アフィリエイト広告を利用しています

2023年10月01日

金沢城総構えのなごり(金沢城西外惣構跡)枡形の復元

金沢市の金石通り沿いには、かつての金沢城総構えの一部が復元されます。

City-Walls-Kanazawa-Sogamae.JPG
街中でちょっと異様な光景にも映りますが、城好きには嬉しい景色です

<現地説明板>
Kanazawajo-Sogamae-Explanationboard.JPG
現地には詳しい説明板が設置されていますので予備知識がなくても大丈夫です

<惣構と枡形>そうがまえとますがた
Kanazawajo-Sogamae-Explanation.JPG
右側の図解が分かりやすいですね。目の前の巨大な塊は、かつてあった重厚な土の壁のごく一部に過ぎないことが伝わってきます

左側には、惣構と枡形について説明がなされています。惣構は城そのものだけでなく、城下町を堀や土塁で囲む防御施設のことですね。ここでは『堀や土居(土を盛った土手)で囲んだ』という表現になっています。当ブログでは「総構え」という文字をあてていますが、読みも意味も同じです。説明文によれば、ここ金沢には二重の惣構があったとのこと。

次に升形についてですが、簡単に言えってしまえば、城への出入口に、門や壁・土塁などで取り囲んだ方形の空間を確保する構造のことをいいます(簡単じゃない?)。方形の空間が壁などで囲まれ、容器のマスのような形になることから、升形と呼ばれます。説明文には『惣構の堀と土居を外側に突出させて、通路には門を設けた四角形の空間』と記されています。門が二重になっている枡形を想像する方も多いかと思いますが(特に城好きの方)、図解をみる限り、ここの枡形門は一対です。
説明文には『ここから通じる道は、港がある宮腰(現在の金石)に向かっています』とあります。金石といえば港。町の中核である城と、外との接点である港を結ぶ重要な道ということですね。だからこそ、その出入り口には、念入りな仕掛けが求められたのかもしれません。
『』内は原文の引用です)

<堀と土居の復元>
Sogamae-Dorui-Kanazawa.JPG
地表に見えているのは復元ですが、発掘で見つかった遺構は地下に保存された状態とのこと。つまり目には見えない遺構がこの地下に眠っています。いろいろと配慮した上での復元です。

<地図>
Kanazawajo-Sogamae-Map.JPG
ちょっと画像だと見えにくいですが、赤文字の「現在位置」が、城の本丸からかなり遠いことが分かります。総構え(惣構)の入り口、つまり城下町の防御ラインにいるのですから、当然のことですね。


最後に
先ほどの説明文には『戦いのない平和な時代になると、敵の攻撃から守る役割は小さくなり、土居は崩され、堀は狭められました。この枡形遺構は、金沢城下町の中で唯一、今も残っている大変貴重なものです』と記されていました。戦いなどないに越したことはありません。そして、実用性のない土塁(土居)や堀は通行の妨げになるだけですので、人の暮しの場から姿を消すのは当然です。ただ、だからこそ、その一部を歴史の痕跡として意識して残す。説明文の通りで、貴重なことですね。

<惣構のなごり>
Sogamae-Dorui-Kanazawajo.JPG
ありがたい場所でした

■訪問:
金沢城西外惣構跡(枡形遺構)

[石川県金沢市本町]1丁目


お城巡りランキング

■参考及び出典
現地説明板
(金沢市歴史都市推進課)



タグ:石川
posted by Isuke at 22:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 城跡[北陸]
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/12241785
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
検索
記事ランキング
[アクセスランキング]
  1. 1. 上杉謙信の軍旗 毘沙門天と懸かり乱れ龍
  2. 2. 真田の城 上州沼田城
  3. 3. 刑場近くの橋のなごり 泪橋と思川
  4. 4. 高遠城のなごり
  5. 5. 関東の連れ小便・政宗白装束の舞台 (石垣山城)
  6. 6. 矢之門から帯曲輪へ(白河市)小峰城
  7. 7. 小峯御鐘ノ台大堀切のなごり(小田原城)
  8. 8. 火の玉不動 大宮宿の水路と刑場のなごり
  9. 9. 金沢城のなごり
  10. 10. 大石内蔵助 終焉の地 細川家下屋敷跡
  11. 11. 暗渠と城跡34 渋取川と蓮上院土塁(小田原市)
  12. 12. 高天神城のなごり
写真ギャラリー
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
Isukeさんの画像
Isuke
もともとは無趣味の仕事人間。土日は家でゴロゴロ。本ブログは、そんな男が急に城跡巡りに目覚め、てくてくと歩き始めた記録です。
プロフィール
X (Twitter) Twitter-Isuke.JPG Isuke@shirononagori
最新記事

お城巡りランキングに参加中 [参加させて頂いた雑誌]

アクティブライフ・シリーズ009 クルマで行く 山城さんぽ 100【電子書籍】[ 交通タイムス社 ]

[当サイトお勧め本]

小説 上杉鷹山 全一冊 (集英社文庫(日本)) [ 童門 冬二 ]


感想(39件)