で読み始め、パタンと閉じても手持無沙汰だし
電車に乗っている間くらい……
とそのまま読み進め、結局電車を降りた後も読み切ることに…笑

山本なぎさ、中学生の少なくとも見た目にはごく普通の女の子
その山本なぎさのクラスに海野藻屑という転校生がやってくる

かなり奇行の目立つ、藻屑は、その名前のインパクト
彼女の持ち物が全て有名なブランド物であったこと
そして、彼女の父親が有名だった歌手だと言うこともあり
学校の注目をあび、そして浮いていく

しかし、山本なぎさは、知らんぷり。
彼女にとって、大事なのは「実弾」(お金)
自分が生きていく上で、助けとなるもののみ、と悟り
それ以外のことに、関わらない、と決めていたから…

しかし、そんな山本なぎさに、「死んじゃえ」と吐き捨て
さらに「友達になって」と藻屑。

藻屑は、自身を人魚であると言ってはばからず
その為、いつもミネラルウォーターを持ち歩いては
ぐびぐびと所構わず飲んでみたり、
足をひきずっていたり……
嘘で塗り固められた彼女を、山本なぎさは
お金持ちで、だから空想にひたれちゃう、幸せな子と
眺めていたのですが……

まず、中心となる登場人物の、いかにも思春期らしい
心の動きが、何とも生生しく描かれていて、引き込まれます

主人公である山本なぎさ
一見、よくある「自分の不幸を悟った風に
クールに振舞っている女の子」
に見えるのです
所謂引きこもりの兄を理想化し、
うっとりと眺める所に
あなたがするのは兄の世話じゃないでしょ、
と窘めたくもなる
しかし、よくよく読んでいくと、もっと深い

彼女は自分が未成年で力が無いことも、
十分過ぎるくらい分かっているし
自分が「私は不幸」という思いによって
支えられていることさえ認識し
そして、その上で、だから高校へ行かず
自衛隊へ行きたい、
となっている。

彼女の「高校へ行かず自衛隊へ行きたい」だけを見れば、
浅はかな、となりそうなものですが、彼女はただ思考を飛躍させている
だけ、とも言い難い。そういう所が見えてきだしてから
途端に、面白くなってきて、引き込まれてしまいます。

そして、山本なぎさ以上に複雑なのが、海野藻屑
やることなすこと、変で、嘘ばかりつく女の子
そんな、ありえないでしょ、と思いたくなるほどフィクションっぽい女の子
しかし、彼女のその「変」、という表面の裏の事情が見えてくるとまた
読む速度が上がってきます

そしてここらへんから物語も
かなり速い速度で不穏度を増していき
何だか分からないけれどもとにかく
ページをくる手が止まらない笑

お兄さんが、山本なぎさに話すことが、実は藻屑の精神状態を
説明していたりして、彼女の精神状態の複雑さは、かなりすさまじい

山本なぎさは、最後の最後まで、ちょっと悟った感じの女の子で
でも、それは子ども視点から悟った、という点で最後までぶれません
子どもとしての限界を知り尽くしている女の子視点の
強烈に心に残るお話です





人気ブログランキングへ

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet (角川文庫)

新品価格
¥518から
(2015/3/3 08:06時点)





砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない [ 桜庭一樹 ]

価格:518円
(2015/3/3 08:06時点)
感想(13件)


posted by at 07:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 桜庭一樹
本日の一冊
紹介記事は こちら


気ままにもう一冊

きみが住む星 (角川文庫)

とうとう旅に出てしまった。 離陸した飛行機から、 群青の成層圏の空が見えたとき、 ぼくはこの星が好きだと思った。 どうしてなのか考えて、気がついた。 この星には、きみが住んでいる。 きみが住む星をぼくは旅する
検索
此の程
プロフィール
碧さんの画像

ようこそ、ご観覧
ありがとうございます(*- -)(*_ _)
こちら元々は自分の読書ペースを
保つためはじめた
独断と偏見に満ち満ちている
本紹介ブログです…。
※書評ブログではありません
詳しくはプロフィールにて
プロフィール
作者順
愛川晶(1)
碧野圭(1)
青柳碧人(1)
阿刀田高(2)
安部龍太郎(1)
綾辻行人(1)
荒木源(1)
有川浩(2)
今野敏(1)
池井戸潤(1)
池澤夏樹(8)
伊坂幸太郎(5)
稲垣足穂(1)
井上荒野(1)
井上靖(1)
松樹剛史(1)
上橋菜穂子(3)
岩合日出子(1)
ヴァレンタイン デイヴィス(1)
江國香織(2)
遠藤周作(3)
小川洋子(2)
奥田英朗(2)
織田作之助(1)
乙一(4)
カート・ヴォネガット(1)
恩田陸(2)
加賀乙彦(1)
垣根涼介(1)
角田光代(3)
梶尾真治(1)
風野真知雄(1)
川端康成(2)
菊池寛(1)
貴志祐介(1)
窪美澄(2)
幸田文(3)
こうの史代(1)
小松英雄(1)
桜庭一樹(2)
さくらももこ(1)
佐藤賢一(1)
重松清(2)
獅子文六(1)
雫井脩介(1)
シドニィシェルダン(1)
朱川湊人(1)
城山三郎(1)
須川邦彦(1)
高野和明(2)
高橋源一郎(1)
ダニエル・キイス(1)
谷崎潤一郎(4)
ダン・ブラウン(1)
辻村深月(5)
辻征夫(1)
筒井康隆(1)
恒川光太郎(1)
竜門冬二(1)
長野まゆみ(1)
中村文則(2)
南木佳士(1)
梨木香歩(1)
野尻抱影(1)
乃南アサ(1)
橋本紡(2)
長谷川卓(1)
葉室麟(4)
原田マハ(1)
バリー・ライガ(1)
東野圭吾(3)
藤沢周平(1)
本田和子(1)
本多孝好(1)
眉村卓(1)
三浦しをん(2)
ミシェルペイヴァー(1)
三島由紀夫(2)
道尾秀介(1)
宮部みゆき(1)
武者小路実篤(1)
森絵都(2)
森博嗣(2)
森見登美彦(4)
吉本ばなな(2)
山本兼一(1)
山本弘(1)
横山秀夫(1)
絵本(22)
児童文学(7)
その他(7)
アンソロジー(2)
参考書(2)
名言(41)
絵本名場面(3)
意訳シリーズ(13)
北山猛邦(1)
吉村昭(1)
村田 沙耶香(1)
中田永一(1)
<< 2017年05月 >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
タグクラウド
B. ロルンゼン 内田麟太郎 田中 奈津子 碧野圭 風野真知雄 Beauty and the Beast Boy Lornsen Disney FROZEN K. グロース lyrics Nickelback One Direction QUEEN Savin&amp;amp;#39; Me Story of My Life Taylor Swift We Will Rock You Web漫画 いまえ よしもと さくらももこ さそうあきら すばらしい新世界 ふりやなな アナと雪の女王 アンソロジー アンドリュー・クレメンツ アンドロイド エッセイ ガブリエルバンサン クレィドゥ・ザ・スカイ シドニィシェルダン ジェンシェスカ スカイ・クロラ スカイ・クロラシリーズ ダウン・ツ・ヘヴン ダール,ロアルド ティーン トミー=アンゲラー ナ・バ・テア ファンタジー フラッタ・リンツ・ライフ フランク・ロジャーズ ブレイク,クェンティン ホラー マルバーン ミシェルペイヴァー ミステリ ミステリー ミヒャエル・エンデ ヤマダ ライトノベル レインスミス ヴァレンタイン デイヴィス ヴァージニア・アイアンサイド 万葉集 三島由紀夫 上橋菜穂子 中村文則 中沢新一 中田永一 乙一 井上荒野 今野敏 伊勢物語 伊坂幸太郎 佐藤さとる 佐藤賢一 児童文学 児童書 写真 加賀乙彦 北山猛邦 南木佳士 原田マハ 参考書 吉本ばなな 吉村 昭 吉田尚令 名場面 名文 名言 味戸ケイコ 和訳 坂木司 垣根涼介 城山三郎 外国文学 大人の恋愛小説 太平洋戦争 奥田英朗 安部龍太郎 宮下 嶺夫 宮沢賢治 宮西達也 宮部みゆき 宵山 小川洋子 小松英雄 小説 山本ゆり 山本兼一 山本容子 山本弘 岡田よしたか 岩合日出子 岩瀬成子 嵐山光三郎 川端康成 幸田文 恒川 光太郎 恩田陸 意訳 扉開けて 推理小説 斎藤隆介 新古今和歌集 新聞小説 日本語訳 時代小説 有川浩 本多孝好 朱川湊人 村上勉 村田 沙耶香 東野圭吾 林明子 柿本人麻呂 梨木 香歩 森博士 森絵都 森見登美彦 横山秀夫 橋本紡 歌詞 武者小路実篤 江國香織 池井戸潤 池内紀 池澤夏樹 浅田次郎 清川あさみ 湯川豊 滝平二郎 獅子 文六 発狂するエラー 百人一首 眉村卓 短篇集 短編集 祇園祭 稲垣足穂 筒井康隆 筒井頼子 絵本 織田作之助 英文解釈 英語 荒木源 菊池寛 葉室麟 藤沢周平 角田光代 解釈 読み聞かせ 読み聞かせ(中学年) 読み聞かせ(低学年) 読み聞かせ(小学校高学年) 谷崎潤一郎 谷川俊太郎 谷村まち子 貴志祐介 辻原登 辻征夫 辻村深月 道尾 秀介 遠藤周作 重松清 野尻抱影 長谷川摂子 長野まゆみ 関川夏央 阿刀田高 青少年読書感想文全国コンクール 青柳碧人 須川邦彦 高野和明 S&Mシリーズ SF
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。