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2014年12月16日

ちょんまげぷりん

さてさて、本日ご紹介するのは
こちらら

荒木源著『ちょんまげぷりん
ちょんまげぷりん.png


お話の大まかな流れは、所謂
タイムスリップもの。

夫と離婚して、一人で仕事に家事に育児に
エネルギーを使い果たしている遊佐ひろ子の
前に現れたのは、
ちょんまげ頭に袴とに刀という
一目を引く出で立ちの男
彼は、どうやら、江戸時代から
タイムスリップしてしまった…らしい…

何やかんやとあって
その男、木島安兵衛はひろ子の家で暮らしながら
江戸へ帰る方策を探すことに……

最初は、内内のことはおなごが、と
言っていた安兵衛ですが、
恩返しの為、家事を引き受けることになります。

ひろ子は、
まだ保育園の息子友也がいる為に、
定時に帰らなくてはならなかったり
家で作業をしようとしても出来なかったり
友也に食べさせてあげられるのは
レトルトや既製品ばかり…
という生活を送っていて
仕事も家事も育児もどこか中途半端で
疲れ切っていて…
そんな印象を受けていたのですが

家事から解放され、心に余裕ができ
仕事を改めて楽しい、と感じられる程
打ち込めるようになっていきます

その一方で、めきめきと
主夫力をあげる安兵衛。
友也も安兵衛に懐き、ひろ子は
どこかで、ずっとこのままならなぁ〜
なんて思っていたのですが……

タイムスリップものは、
比較的メジャーな
テーマだと思います。

その醍醐味とも言える、
安兵衛の現代に対する
驚きやドタバタ劇も
非常に面白い。

しかし、この作品には
「仕事」について
もう少しいうと
「生きがい」について、という
かなりどっしりとした
テーマが根底にあります
これがこの作品に
深みをだしているように
思います

家事と育児の片手間で余裕が無く、仕事も
辛いものでしかなかったひろ子、
仕事にやる気を出せなかった田中、
一方で最初は、渋々といった感じだったけれども
やるとなれば何事にも全力で取り組む安兵衛。
出来ぬのは、本気でないからでござる!
と言い放ち、またそれを体言している辺り
武士ですねぇ……笑

そんな安兵衛に、ひろ子が感化されて、
ひろ子が変わると周りも変わって。

安兵衛から、ひろ子は、
現代人が失ってしまったもの、を
ひしひしと感じたりするのですが…

この物語、それでは終わらない。

さらにぐりんぐりんと、どんでん返り
一体最後までどうなるのやら……
オチは、見事!やられたっという気分で、
すっきりとした心持で読了できる
軽快な小説です。

どなたでも、きっと楽しめる。
そんな小説ですので、是非に是非に





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タグ:荒木源 小説
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