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2016年05月01日
夜のピクニック
さてと、本日はこちら
恩田陸著『夜のピクニック』
高校三年生にとっては
高校最後の行事となる
「歩行祭」
全校生徒が24時間かけて
80kmを歩くという伝統行事
が舞台となっています
辛くて辛くてたまらない
行事だから嫌だ嫌だと
思いつつ、終わってみれば
楽しかった、という
記憶しか残っていない
そんな行事も
もう最後なのだと
痛い程分かっている
三年生達
そんな三年生の
一人である甲田貴子は
仲良しの女の子と
他愛のない話で
足の痛みを
誤魔化し誤魔化し
歩きながら
密かなる「賭け」を
していました。
それってどんな?
一方で、周囲が
甲田貴子と
相思相愛
なのでは?と
噂する西脇融
やはり親友の
戸田忍とともに
歩いているのですが、
戸田や、ロックが
大好きなおちゃらけ
少年高見光一郎が
悪ノリをはじめて……?
甲田貴子と
西脇融の関係は
割と早々に
読者には
明かされるのですが
そこからが、また
いいんですね。
この二人の成長が
この物語の主題の一つ
でありましょう
この二人が心の中で
悶々と悩む描写からは
目が離せなく
なってしまいます
しかし、それ以上に
この物語、
THE 青春物語として、
楽しめ過ぎるくらい
楽しめます
偶々私の高校では
似たような行事が
あったため
余計に、もう
胸の奥をぎゅうっと
やられましたね笑
見事です。
フィクションとして
これは本当に、見事。
登場人物達が
絶妙に懐かしい
こんな子いたいた、と
なりそうな、
あー高校生って
こんな距離感だった
こんなノリだったって
胸が締め付けられそうに
なったりします笑
けれども皆
絶妙にデフォルメ
されていて
現実には
あり得ない
だから、フィクション
として抜群に
面白いという
そのさじ加減が
素晴らしい
わざとらしくないのに
ちゃんと刺激的
デフォルメされているのに
自分の経験として
体験できてしまう
そして、この
高校最後の行事を
舞台として
高校生達の、心情の
描かれ方がもう。。。
高校生に一瞬だけ
戻ったような気になります
とてつもなく切ないのですが。
終わる、ついに
高校が終わる、
終わりたくない、
けれどもしんどい、
足も痛い
体中がだるい
肩も凝ってしんどい
はやく帰りたい
けれども、帰りたくない
この感じ。
はじまるまでの
緊張と興奮が
はじまってからは
何だか拍子抜けして
なかなか最後の
行事に参加しているという
実感が持てない……
この感じ。
うわー分かる。
と何度唸ったことか。
とにかく、
リアルなんですね……
歩行祭の様子なんかも
目に浮かぶように
描かれていて
それだけでお腹一杯に
なれちゃいそう。
感情移入というよりも
過去へ本当に戻って
そこの景色を
見ているみたい
読了後の心地よさは
稀に見る程では
ないでしょうかね、これ。
いやはや、素晴らしい。
ノスタルジックに
浸りたくなったらば
とりあえず
読んでみてください
人気ブログランキングへ
恩田陸著『夜のピクニック』
高校三年生にとっては
高校最後の行事となる
「歩行祭」
全校生徒が24時間かけて
80kmを歩くという伝統行事
が舞台となっています
辛くて辛くてたまらない
行事だから嫌だ嫌だと
思いつつ、終わってみれば
楽しかった、という
記憶しか残っていない
そんな行事も
もう最後なのだと
痛い程分かっている
三年生達
そんな三年生の
一人である甲田貴子は
仲良しの女の子と
他愛のない話で
足の痛みを
誤魔化し誤魔化し
歩きながら
密かなる「賭け」を
していました。
それってどんな?
一方で、周囲が
甲田貴子と
相思相愛
なのでは?と
噂する西脇融
やはり親友の
戸田忍とともに
歩いているのですが、
戸田や、ロックが
大好きなおちゃらけ
少年高見光一郎が
悪ノリをはじめて……?
甲田貴子と
西脇融の関係は
割と早々に
読者には
明かされるのですが
そこからが、また
いいんですね。
この二人の成長が
この物語の主題の一つ
でありましょう
この二人が心の中で
悶々と悩む描写からは
目が離せなく
なってしまいます
しかし、それ以上に
この物語、
THE 青春物語として、
楽しめ過ぎるくらい
楽しめます
偶々私の高校では
似たような行事が
あったため
余計に、もう
胸の奥をぎゅうっと
やられましたね笑
見事です。
フィクションとして
これは本当に、見事。
登場人物達が
絶妙に懐かしい
こんな子いたいた、と
なりそうな、
あー高校生って
こんな距離感だった
こんなノリだったって
胸が締め付けられそうに
なったりします笑
けれども皆
絶妙にデフォルメ
されていて
現実には
あり得ない
だから、フィクション
として抜群に
面白いという
そのさじ加減が
素晴らしい
わざとらしくないのに
ちゃんと刺激的
デフォルメされているのに
自分の経験として
体験できてしまう
そして、この
高校最後の行事を
舞台として
高校生達の、心情の
描かれ方がもう。。。
高校生に一瞬だけ
戻ったような気になります
とてつもなく切ないのですが。
終わる、ついに
高校が終わる、
終わりたくない、
けれどもしんどい、
足も痛い
体中がだるい
肩も凝ってしんどい
はやく帰りたい
けれども、帰りたくない
この感じ。
はじまるまでの
緊張と興奮が
はじまってからは
何だか拍子抜けして
なかなか最後の
行事に参加しているという
実感が持てない……
この感じ。
うわー分かる。
と何度唸ったことか。
とにかく、
リアルなんですね……
歩行祭の様子なんかも
目に浮かぶように
描かれていて
それだけでお腹一杯に
なれちゃいそう。
感情移入というよりも
過去へ本当に戻って
そこの景色を
見ているみたい
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タグ:恩田陸
2015年05月20日
ネクロポリス
今日は暑いですね〜……
皆様熱中症などに
お気を付け下さいね
本日はこちらをご紹介します
恩田陸著『ネクロポリス』
舞台はヒガンに『お客さん』が帰ってくる地。
当たり前のように帰ってきた『お客さん』を受け入れる人々
そんな場所に、ごくごく普通の日本人の学生ジュンが滞在します。
ヒガンという名前から分かるように『お客さん』というのは
亡くなった方のこと。
それが、帰ってくる。文字通り、幽霊のように透ける訳でも何でもなくって
実体として存在する、それが、アナザーヒルと呼ばれる
この物語の舞台となる場所です
常識が常識でない世界で事件が次々に起こる
事件だけでなく、ジュンにとっては、もうそこでの当たり前の生活
自体が奇妙なのであり、それは読者にとっても同じ。
素晴らしいのは、この世界がかなり濃厚に、しっかりと描かれていて
読者が完全にアナザーヒルの世界へ入っていけることです
ジュンと同じように、驚愕しながら、少しずつ、その世界に慣れつつ
でもやっぱり、自分の中に巣くう常識の存在に
気づかされたりして、また新鮮に感じる。
少し奇妙だけれども、意外と愉快で楽しい、そんな生活が
はじまったかと思いきや……
その世界の住人が「こんなことは初めて!」というような現象が
次々に起こり、それは禍々しいことであるはずなのに
どこか、エンターテインメントの様相で
住人達は推理小説に対峙しているような高揚感を持ち続けている
この世界の住人達のゴシップ好きで、死を娯楽である、と考える
性格も一貫しており、これもこの物語の中では重要になってくるでしょう
ジュンや、ジュンと行動を共にするアナザーヒルの住人達も
押し寄せてくるような大量の謎に対して様々に推理をするのですが
謎が解けないうちに、新たな謎が見つかり……
やがて謎は飽和状態に笑 それでも、この世界は奇妙であることを止めない
もう、どうするの!やめて!と悲鳴をあげたくなるほど
不思議な世界は不思議なまま、どんどん話が急激に展開していく
真相のようなものが、見えるような気がするのに、見えない
ジュンはそんな状況下で、思いもよらず深くこの世界に関わることになっていきます
この物語、筋のすっきりと通った、なるほど、やられたっという
推理小説以外は駄目です、という方には向きません
一見推理小説のようですが、少し違うと思います
何しろ舞台となっている世界が、奇妙な世界であるので
トリックも何も…という面がなきにしもあらず
トリックの面白い推理小説、ではなく、
とてつもない世界に放り込まれ、理解不能な出来事に
主人公のジュンと共に翻弄される楽しみを味わう、
そんな小説と言っていいのではないでしょうか
そして、それが案外面白いんです。嫌という程翻弄してくれる物語。
あり得ない、のにあり得る気がしてくるほど
この世界の設定は綿密になされていて、
緊迫感等は妙にリアリティーがあり、
はらはらしながら、ファンタジーの世界にどっぷり浸かれます
最初少し読んで、この設定、好きだな、と感じた方は
そのまま読み進めて下さい
上・下あっという間に読み終わってしまうかと思いますよ
ファンタジーが好き、という方に特にお勧めです
人気ブログランキングへ
皆様熱中症などに
お気を付け下さいね
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恩田陸著『ネクロポリス』
舞台はヒガンに『お客さん』が帰ってくる地。
当たり前のように帰ってきた『お客さん』を受け入れる人々
そんな場所に、ごくごく普通の日本人の学生ジュンが滞在します。
ヒガンという名前から分かるように『お客さん』というのは
亡くなった方のこと。
それが、帰ってくる。文字通り、幽霊のように透ける訳でも何でもなくって
実体として存在する、それが、アナザーヒルと呼ばれる
この物語の舞台となる場所です
常識が常識でない世界で事件が次々に起こる
事件だけでなく、ジュンにとっては、もうそこでの当たり前の生活
自体が奇妙なのであり、それは読者にとっても同じ。
素晴らしいのは、この世界がかなり濃厚に、しっかりと描かれていて
読者が完全にアナザーヒルの世界へ入っていけることです
ジュンと同じように、驚愕しながら、少しずつ、その世界に慣れつつ
でもやっぱり、自分の中に巣くう常識の存在に
気づかされたりして、また新鮮に感じる。
少し奇妙だけれども、意外と愉快で楽しい、そんな生活が
はじまったかと思いきや……
その世界の住人が「こんなことは初めて!」というような現象が
次々に起こり、それは禍々しいことであるはずなのに
どこか、エンターテインメントの様相で
住人達は推理小説に対峙しているような高揚感を持ち続けている
この世界の住人達のゴシップ好きで、死を娯楽である、と考える
性格も一貫しており、これもこの物語の中では重要になってくるでしょう
ジュンや、ジュンと行動を共にするアナザーヒルの住人達も
押し寄せてくるような大量の謎に対して様々に推理をするのですが
謎が解けないうちに、新たな謎が見つかり……
やがて謎は飽和状態に笑 それでも、この世界は奇妙であることを止めない
もう、どうするの!やめて!と悲鳴をあげたくなるほど
不思議な世界は不思議なまま、どんどん話が急激に展開していく
真相のようなものが、見えるような気がするのに、見えない
ジュンはそんな状況下で、思いもよらず深くこの世界に関わることになっていきます
この物語、筋のすっきりと通った、なるほど、やられたっという
推理小説以外は駄目です、という方には向きません
一見推理小説のようですが、少し違うと思います
何しろ舞台となっている世界が、奇妙な世界であるので
トリックも何も…という面がなきにしもあらず
トリックの面白い推理小説、ではなく、
とてつもない世界に放り込まれ、理解不能な出来事に
主人公のジュンと共に翻弄される楽しみを味わう、
そんな小説と言っていいのではないでしょうか
そして、それが案外面白いんです。嫌という程翻弄してくれる物語。
あり得ない、のにあり得る気がしてくるほど
この世界の設定は綿密になされていて、
緊迫感等は妙にリアリティーがあり、
はらはらしながら、ファンタジーの世界にどっぷり浸かれます
最初少し読んで、この設定、好きだな、と感じた方は
そのまま読み進めて下さい
上・下あっという間に読み終わってしまうかと思いますよ
ファンタジーが好き、という方に特にお勧めです
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