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2015年09月03日

等伯


おはようございます
少し涼しくなって
きました、か……?

さて、本日は
こちらです

安部龍太郎著『等伯
等伯.png



有名な絵師
長谷川等伯の
波乱の一生を
描いた長編


畠山家から
長谷川家に
養子に出された
信春は、
養父にその
才能を見込まれ
日々絵に
精進していました


妻と子と
その幸せな風景


桜の木を
足をぶらぶら
させながら
描いていく息子の
久蔵


それを見てやる信春


しかし、それは
信春の未熟さゆえに
崩壊し、信春は
妻の静子と息子久蔵を
連れて、故郷の
七尾を出ることになります


畠山家の再興の為
手段を選ぼうとしない
兄の武之丞
没落した主君の
姫夕姫


そして、そんな彼らに
ずるずる巻き込まれて
しまう信春


正直なところ、
武之丞の、
自己中心的
(自分の主君中心的?)
な考えにはかなり
苛々とさせられますし


その為に家族を
危険にさらしていく
信春にも
腹が立ちます


信春は始終、読者を
苛々とさせるような
ところがあって


優柔不断で流されやすく
後先を考えないから
しょっちゅう重大な問題を
引き起こし、
武之丞をはじめとして
人に騙されうまく利用され
しかも、その度に
家族を危険にさらして
献身的な静子を
(本人にそのつもりはなくとも)
度々裏切るような
結果を生んでしまう。
反省したと思ったら
もう3行後では
同じ過ちを繰り返そうと
しているような、
そんな人として、成長してよ
信春さん、と言いたく
なるような一面が
あります


しかし、信春の周りの
人々が非常に
人として優れた方が
多い。


そんな方々に導かれ
彼は絵に没頭し
そうして没頭した時に
傑作を生みだします


彼は妥協の出来ない
人間です
だからこそ、実際の
生活の中で
妥協すべきところで
折れることが出来ずに
敵をつくったり
するような印象もありますが

絵のことになると
この、妥協しない、という
性分の凄まじさは
圧倒的な迫力をもって
迫ってきます


悩み、悩み、悩み抜き
時に人からは
よいですね、と言われた絵
であっても
気に入らなければ
悩み抜き、そうして
何かを悟った時には
手が勝手に動いて
数日寝ることもせず
恐ろしい程の集中力で
書き終えると、
ぷつん、と気絶する


彼は、そのような傑作を
書き上げるごとに
確かに、成長している


(半分程自業自得な
面もあるとはいえ)
辛酸を舐めに舐めた
信春が、その自分の
人生から見出すものが
見事に絵に反映
されていく


その度、彼は確かに
成長した、と思わせるのに
そのくせ、
流されてしまう、、
後先を考えられない、
という性格は直らず


だからこそ、彼の
人生はひどく波乱万丈です


そんな波乱万丈の人生を
歩む、絵がなければ
この男は一体どうしたのだろうか、
と思わせるような信春が
悲願の上洛を果たし、
ついには洛中で名を
馳せていき、
当時圧倒的勢力を
持った狩野永徳と
揉め事を起こしながらも
自分の求める
絵の境地を目指す


千利休などに
また導かれ、等白、等伯と
名前を変えつつ


そのくせ人間的には
何だか全く成長していない
ように見える、そんな
不思議な男が


深い悲しみや後悔や
悔しさ、腹立たしさを
全て知り尽くした男が、
物語の最後で
描くのは、、、


彼が傑作を描く
時にはいつも
圧倒的なその
打ち込み用に
呑み込まれて
しまうのですが


最後の、誰もが知る
あの傑作を
描くために等伯が
人生を振り返り
自分の心の奥底にある
風景を見つけ出した時
何だか涙が溢れて
きました


圧倒的な才能を
持ちながら
何か等身大な
印象もある奇妙な
絵師の物語



上下とありますが
あっという間で、
そのくせ、読み切って
しまうとその
壮大さに驚いて
しまうような
満足感のある
作品です






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