2015年05月20日
ネクロポリス
今日は暑いですね〜……
皆様熱中症などに
お気を付け下さいね
本日はこちらをご紹介します
恩田陸著『ネクロポリス』
舞台はヒガンに『お客さん』が帰ってくる地。
当たり前のように帰ってきた『お客さん』を受け入れる人々
そんな場所に、ごくごく普通の日本人の学生ジュンが滞在します。
ヒガンという名前から分かるように『お客さん』というのは
亡くなった方のこと。
それが、帰ってくる。文字通り、幽霊のように透ける訳でも何でもなくって
実体として存在する、それが、アナザーヒルと呼ばれる
この物語の舞台となる場所です
常識が常識でない世界で事件が次々に起こる
事件だけでなく、ジュンにとっては、もうそこでの当たり前の生活
自体が奇妙なのであり、それは読者にとっても同じ。
素晴らしいのは、この世界がかなり濃厚に、しっかりと描かれていて
読者が完全にアナザーヒルの世界へ入っていけることです
ジュンと同じように、驚愕しながら、少しずつ、その世界に慣れつつ
でもやっぱり、自分の中に巣くう常識の存在に
気づかされたりして、また新鮮に感じる。
少し奇妙だけれども、意外と愉快で楽しい、そんな生活が
はじまったかと思いきや……
その世界の住人が「こんなことは初めて!」というような現象が
次々に起こり、それは禍々しいことであるはずなのに
どこか、エンターテインメントの様相で
住人達は推理小説に対峙しているような高揚感を持ち続けている
この世界の住人達のゴシップ好きで、死を娯楽である、と考える
性格も一貫しており、これもこの物語の中では重要になってくるでしょう
ジュンや、ジュンと行動を共にするアナザーヒルの住人達も
押し寄せてくるような大量の謎に対して様々に推理をするのですが
謎が解けないうちに、新たな謎が見つかり……
やがて謎は飽和状態に笑 それでも、この世界は奇妙であることを止めない
もう、どうするの!やめて!と悲鳴をあげたくなるほど
不思議な世界は不思議なまま、どんどん話が急激に展開していく
真相のようなものが、見えるような気がするのに、見えない
ジュンはそんな状況下で、思いもよらず深くこの世界に関わることになっていきます
この物語、筋のすっきりと通った、なるほど、やられたっという
推理小説以外は駄目です、という方には向きません
一見推理小説のようですが、少し違うと思います
何しろ舞台となっている世界が、奇妙な世界であるので
トリックも何も…という面がなきにしもあらず
トリックの面白い推理小説、ではなく、
とてつもない世界に放り込まれ、理解不能な出来事に
主人公のジュンと共に翻弄される楽しみを味わう、
そんな小説と言っていいのではないでしょうか
そして、それが案外面白いんです。嫌という程翻弄してくれる物語。
あり得ない、のにあり得る気がしてくるほど
この世界の設定は綿密になされていて、
緊迫感等は妙にリアリティーがあり、
はらはらしながら、ファンタジーの世界にどっぷり浸かれます
最初少し読んで、この設定、好きだな、と感じた方は
そのまま読み進めて下さい
上・下あっという間に読み終わってしまうかと思いますよ
ファンタジーが好き、という方に特にお勧めです
人気ブログランキングへ
皆様熱中症などに
お気を付け下さいね
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恩田陸著『ネクロポリス』
舞台はヒガンに『お客さん』が帰ってくる地。
当たり前のように帰ってきた『お客さん』を受け入れる人々
そんな場所に、ごくごく普通の日本人の学生ジュンが滞在します。
ヒガンという名前から分かるように『お客さん』というのは
亡くなった方のこと。
それが、帰ってくる。文字通り、幽霊のように透ける訳でも何でもなくって
実体として存在する、それが、アナザーヒルと呼ばれる
この物語の舞台となる場所です
常識が常識でない世界で事件が次々に起こる
事件だけでなく、ジュンにとっては、もうそこでの当たり前の生活
自体が奇妙なのであり、それは読者にとっても同じ。
素晴らしいのは、この世界がかなり濃厚に、しっかりと描かれていて
読者が完全にアナザーヒルの世界へ入っていけることです
ジュンと同じように、驚愕しながら、少しずつ、その世界に慣れつつ
でもやっぱり、自分の中に巣くう常識の存在に
気づかされたりして、また新鮮に感じる。
少し奇妙だけれども、意外と愉快で楽しい、そんな生活が
はじまったかと思いきや……
その世界の住人が「こんなことは初めて!」というような現象が
次々に起こり、それは禍々しいことであるはずなのに
どこか、エンターテインメントの様相で
住人達は推理小説に対峙しているような高揚感を持ち続けている
この世界の住人達のゴシップ好きで、死を娯楽である、と考える
性格も一貫しており、これもこの物語の中では重要になってくるでしょう
ジュンや、ジュンと行動を共にするアナザーヒルの住人達も
押し寄せてくるような大量の謎に対して様々に推理をするのですが
謎が解けないうちに、新たな謎が見つかり……
やがて謎は飽和状態に笑 それでも、この世界は奇妙であることを止めない
もう、どうするの!やめて!と悲鳴をあげたくなるほど
不思議な世界は不思議なまま、どんどん話が急激に展開していく
真相のようなものが、見えるような気がするのに、見えない
ジュンはそんな状況下で、思いもよらず深くこの世界に関わることになっていきます
この物語、筋のすっきりと通った、なるほど、やられたっという
推理小説以外は駄目です、という方には向きません
一見推理小説のようですが、少し違うと思います
何しろ舞台となっている世界が、奇妙な世界であるので
トリックも何も…という面がなきにしもあらず
トリックの面白い推理小説、ではなく、
とてつもない世界に放り込まれ、理解不能な出来事に
主人公のジュンと共に翻弄される楽しみを味わう、
そんな小説と言っていいのではないでしょうか
そして、それが案外面白いんです。嫌という程翻弄してくれる物語。
あり得ない、のにあり得る気がしてくるほど
この世界の設定は綿密になされていて、
緊迫感等は妙にリアリティーがあり、
はらはらしながら、ファンタジーの世界にどっぷり浸かれます
最初少し読んで、この設定、好きだな、と感じた方は
そのまま読み進めて下さい
上・下あっという間に読み終わってしまうかと思いますよ
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