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2023年10月22日

雪の貯蔵庫のなごり(金沢市)尾山神社氷室跡地

前田利家を祀る尾山神社へ向かう途中、通りから石垣と石柱が見えたので、立ち寄ってみました。

<尾山神社氷室跡地>
oyama-jinja-himuro.JPG
氷室跡地?ここに氷の備蓄庫があったということかな

<通りから撮影>
oyamajinja-himuroato.JPG
奥まった平らな区画に木が生い茂り、陽も当たらなそうな空間だったので「氷室に相応しい場所に思えなくもない」と漠然と受けとめ、現地を去りました。

あとから調べてみると、かつての金沢には、城内にも城下にも、あちらこちらにも氷室が存在していたようです。私が目撃したのは、その一部に過ぎないということですね。また、江戸時代に雪国から将軍家へ氷が献上された話は知っていましたが、加賀藩のそれはかなり有名な話だったようで、なんと江戸時代初期には既に始まっていたようです。

そんな時代に…

いうまでもなく、夏の氷は貴重品。庶民には手が届かないのですから、贅沢品ですね。加賀藩が送り届ける氷(雪)は、さぞ将軍家を喜ばせたことでしょう。備蓄しておくノウハウあってのことですね。氷室の具体的な構造までは想像できませんが、江戸時代のことですから、穴を掘って石を敷き詰め、地中の蔵を造ったのでしょう。

ただ、保管する技があっても、お届け先は江戸。京都の宮中でも難しそうですが、江戸の将軍家宛ですからね。加賀藩の参勤交代が、約480kmの道のりを12泊13日と言われていますので、ちょっと遠ような…

それがなんと
飛脚が昼夜休まず4日間で運んだそうです

もちろん一人ではなく、最強の飛脚チームです。氷を笹などの葉で包んで桐の箱に納め、江戸の藩邸まで届けたそうです。献上日も(陰暦の)6月1日と決まっていたとのこと。もはや毎年恒例のイベントだったようです。

ただ、どんなに頑張っても既に夏が始まっていますからね。実際はかなり溶けてしまい、将軍に献上されるのは、器に入る程度の大きさだったようです。こうなると、私たちが想像するような実用性は無いに等しい状態です。涼しさをお届けして徳川将軍家を喜ばす。それが即ち、幕府への忠誠を示すことだったのかもしれません。

<石柱と尾山神社石垣>
oyama-shrine-icehouse.JPG
石垣の先は尾山神社です。ここで備蓄した雪の使い道はわかりませんが、江戸まで届けられた可能性もゼロではありませんよね。

■訪問:尾山神社氷室跡地
[石川県金沢市尾山]11


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■参考及び出典
・金沢旅物語
>イベント> 氷室開き

https://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/event/detail_30342.html
・ほっと石川旅ねっと
>石川のイベントを探す> 氷室開き

https://www.hot-ishikawa.jp/event/17808
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