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2014年12月16日
ちょんまげぷりん
さてさて、本日ご紹介するのは
こちらら
荒木源著『ちょんまげぷりん』
お話の大まかな流れは、所謂
タイムスリップもの。
夫と離婚して、一人で仕事に家事に育児に
エネルギーを使い果たしている遊佐ひろ子の
前に現れたのは、
ちょんまげ頭に袴とに刀という
一目を引く出で立ちの男
彼は、どうやら、江戸時代から
タイムスリップしてしまった…らしい…
何やかんやとあって
その男、木島安兵衛はひろ子の家で暮らしながら
江戸へ帰る方策を探すことに……
最初は、内内のことはおなごが、と
言っていた安兵衛ですが、
恩返しの為、家事を引き受けることになります。
ひろ子は、
まだ保育園の息子友也がいる為に、
定時に帰らなくてはならなかったり
家で作業をしようとしても出来なかったり
友也に食べさせてあげられるのは
レトルトや既製品ばかり…
という生活を送っていて
仕事も家事も育児もどこか中途半端で
疲れ切っていて…
そんな印象を受けていたのですが
家事から解放され、心に余裕ができ
仕事を改めて楽しい、と感じられる程
打ち込めるようになっていきます
その一方で、めきめきと
主夫力をあげる安兵衛。
友也も安兵衛に懐き、ひろ子は
どこかで、ずっとこのままならなぁ〜
なんて思っていたのですが……
タイムスリップものは、
比較的メジャーな
テーマだと思います。
その醍醐味とも言える、
安兵衛の現代に対する
驚きやドタバタ劇も
非常に面白い。
しかし、この作品には
「仕事」について
もう少しいうと
「生きがい」について、という
かなりどっしりとした
テーマが根底にあります
これがこの作品に
深みをだしているように
思います
家事と育児の片手間で余裕が無く、仕事も
辛いものでしかなかったひろ子、
仕事にやる気を出せなかった田中、
一方で最初は、渋々といった感じだったけれども
やるとなれば何事にも全力で取り組む安兵衛。
出来ぬのは、本気でないからでござる!
と言い放ち、またそれを体言している辺り
武士ですねぇ……笑
そんな安兵衛に、ひろ子が感化されて、
ひろ子が変わると周りも変わって。
安兵衛から、ひろ子は、
現代人が失ってしまったもの、を
ひしひしと感じたりするのですが…
この物語、それでは終わらない。
さらにぐりんぐりんと、どんでん返り
一体最後までどうなるのやら……
オチは、見事!やられたっという気分で、
すっきりとした心持で読了できる
軽快な小説です。
どなたでも、きっと楽しめる。
そんな小説ですので、是非に是非に
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こちらら
荒木源著『ちょんまげぷりん』
お話の大まかな流れは、所謂
タイムスリップもの。
夫と離婚して、一人で仕事に家事に育児に
エネルギーを使い果たしている遊佐ひろ子の
前に現れたのは、
ちょんまげ頭に袴とに刀という
一目を引く出で立ちの男
彼は、どうやら、江戸時代から
タイムスリップしてしまった…らしい…
何やかんやとあって
その男、木島安兵衛はひろ子の家で暮らしながら
江戸へ帰る方策を探すことに……
最初は、内内のことはおなごが、と
言っていた安兵衛ですが、
恩返しの為、家事を引き受けることになります。
ひろ子は、
まだ保育園の息子友也がいる為に、
定時に帰らなくてはならなかったり
家で作業をしようとしても出来なかったり
友也に食べさせてあげられるのは
レトルトや既製品ばかり…
という生活を送っていて
仕事も家事も育児もどこか中途半端で
疲れ切っていて…
そんな印象を受けていたのですが
家事から解放され、心に余裕ができ
仕事を改めて楽しい、と感じられる程
打ち込めるようになっていきます
その一方で、めきめきと
主夫力をあげる安兵衛。
友也も安兵衛に懐き、ひろ子は
どこかで、ずっとこのままならなぁ〜
なんて思っていたのですが……
タイムスリップものは、
比較的メジャーな
テーマだと思います。
その醍醐味とも言える、
安兵衛の現代に対する
驚きやドタバタ劇も
非常に面白い。
しかし、この作品には
「仕事」について
もう少しいうと
「生きがい」について、という
かなりどっしりとした
テーマが根底にあります
これがこの作品に
深みをだしているように
思います
家事と育児の片手間で余裕が無く、仕事も
辛いものでしかなかったひろ子、
仕事にやる気を出せなかった田中、
一方で最初は、渋々といった感じだったけれども
やるとなれば何事にも全力で取り組む安兵衛。
出来ぬのは、本気でないからでござる!
と言い放ち、またそれを体言している辺り
武士ですねぇ……笑
そんな安兵衛に、ひろ子が感化されて、
ひろ子が変わると周りも変わって。
安兵衛から、ひろ子は、
現代人が失ってしまったもの、を
ひしひしと感じたりするのですが…
この物語、それでは終わらない。
さらにぐりんぐりんと、どんでん返り
一体最後までどうなるのやら……
オチは、見事!やられたっという気分で、
すっきりとした心持で読了できる
軽快な小説です。
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そんな小説ですので、是非に是非に
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2014年12月15日
発想力獲得食
すみません
日曜日ちょっと
寝込んでしまいました…
さてさて、本日はこちら
眉村卓著『発想力獲得食』
なかなか、見ただけで
お腹がなりそうな
インパクトのある表紙
左上にちょこんと
飛んでいるUFOが
気になりますね…
こちら「食」をテーマに
したショートショートが
30篇おさめられています
少し不思議であったり
何か分かるような気がしたり
そんな生活の中の
一場面を
切り取って、
最後にオチをつけてある
30もあるので
30篇どれもこれも
大好き!と
なる方は少ないかも
しれませんが
どの話もクオリティーが
安定していて
手堅く楽しませてくれます
どの話が好きかは
もう、好みの問題
でしょう
何か、星新一さんを
思い出すなぁ
と思っていたら
「星氏システムの実験」
というお話で
思いっきり星さんの
名前が出てきたので
ご本人、かなり
星さんを意識して
お話をつくっているのでは?
と思いました
真相は分かりませんが笑
個人的には
最初の「食ってくれ」
「有望な青年」
「親子」
「習慣の結果」
「アイスクリーム騒動」
そして最後の
「G大学で」
あたりが特に
お気に入りです
例えば
「アイスクリーム騒動」では
突然、アイスクリームが
爆発する、という
珍現象が起きるようになり
だんだんその
現象の発生が増え
マスコミその他に
取りざたされる
自説を振り回す
人々がたくさん
出てくるけれども
本当のところは
分からない
そうこうしている
うちに、
アイスクリームが
爆発する際の
共通点……
が見いだされ
その共通点ゆえに
ますます注目を浴び
「商用」に
利用されはじめる
アイスクリーム爆発……
ここまでの
アイスクリーム爆発という
不可解な事象が
起きた時の
世間の反応が
非常にリアルで
その後の展開も
最初から
予想は出来なかった
のですが
確かに、現実では
そうなるだろうなぁ
と唸らされてしまいます
一本やられた
こんな感じ
特に星新一さんが
好きな人には
お勧めできます
星さんとは
かなり世界観が
違うのですが
オチの落とし方
なんかが
どこか似ている…
気がします
やられたっ
と思いながら
どこかしみじみ出来る
作品です
ご一読下さい
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日曜日ちょっと
寝込んでしまいました…
さてさて、本日はこちら
眉村卓著『発想力獲得食』
なかなか、見ただけで
お腹がなりそうな
インパクトのある表紙
左上にちょこんと
飛んでいるUFOが
気になりますね…
こちら「食」をテーマに
したショートショートが
30篇おさめられています
少し不思議であったり
何か分かるような気がしたり
そんな生活の中の
一場面を
切り取って、
最後にオチをつけてある
30もあるので
30篇どれもこれも
大好き!と
なる方は少ないかも
しれませんが
どの話もクオリティーが
安定していて
手堅く楽しませてくれます
どの話が好きかは
もう、好みの問題
でしょう
何か、星新一さんを
思い出すなぁ
と思っていたら
「星氏システムの実験」
というお話で
思いっきり星さんの
名前が出てきたので
ご本人、かなり
星さんを意識して
お話をつくっているのでは?
と思いました
真相は分かりませんが笑
個人的には
最初の「食ってくれ」
「有望な青年」
「親子」
「習慣の結果」
「アイスクリーム騒動」
そして最後の
「G大学で」
あたりが特に
お気に入りです
例えば
「アイスクリーム騒動」では
突然、アイスクリームが
爆発する、という
珍現象が起きるようになり
だんだんその
現象の発生が増え
マスコミその他に
取りざたされる
自説を振り回す
人々がたくさん
出てくるけれども
本当のところは
分からない
そうこうしている
うちに、
アイスクリームが
爆発する際の
共通点……
が見いだされ
その共通点ゆえに
ますます注目を浴び
「商用」に
利用されはじめる
アイスクリーム爆発……
ここまでの
アイスクリーム爆発という
不可解な事象が
起きた時の
世間の反応が
非常にリアルで
その後の展開も
最初から
予想は出来なかった
のですが
確かに、現実では
そうなるだろうなぁ
と唸らされてしまいます
一本やられた
こんな感じ
特に星新一さんが
好きな人には
お勧めできます
星さんとは
かなり世界観が
違うのですが
オチの落とし方
なんかが
どこか似ている…
気がします
やられたっ
と思いながら
どこかしみじみ出来る
作品です
ご一読下さい
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タグ:眉村卓
2014年12月13日
各書名言集(小説pert14)
さてさて、名言集です
今週ちゃんとチェックして
いなかったから
溜まってしまった……
とりあえず今手元に
メモなりなんなりが
あるものから…
『凍りのクジラ』
―私の考える頭の良さというものは、
多分その人の今までの読書量と比例する。
頭の良さは様々だし、勿論この側面からだけで
簡単に測れるものではないが、
それでも私の場合はそこが大事。
私が普段遊んでいるこの子たちは
ほとんど本を読まないし、そのせいか、
全ての場面で言葉が足りない。
考え続けることに対する耐性がないのだ。
ぱっと湧いた感情に飛びついて、
それに正直に生きるだけ―
のっけからなかなか痛烈といいますか
過激な言葉で、冷静に他人を分析し、
自分のことを「少し・不在」と定義する
そんな女の子が、主人公なんです
『氷山の南』
―これは時間の旅らしい
宇宙は宇と宙だ
無方の空間と無限の時間。
心の中へ言葉が雪のように降ってくる
まずもろともにかがやく宇宙の微塵となりて
無方の空に……
ちらばろう……−
池澤さんに「雪」という
ワードを使わせると、
本当に、綺麗ですね
「言葉が雪のように降ってくる」
この言葉感覚が
羨ましい……
『疾風ロンド』
―深雪を滑る時のポイントは重心の位置だ。
いつもより後ろに置く。すると自然にスキー板の先端が上がり、
雪の中に沈むことなく、浮遊するように滑っていけるのだ。
この感覚に慣れてしまうろ、雪が降った直後には、
通常のコースを滑るのは馬鹿馬鹿しくなってしまう。
いけないことだとはわかっているが、
滑走禁止である林の中やリフト下を
攻めたい誘惑には勝てない―
スキーやったことないのですが
思わずやりたくなった、箇所笑
いや、実際に自分が滑って
こんなことにならないなんて
百も承知なんですが…
成程、スキーが上手い人って
こんな感覚なんですね
そりゃ、気持ちがいいでしょう…
寒いのに雪山に赴くのも
分かります
他の作品も、書きたいのですが
とりあえず、今回は
この3作品で……
にしても、この
読んでいるだけで
気分がよくなる文章って
すごいですよね…
今週ちゃんとチェックして
いなかったから
溜まってしまった……
とりあえず今手元に
メモなりなんなりが
あるものから…
『凍りのクジラ』
―私の考える頭の良さというものは、
多分その人の今までの読書量と比例する。
頭の良さは様々だし、勿論この側面からだけで
簡単に測れるものではないが、
それでも私の場合はそこが大事。
私が普段遊んでいるこの子たちは
ほとんど本を読まないし、そのせいか、
全ての場面で言葉が足りない。
考え続けることに対する耐性がないのだ。
ぱっと湧いた感情に飛びついて、
それに正直に生きるだけ―
のっけからなかなか痛烈といいますか
過激な言葉で、冷静に他人を分析し、
自分のことを「少し・不在」と定義する
そんな女の子が、主人公なんです
『氷山の南』
―これは時間の旅らしい
宇宙は宇と宙だ
無方の空間と無限の時間。
心の中へ言葉が雪のように降ってくる
まずもろともにかがやく宇宙の微塵となりて
無方の空に……
ちらばろう……−
池澤さんに「雪」という
ワードを使わせると、
本当に、綺麗ですね
「言葉が雪のように降ってくる」
この言葉感覚が
羨ましい……
『疾風ロンド』
―深雪を滑る時のポイントは重心の位置だ。
いつもより後ろに置く。すると自然にスキー板の先端が上がり、
雪の中に沈むことなく、浮遊するように滑っていけるのだ。
この感覚に慣れてしまうろ、雪が降った直後には、
通常のコースを滑るのは馬鹿馬鹿しくなってしまう。
いけないことだとはわかっているが、
滑走禁止である林の中やリフト下を
攻めたい誘惑には勝てない―
スキーやったことないのですが
思わずやりたくなった、箇所笑
いや、実際に自分が滑って
こんなことにならないなんて
百も承知なんですが…
成程、スキーが上手い人って
こんな感覚なんですね
そりゃ、気持ちがいいでしょう…
寒いのに雪山に赴くのも
分かります
他の作品も、書きたいのですが
とりあえず、今回は
この3作品で……
にしても、この
読んでいるだけで
気分がよくなる文章って
すごいですよね…
2014年12月12日
疾風ロンド
やーっと、やっと
明日は土曜日……!
さてさて、本日ご紹介するのは
こちら。
東野圭吾著『疾風ロンド』
紹介も何も超有名作品
じゃないか!
という反論が巻き起こり
そうですが…(・_・;)
冬なので…
いいじゃないですか…
私はスキーはてんで
駄目なんですけれども。
さて、お話の方は
いかにも不敵な感じのする男が、
スキー場のコースから外れたとおもうと
ある商品を木の下に埋めている…
そんな場面から。
彼は、この商品を持って
ある人物を脅そうとしているようです
さて、全てを計画通りに終了し、
彼は満面の笑みをうかべんばかりに戻って行く……
この男と、脅される側の戦いがはじま……
る、かと思いきや。
予想外の方向へ話は急展開。
男が木の下に埋めていたのは、
泰鵬大学医科学研究所から盗んだ
新型病原菌「K-55」でした
盗み出した男葛原 克也は、
元研究員でしたが
自分に対する処置に不満を持ち
所長東郷 雅臣を脅す為に、
上記のような行動をとったのです
「K−55」は、非常に感染力が強く
致死率の高いウイルスで、
なおかつワクチンが
この世に存在しないという危険な代物
木の下に埋められている
「K-55」を入れてある入れ物は
温度が一定以上になると破損してしまう。
手がかりは、その埋めた木に
つるされた探知機の入ったテディベア
そして、葛原 克也が、
出来る限り周りの風景を入れないように
注意しながら撮った写真が数枚
つまり、そのほとんど
手がかり要素のない写真から
スキー場をわりだし、
後は探知機が光るところを
探して動き回るしか、ないのですが…
探知機の電池は一週間しか持たない。
正直かなり絶望的な状況で
警察なりに捜索願を
出すべきレベルなんですが
法を犯してつくってしまった
「K-55」の存在を
知られたくない東郷 雅臣は、
警察に通報するということをせず
研究主任の栗林 和幸に、探してこい!と
無理難題をつきつけ、
まともにスキーの滑れない
少しぬけた所のある栗林が、
スキーが好きな息子の助けを
借りつつ、「K−55」探しに大奮闘
しかし、普通にスキーが
滑れぬ栗林のような初心者が
コースから外れて
滑れる訳もなく、
身動きが取れなくなったり
あえなくパトロール隊員に見つかったり…
一度ならず二度までも
コースを外れた所を
見つかって、さすがに
パトロール隊員に尋問された
栗林は、思い切ってある策に出ます…
ひやひや、どきどき。
スキーが得意な人々が
まさに雪の上を
駆けまわる、というか
ほぼ飛んでいるんじゃ
ないかという
疾走感。
疾風ロンドですからね…
我儘で横柄で
威張り散らしている東郷 雅臣
そんな東郷に、内心悪態を
つきつつ命令に従わざるをえない栗林
若さゆえに、真っ直ぐで
少し不器用な栗林の息子、秀人
いざという時、頼りになる男
パトロール隊員根津や、
スノーボードをする自分に
不安を抱き始めた
スノーボード選手、瀬利
雪山を自由に滑りまわる
地元の子ども達
そして、「K−55」を狙うとある人物
様々なキャラクターが
複雑に絡み合いながら
物語は進行していき、
最後の最後まで本当に、
ひやひや
個人的な感想ですが、
何となく東野さんの他の作品と
雰囲気が違うように感じました。
どこが、を言うと少々ネタバレになってしまうので
言えないのですが、何というか、
他のものより、人間らしい。
誰が、を言うとこれまた
ネタバレになってしまいそう笑
栗林がかなり愚鈍で、
そのせいで本当に
肝が冷えるのですが、
しかし、文句なしに面白い作品です!
まだ読んでいなかった!
しまった!
という方は、折角ですし
是非是非、読んでくださいね
人気ブログランキングへ
明日は土曜日……!
さてさて、本日ご紹介するのは
こちら。
東野圭吾著『疾風ロンド』
紹介も何も超有名作品
じゃないか!
という反論が巻き起こり
そうですが…(・_・;)
冬なので…
いいじゃないですか…
私はスキーはてんで
駄目なんですけれども。
さて、お話の方は
いかにも不敵な感じのする男が、
スキー場のコースから外れたとおもうと
ある商品を木の下に埋めている…
そんな場面から。
彼は、この商品を持って
ある人物を脅そうとしているようです
さて、全てを計画通りに終了し、
彼は満面の笑みをうかべんばかりに戻って行く……
この男と、脅される側の戦いがはじま……
る、かと思いきや。
予想外の方向へ話は急展開。
男が木の下に埋めていたのは、
泰鵬大学医科学研究所から盗んだ
新型病原菌「K-55」でした
盗み出した男葛原 克也は、
元研究員でしたが
自分に対する処置に不満を持ち
所長東郷 雅臣を脅す為に、
上記のような行動をとったのです
「K−55」は、非常に感染力が強く
致死率の高いウイルスで、
なおかつワクチンが
この世に存在しないという危険な代物
木の下に埋められている
「K-55」を入れてある入れ物は
温度が一定以上になると破損してしまう。
手がかりは、その埋めた木に
つるされた探知機の入ったテディベア
そして、葛原 克也が、
出来る限り周りの風景を入れないように
注意しながら撮った写真が数枚
つまり、そのほとんど
手がかり要素のない写真から
スキー場をわりだし、
後は探知機が光るところを
探して動き回るしか、ないのですが…
探知機の電池は一週間しか持たない。
正直かなり絶望的な状況で
警察なりに捜索願を
出すべきレベルなんですが
法を犯してつくってしまった
「K-55」の存在を
知られたくない東郷 雅臣は、
警察に通報するということをせず
研究主任の栗林 和幸に、探してこい!と
無理難題をつきつけ、
まともにスキーの滑れない
少しぬけた所のある栗林が、
スキーが好きな息子の助けを
借りつつ、「K−55」探しに大奮闘
しかし、普通にスキーが
滑れぬ栗林のような初心者が
コースから外れて
滑れる訳もなく、
身動きが取れなくなったり
あえなくパトロール隊員に見つかったり…
一度ならず二度までも
コースを外れた所を
見つかって、さすがに
パトロール隊員に尋問された
栗林は、思い切ってある策に出ます…
ひやひや、どきどき。
スキーが得意な人々が
まさに雪の上を
駆けまわる、というか
ほぼ飛んでいるんじゃ
ないかという
疾走感。
疾風ロンドですからね…
我儘で横柄で
威張り散らしている東郷 雅臣
そんな東郷に、内心悪態を
つきつつ命令に従わざるをえない栗林
若さゆえに、真っ直ぐで
少し不器用な栗林の息子、秀人
いざという時、頼りになる男
パトロール隊員根津や、
スノーボードをする自分に
不安を抱き始めた
スノーボード選手、瀬利
雪山を自由に滑りまわる
地元の子ども達
そして、「K−55」を狙うとある人物
様々なキャラクターが
複雑に絡み合いながら
物語は進行していき、
最後の最後まで本当に、
ひやひや
個人的な感想ですが、
何となく東野さんの他の作品と
雰囲気が違うように感じました。
どこが、を言うと少々ネタバレになってしまうので
言えないのですが、何というか、
他のものより、人間らしい。
誰が、を言うとこれまた
ネタバレになってしまいそう笑
栗林がかなり愚鈍で、
そのせいで本当に
肝が冷えるのですが、
しかし、文句なしに面白い作品です!
まだ読んでいなかった!
しまった!
という方は、折角ですし
是非是非、読んでくださいね
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2014年12月11日
氷山の南
さてさて、
本日ご紹介するのはこちら
池澤夏樹著『氷山の南』
物語は、主人公のジン・カイザワが
南極海の氷山曳航を計画する
シンディバード号にオーストラリアから密航する
ところから、はじまります
つまり、南極の氷山を
ひっぱって、港まで持って来よう
そうして、人類の水分補給と
しよう、そんな作戦
この、壮大な計画に
勿論、専門家が沢山
集められた舟
それに、こっそり乗り込む。
もちろん、見つかる
しかし、結局
ジンはそのまま航海を
許してもらうことになる
そうして、南極の氷山目指しての
航海がはじまります
舟に乗っている人々は
それぞれいろんな人種で
いろんな宗教を信じていて
それで、それぞれ
とても確固として
哲学を持っている
そんな人々が
認め合いながら
時にやっぱり反発しながら
舟が進む
おもわず、ほう、
とため息の漏れるような
お話をしてくれたり
ジンは乗組員の手伝いと
ともに、船上新聞を
つくることになったから
いろんな人の話を聞ける
彼は、彼で、
アイヌの人間なので
彼なりのやはり
信仰というか、哲学が
あって、
人々の話を
自分の哲学と
重ね合わせながら
お話を聞いたりして
そんな中、作戦の方は
また、なかなか大変
絶対に割れないような
氷山を、特別な袋に
すっぽり入れて、
持って帰る。
袋が破れたら
駄目になってしまうから
細心の注意を
払わなくっちゃいけない
これ!という
素敵な氷山を
見つけなくっちゃいけない
ジンは、また途中で
アボリジニの少年と
友達になって
この少年がすごく素敵
一方で、南極の氷を
持ち帰ることに
反対な環境保護団体も
いるんですね
アイシストといって
氷を信仰している
氷を神聖なものと
考え、だから
シンディバード号の
計画は気に入らない
ちょくちょく、あちらから
横やりが入ったりする……
しかし、一向は無事、
氷山を見つけ…
目の前にある
大きな大きな氷山
表紙のように
まだ18歳のジン。
この航海が彼をどう
大人にしていくのか
壮大なスケールの
わくわくする物語で
ありながら
ただ、任務を完了すれば!
という簡単な話でもなくて
本当に、複雑。
様々な考えの人が
いっぺんに集まって
ジンは、アイヌの
ルーツを常に
強く意識していて
アボリジニの少年は
何か、私達には
分からないものが
分かっていて。
池澤夏樹さんの
本の中でも
これは、読みやすい
と思います
文体はいつも通り
静かですが
物語がかなり
(池澤さんにしては?)
起伏に富んでいて
わくわく感があって
池澤夏樹さん、
何かちょっと
近づきがたいイメージが…
なんて方には
とりあえず
まずは、こちらを……
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*..感謝の言葉...*
本日ご紹介するのはこちら
池澤夏樹著『氷山の南』
物語は、主人公のジン・カイザワが
南極海の氷山曳航を計画する
シンディバード号にオーストラリアから密航する
ところから、はじまります
つまり、南極の氷山を
ひっぱって、港まで持って来よう
そうして、人類の水分補給と
しよう、そんな作戦
この、壮大な計画に
勿論、専門家が沢山
集められた舟
それに、こっそり乗り込む。
もちろん、見つかる
しかし、結局
ジンはそのまま航海を
許してもらうことになる
そうして、南極の氷山目指しての
航海がはじまります
舟に乗っている人々は
それぞれいろんな人種で
いろんな宗教を信じていて
それで、それぞれ
とても確固として
哲学を持っている
そんな人々が
認め合いながら
時にやっぱり反発しながら
舟が進む
おもわず、ほう、
とため息の漏れるような
お話をしてくれたり
ジンは乗組員の手伝いと
ともに、船上新聞を
つくることになったから
いろんな人の話を聞ける
彼は、彼で、
アイヌの人間なので
彼なりのやはり
信仰というか、哲学が
あって、
人々の話を
自分の哲学と
重ね合わせながら
お話を聞いたりして
そんな中、作戦の方は
また、なかなか大変
絶対に割れないような
氷山を、特別な袋に
すっぽり入れて、
持って帰る。
袋が破れたら
駄目になってしまうから
細心の注意を
払わなくっちゃいけない
これ!という
素敵な氷山を
見つけなくっちゃいけない
ジンは、また途中で
アボリジニの少年と
友達になって
この少年がすごく素敵
一方で、南極の氷を
持ち帰ることに
反対な環境保護団体も
いるんですね
アイシストといって
氷を信仰している
氷を神聖なものと
考え、だから
シンディバード号の
計画は気に入らない
ちょくちょく、あちらから
横やりが入ったりする……
しかし、一向は無事、
氷山を見つけ…
目の前にある
大きな大きな氷山
表紙のように
まだ18歳のジン。
この航海が彼をどう
大人にしていくのか
壮大なスケールの
わくわくする物語で
ありながら
ただ、任務を完了すれば!
という簡単な話でもなくて
本当に、複雑。
様々な考えの人が
いっぺんに集まって
ジンは、アイヌの
ルーツを常に
強く意識していて
アボリジニの少年は
何か、私達には
分からないものが
分かっていて。
池澤夏樹さんの
本の中でも
これは、読みやすい
と思います
文体はいつも通り
静かですが
物語がかなり
(池澤さんにしては?)
起伏に富んでいて
わくわく感があって
池澤夏樹さん、
何かちょっと
近づきがたいイメージが…
なんて方には
とりあえず
まずは、こちらを……
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*..感謝の言葉...*
2014年12月10日
真夜中の料理人
さてさて、本日は
ちょっとブラックなお話かも
しれませんね
阿刀田高著『真夜中の料理人』
短編集になっていますが
どれもこれも、
結構、ブラック。
やたらめったに現実感があって
もしかして、私も
この主人公のように
なることが、あるかもしれない…
なんて思ってしまうような
リアル感
あまりに浮気のたえない
夫に憎悪の念を燃やす妻
田舎へ出向いた
料理批評家を襲った不幸
お見合い話を断っている
うちに結婚の相手が
なくなってしまった娘
かつて好きだった女性の
表の姿、本当の姿
妻の親友との不倫関係
等々……
うわあ、ゾクリ
ひたひたと怖い
けれども何だか
気になってしまう
そんな作品たち。
表題の
『真夜中の料理人』
は、都会育ちの妻と
田舎育ちの夫の
すれ違い…というか対立
肉の好きな妻
魚の好きな夫
あんたの友達は皆下品で
本当に嫌になっちゃう
とキンキン言われて
しかし、口では勝てずに
ぐう、と怒りを
抑え込んでいる夫
お互いに、
こんな人と一緒になって
ずいぶんと外れくじを
引いたんじゃないか、
と、そんなことまで
思いはじめている
冷戦状態
そんな折、
夫の友達から
鮭が送られてくる
頭がついたままの
立派な鮭
しかし、妻は
勿論、良い顔をしない
夫の方は、
優しかった母親を
思い出したりしながら
意地になって
魚をさばこうとする
しかし、魚臭くなるから
キッチンはだめ
お風呂なんてヤメテ!
妻と口げんかをしながら
あまりに理解の無い
妻に、悲しい、本当に
悲しい、と夫
こういう、しみじみした
といいますか
極限状態の悲しさ
自嘲・罪悪感
の描き方が
本当に、上手い…
ここまで激しい気持ちに
実生活の中では
幸いになったことは
ないのですが
何だか、真に迫って
訴えかけてきます
そして、何よりも
うまいのが…
殺意。
激しい殺意もあれば
ぶすぶすとくすぶらせて
さらっと笑いながら
殺してしまうような
そんな殺意まで
いやはや、身震いする
気分です
しかしですね、
偶にはこういう作品で
毒抜きというのも
悪くないんじゃないでしょうか
ねえ?
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*..管理人による雑記...*
2014年12月09日
竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本
さてさて、本日は
こんなものを
竹岡広信著
『英作文が面白いほど書ける本』
英作文が出る大学を
受験される受験生には
とりあえず、いの一番には
こちらをおすすめ
したいですね〜……
ちょっと大変、
かもしれませんが
例文と、練習問題文と
あと、ちょっと
コラムのように
まとめられている
イディオムを含んだ文
最後のとんでも長文は
無理でも
まぁ、ほとんど大体覚えれば
普通の英作文も
自由英作文も
こわくなかったです
今はもう、ほとんど
忘れてしまいましたが…
すごいですよね、
受験で出る
英作文のパターンは
おそらく全て網羅
こういうことを書こうと
すると、こう間違えて
しまうことが多い!
という解説とともに
解答例も2つ3つ
のせてくれていて
受験最後の時期に
よし、ちょいと
他のものも
力試しのつもりで
やってみるか、
とわりと本屋さんで
前にばーん
と置かれていた
英作文の参考書を
買ってやってみたら
こちらの参考書と
あんまり
解説の丁寧さが
違ってびっくりしました
まずは、これから
入れば間違いないのでは
ないでしょうか…
言葉はちょっと
鋭めな時もありますが
へこたれず
ここの表現全部覚えて
(こっちが大変)
後は、難しい日本語を
覚えている
フレーズに置き換える
練習を積めば
(こっちはそこそこ)
英作文の点数は
あっさり安定してくれます
いや、これ全部
覚えるとか無理ーっ
と思われるかも
しれませんが
しかし、単語帳の
単語を全て
パーフェクトに
使いこなせる
程覚えているかと
言われればギクッ
文法は全て
バッチリかと
言われれば
ギクッ
しちゃいませんか?
単語全てパーフェクトマスター
あーんど
文法事項全てマスター
に比べれば…
読めなくても
「書ける」ように
しといた方が良い表現の
ストックを
ためておくことは
やっぱり必要だと
思います
そんな時に
やはり解説が丁寧
なのは、安心
丸暗記じゃなくて
理解とともに
覚えられるので…
安定してくれる
分野があると
違いますからね…
ではでは
このへんで…
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*..管理人による雑記...*
こんなものを
竹岡広信著
『英作文が面白いほど書ける本』
英作文が出る大学を
受験される受験生には
とりあえず、いの一番には
こちらをおすすめ
したいですね〜……
ちょっと大変、
かもしれませんが
例文と、練習問題文と
あと、ちょっと
コラムのように
まとめられている
イディオムを含んだ文
最後のとんでも長文は
無理でも
まぁ、ほとんど大体覚えれば
普通の英作文も
自由英作文も
こわくなかったです
今はもう、ほとんど
忘れてしまいましたが…
すごいですよね、
受験で出る
英作文のパターンは
おそらく全て網羅
こういうことを書こうと
すると、こう間違えて
しまうことが多い!
という解説とともに
解答例も2つ3つ
のせてくれていて
受験最後の時期に
よし、ちょいと
他のものも
力試しのつもりで
やってみるか、
とわりと本屋さんで
前にばーん
と置かれていた
英作文の参考書を
買ってやってみたら
こちらの参考書と
あんまり
解説の丁寧さが
違ってびっくりしました
まずは、これから
入れば間違いないのでは
ないでしょうか…
言葉はちょっと
鋭めな時もありますが
へこたれず
ここの表現全部覚えて
(こっちが大変)
後は、難しい日本語を
覚えている
フレーズに置き換える
練習を積めば
(こっちはそこそこ)
英作文の点数は
あっさり安定してくれます
いや、これ全部
覚えるとか無理ーっ
と思われるかも
しれませんが
しかし、単語帳の
単語を全て
パーフェクトに
使いこなせる
程覚えているかと
言われればギクッ
文法は全て
バッチリかと
言われれば
ギクッ
しちゃいませんか?
単語全てパーフェクトマスター
あーんど
文法事項全てマスター
に比べれば…
読めなくても
「書ける」ように
しといた方が良い表現の
ストックを
ためておくことは
やっぱり必要だと
思います
そんな時に
やはり解説が丁寧
なのは、安心
丸暗記じゃなくて
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覚えられるので…
安定してくれる
分野があると
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タグ:参考書
2014年12月08日
真夜中の五分前side-A
さてさて、本日ご紹介するのは
こちら。
本多孝好著『真夜中の五分前side-A』
平凡な両親の間に生まれた一人っ子。
ちょっとだけ努力して見の丈より少しマシな大学に入り、
そのおかげで、大して努力しないで身の丈に合った今の会社に
入れた……
そう話す、「僕」
世界に冷めている、そんな印象を受ける
少し、変わった、小説内の言葉を借りれば、
少し、ずれた存在。
ちなみに、言葉遣いが洒落ていて、
結構、「僕」と誰かとの対話は、読んでいて楽しいです
僕の語り口調で物語は進むので、
全体的に、文体がなかなかお洒落というか、
良い雰囲気。これだけでも十分ごちそうさま。と
思えるほど笑
「僕」は6年前に、交通事故で亡くなった恋人がいます
その水穂という女性は、お得じゃない?と言いながら
時計をわざと5分、遅らせていました
「僕」が、そんなずれた存在になったのは
おそらく前述の事件のせいなのですが、
「僕」は水穂さんを、亡くしたから、失ったから、
だから「ひどい状態」に陥った訳ではなく
あまりに自分を客観視出来てしまう
「僕」故の混乱が、ありました。
そして、その混乱は、なお「僕」に暗い影を落としている
何となく、その陰が作品全体に漂っているんですね
そんな折、一卵性双生児のかすみと出会う。
かすみと少しずつ打ち解けながら、
「僕」はかすみの秘密に気付いてしまう。
かすみが、長い長い嘘に疲れていることに……
そして、そんなかすみを、僕はひどいが有効な慰め方で
慰めていきながら、かすみとゆるゆると、礼儀正しく
表面上付き合い、そうしながら、僕は僕で苦悶している
かすみのどうしようもない苦しさ
僕のどうしようもない喪失感
かすみは、僕のことなんて見ていないし
僕はあくまでかすみと深い付き合いになろうとはしない
二人は最終的にどういうところへ落ち着くのかが
最後まで分からない
恋愛小説、なのかもしれませんが、
その色がかなり薄いですね
それよりも、この僕やかすみの葛藤というか
心情変化の方がとても、重い
何度も何度もある張りつめた緊張感
そんなものを何とか乗り越えているうちに
気づけばクライマックスがきてしまう
思わず息をつめる。
ここの、僕の言葉と、かすみとのやりとりは本当に
息をつめてしまいます。
最後はぞくり、鳥肌。
そんな、物語です
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こちら。
本多孝好著『真夜中の五分前side-A』
平凡な両親の間に生まれた一人っ子。
ちょっとだけ努力して見の丈より少しマシな大学に入り、
そのおかげで、大して努力しないで身の丈に合った今の会社に
入れた……
そう話す、「僕」
世界に冷めている、そんな印象を受ける
少し、変わった、小説内の言葉を借りれば、
少し、ずれた存在。
ちなみに、言葉遣いが洒落ていて、
結構、「僕」と誰かとの対話は、読んでいて楽しいです
僕の語り口調で物語は進むので、
全体的に、文体がなかなかお洒落というか、
良い雰囲気。これだけでも十分ごちそうさま。と
思えるほど笑
「僕」は6年前に、交通事故で亡くなった恋人がいます
その水穂という女性は、お得じゃない?と言いながら
時計をわざと5分、遅らせていました
「僕」が、そんなずれた存在になったのは
おそらく前述の事件のせいなのですが、
「僕」は水穂さんを、亡くしたから、失ったから、
だから「ひどい状態」に陥った訳ではなく
あまりに自分を客観視出来てしまう
「僕」故の混乱が、ありました。
そして、その混乱は、なお「僕」に暗い影を落としている
何となく、その陰が作品全体に漂っているんですね
そんな折、一卵性双生児のかすみと出会う。
かすみと少しずつ打ち解けながら、
「僕」はかすみの秘密に気付いてしまう。
かすみが、長い長い嘘に疲れていることに……
そして、そんなかすみを、僕はひどいが有効な慰め方で
慰めていきながら、かすみとゆるゆると、礼儀正しく
表面上付き合い、そうしながら、僕は僕で苦悶している
かすみのどうしようもない苦しさ
僕のどうしようもない喪失感
かすみは、僕のことなんて見ていないし
僕はあくまでかすみと深い付き合いになろうとはしない
二人は最終的にどういうところへ落ち着くのかが
最後まで分からない
恋愛小説、なのかもしれませんが、
その色がかなり薄いですね
それよりも、この僕やかすみの葛藤というか
心情変化の方がとても、重い
何度も何度もある張りつめた緊張感
そんなものを何とか乗り越えているうちに
気づけばクライマックスがきてしまう
思わず息をつめる。
ここの、僕の言葉と、かすみとのやりとりは本当に
息をつめてしまいます。
最後はぞくり、鳥肌。
そんな、物語です
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真夜中の五分前―five minutes to tomorrow〈side‐A〉 (新潮文庫) 新品価格 |
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2014年12月07日
おまえうまそうだな
今日も、寒い……
最近これしか言ってませんね笑
久しぶり、本当に久しぶりに
2冊目、いっちゃいます!
まだ、お昼前ですしね〜
宮西達也作・絵『おまえうまそうだな』
どちらかというと
コミカルなタッチの絵ですが
お話は、なかなか、
深い!
けれども、深いお話は
読み聞かせにちょっと
向かないというか、
小学生の反応が
悪いこともあるのですが
このコミカルな絵
それに、大きな恐竜の
慌て具合
赤ちゃん恐竜の
無垢さ
2匹の絡み
ここらへんが
面白いので、
食いつきは良いと
思われます笑
お話は、この大きな恐竜
ティラノサウルスが
赤ちゃん恐竜を
見つけて、にやり
「おまえうまそうだな」
そう言って、さぁ
赤ちゃんに飛びかかろうと
したその時!
赤ちゃん恐竜は
目をきらきらさせて
「わーっお父さん!」
なんで、と目を白黒させる
ティラノサウルスに
「だって、僕の名前を
知っているんだもの
僕の名前、
「うまそう」っていうんだね!」
え、ちょ、ちが…
とあたふたするティラノサウルスに
構わず懐きまくる
赤ちゃん恐竜
結局、赤ちゃん恐竜を
大きな恐竜は
育てていくことに……
赤ちゃん恐竜は
はやくお父さんみたいに
なりたいな!
と純粋に
お父さん大好き!
そんな赤ちゃんに
ティラノサウルスは
様々なことを
教えてあげていくのですが
ティラノサウルスは
アンキロサウルスである
赤ちゃん恐竜の
一番の幸せを
多分、考えはじめたんだと
思います
ティラノサウルスは
だからこそ、
最後に涙をのんで
アンキロサウルスの
赤ちゃんに、
「サヨナラ」
を言うのですが…
赤ちゃんは勿論
嫌だ!
と涙をぽろぽろ
それならば、
と、ティラノサウルスが
出した答えは…
ティラノサウルスは
何となく
ちょっと不器用で
でも、赤ちゃん恐竜のことを
思っていて
赤ちゃんの無垢さ以上に
ティラノサウルスの
優しさが、泣けます……
種族の違う赤ちゃんを
育てて、
いつまでも仲良く
暮らしました、と
安直に終わっていないところも
なかなか、深い。
逆にそうして
安直に終われないからこそ
ティラノサウルスの
気持ちを考えて
心にぐっときてしまいます
普通に、大人が
読んでも心が
あったかくなります
素敵な絵本です
是非、一度
手に取ってみて下さい
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凍りのくじら
本日ご紹介するのは、こちらです
『凍りのくじら』
辻村深月さんらしい、
人の心の温かさを感じさせる作品です。
主人公理帆子は
高校生ながらも、
どこか達観してしまっていて、
それが特に人間関係に
顕著に表れています。
くっつきすぎず、
離れすぎもせず……
自分の事を『少し・不在』と評価し
非常に冷めた印象。
冷めすぎていて空恐ろしい程ですが
それにはちゃんと理由があるため、
何とも切ないのです……
読者は理帆子に感情移入…
なかなか、特に最初は
出来ないのでは?と思います
彼女はかなり、考え方が特殊
ではないでしょうか
特殊というか、
分かっていてもなかなか
そこまで割り切れないよね、
という感じでしょうか
それでも、非常に脆い印象を
受ける理帆子に引き込まれてしまいます。
無理をしているのが分かるというか、
本人はそういうつもりではないのでしょうが…。
物語が進んでいくにつれ、
理帆子にとってみれば、
非常に重要で、
大きな出来事が起こっていきます。
様々な出来事が起き、
理帆子が少しずつ、
人間らしくなっていく
いや、人間らしくないというと
少しおかしいのですが
やはり、何となく
ほっとするような理帆子に
変わっていくんです
その過程に読者は
安心していくの……で、す、が。
何となーく……
これは、何かあるな、
何かあるな、
ここまでは読者に
思わせておいて
そうして、見事に
ひっくり返してくれます
ラストは、圧巻。
辻村さんだからこその
あの言葉の
浸透しぐあいでは
ないでしょうか…
優しい。
とにかく、優しさに満ち溢れた
作品だと思います。
光のように、
包んでくれる優しさ……
ちなみに、理帆子が
ドラえもん大好きっ子なため、
懐かしい秘密道具の名前が
ぽんぽん出てきます。
知っているのが出てくると
ちょっと嬉しい。
ここも、楽しみ所では
ないかと思いますよ
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『凍りのくじら』
辻村深月さんらしい、
人の心の温かさを感じさせる作品です。
主人公理帆子は
高校生ながらも、
どこか達観してしまっていて、
それが特に人間関係に
顕著に表れています。
くっつきすぎず、
離れすぎもせず……
自分の事を『少し・不在』と評価し
非常に冷めた印象。
冷めすぎていて空恐ろしい程ですが
それにはちゃんと理由があるため、
何とも切ないのです……
読者は理帆子に感情移入…
なかなか、特に最初は
出来ないのでは?と思います
彼女はかなり、考え方が特殊
ではないでしょうか
特殊というか、
分かっていてもなかなか
そこまで割り切れないよね、
という感じでしょうか
それでも、非常に脆い印象を
受ける理帆子に引き込まれてしまいます。
無理をしているのが分かるというか、
本人はそういうつもりではないのでしょうが…。
物語が進んでいくにつれ、
理帆子にとってみれば、
非常に重要で、
大きな出来事が起こっていきます。
様々な出来事が起き、
理帆子が少しずつ、
人間らしくなっていく
いや、人間らしくないというと
少しおかしいのですが
やはり、何となく
ほっとするような理帆子に
変わっていくんです
その過程に読者は
安心していくの……で、す、が。
何となーく……
これは、何かあるな、
何かあるな、
ここまでは読者に
思わせておいて
そうして、見事に
ひっくり返してくれます
ラストは、圧巻。
辻村さんだからこその
あの言葉の
浸透しぐあいでは
ないでしょうか…
優しい。
とにかく、優しさに満ち溢れた
作品だと思います。
光のように、
包んでくれる優しさ……
ちなみに、理帆子が
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