2017年06月12日

柘榴坂の仇討 現場巡り

映画「柘榴坂の仇討」に感動し、その現場を訪問した記録です。最近流行りの「聖地巡礼」?なんかちょっと違う気がしますが、城跡巡りと同じで実感が欲しくなり、数年かけて気になる場所を訪ねました。城跡巡り中心のブログですが、こんなこともやっています。

<現在の柘榴坂>ざくろざか
ZAKUROZAKA ADAUCHI (2).jpg
柘榴坂.東京都港区高輪の坂。品川駅からすぐ傍です。坂を下りきると品川駅に出ます。

桜田門外の変
江戸城桜田門外にて、大老井伊直弼が元水戸藩らにより暗殺された事件。説明不要ですね。ただ、日本が開国へと向かう葛藤の中で起きた事件ということは、映画の中でも重く扱われています。1860年3月24日(安政7年3月3日)の早朝。季節外れの雪でした。

柘榴坂の仇討
主君を守れなかった事を心から悔いながら、切腹することも許されず仇を討つことを命じられた主人公が、江戸から明治という時代の変化に翻弄されながら、最後の最後に仇と対峙する姿を描いた作品。ネタバレを避けるとこんな大ざっぱ説明になります。やや地味なテーマですが、武士の頑なさに目頭が熱くなりました。

<映画館で撮影>
ZAKUROZAKA ADAUCHI (3).jpg
原作は浅田次郎さんの短編小説(かなり短い小説でした)。短編集『五郎治殿御始末』(ごろうじどのおしまつ)に収められています。背景となっている史実は「桜田門外の変」なので、当然以下の方が登場します。

1 井伊直弼(彦根藩主・大老)
2 井伊家にお仕えする皆様
3 水戸藩士(井伊直弼を襲撃)

直弼役は中村吉右衛門さん
井伊直弼は描き方によってはヒール役にもなったりしますが、この映画では人望のある藩主。重厚さがあり、品も優しさもあります。大老としての職務が原因で命を狙われるわけですが、尊敬される藩主というところがポイントです。

主役の中井貴一さん
2のグループです。仇敵を追い続ける彦根藩士ですね(志村金吾)。元々は下級武士だったのですが、剣術の腕を認められて藩主の傍に仕える立場に。「桜田門外の変」の時には、藩主の籠を警護する籠番(まぁSPのような役割)でしたが、襲撃の混乱の中で敵を追いかけて籠を離れてしまい、戻った時には主君は既に討たれていました。ここから苦悩が始まります。

<彦根藩の上屋敷跡>
ZAKUROZAKA ADAUCHI (7).jpg
[千代田区永田町] 
大老の井伊直弼は、事件当日もここから桜田門へ向かいました。

準主役の阿部寛さん
3のグループです。井伊直弼を襲撃する水戸浪士の一人(佐橋十兵衛)。襲撃の際に中井貴一さんが追いかけてしまった相手です。私はこの映画、敵役である阿部寛さんの方に涙しました。ですから、主役は二人と思っています。

<愛宕神社>
OTOKOZAKA.jpg
襲撃を前に元水戸藩士たちが必勝を祈願した愛宕神社の石段(男坂)。標高25m程度ですが、天然の山としては東京23区内最高峰の山です。

<神社のある愛宕山>
ZAKUROZAKA ADAUCHI (1).jpg
[港区愛宕]
この愛宕山に待機した後に、桜田門へ向かったとされています。


現場確認

<屋敷跡から見た江戸城桜田門>
ZAKUROZAKA ADAUCHI (6).jpg
肉眼で良く見えています。屋敷から桜田門までは数百メール?でしょうか。さすがは幕府の名門。凄い場所に上屋敷がありますね。井伊直弼は、こんな短い距離を大勢に警護されながら移動する途上で、少数の元水戸藩士らに討たれてしまったわけですね。当日は雪。そのため視界が悪く、更に護衛の者達は雨合羽を羽織って動きが悪い上に、刀に袋をかけていたため対応が遅れたとされています。

苦悩の十三年
「桜田門外の変」から13年が過ぎ、既に明治6年。世の中には藩も武士も存在しません。それでも自分の使命を果たすべく、武士の姿のまま仇を探し続ける男。そして襲撃に加わった水戸浪士たちが次々に世を去るなか、たった一人だけ生き残り、人力車夫として暮らしている男。明治政府が敵討禁止令を発布したその日、二人は柘榴坂で対峙することになります。

<豪徳寺>ごうとくじ
gotoku (3).jpg
[世田谷区豪徳寺]
井伊直弼の墓がある豪徳寺です。

一騎討ちとなりますが、元水戸藩士の男は自分を討つように願い出ます。追われる側にも国を思う気持ち、そして孤独や後悔があることを知るに至り、追って来た男は主君・井伊直弼の言葉を思い出します。

命懸けで国を想う者を無下にするな

主君の仇を討つためだけの人生はここで終わりました

もっと内容を書きたいです!私が映画館で思わず涙してしまったシーンはこの後なので。でもここまでにします。

女性の苦労も描かれていますが、どちらかというと男向きの映画です。特に「自分は昭和の男だな」と思える方に観て頂きたい内容です。今の世の中では通用しないかもしれませんが、日本の男にはそんな美意識があった。涙してしまうのは、その欠片くらいは自分にもあるからなのでしょう。いや、程度の違いだけで、誰の心にもあるのだと思います。


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