アフィリエイト広告を利用しています

2023年04月29日

井伊直政が攻め入った山王曲輪の比定地(小田原市)

豊臣秀吉による小田原征伐といえば、総勢20万人を超える豊臣軍が関東へ攻め入ったことで知られていますね。関東近辺に点在する小田原城の支城では、壮絶な戦いが繰り広げられました。ただ、本城での戦いは籠城戦となり、念入りな総構えの周囲を攻め手の大軍が包囲したままの状態が100日以上続きました。

そんななか、攻め手として唯一小田原城の一角に攻め込んだのが、徳川軍の井伊直政でした。具体的には、総構えの東に位置する出丸的な曲輪に攻め入ったようです。もともと、井伊直政は徳川軍の中で最も小田原城に近いところに布陣していました。好機とみて攻撃を仕掛けたのでしょう。

さて
その出丸的な曲輪とは?

<山王川>
Sannou-River.JPG
徳川軍が布陣した場所(右手:東)と小田原城(左手:西)の間を流れる山王川です。井伊直政はこの川を越えて攻め入ったと伝わります。

<山王神社>
shrine-gate-odawara-sannou.JPG
こちらは山王川沿いの山王神社です。戦闘があったのは山王曲輪とよばれる区画で、一般的にはこの神社の付近だったと言われています。ここがそのまま戦場だった?かというと、その可能性もありますが、当時の山王神社はもう少しだけ南側(海側)にあったようなので、そちらを戦場と思った方が良いのかもしれません。

<旧山王原村の図>
Odawara-sannoushrine-Guide-Plate.JPG
山王神社の境内で撮影した地図です。

<拡大>
Odawara-sannoushrine-Guide-Map.JPG
山王川と山王神社付近を拡大し、加筆させて頂きました。赤丸が現在の山王神社、そして道を挟んだ南側の緑の丸が移転する前の山王神社の敷地です。大まかにはこの付近だったのでしょう。地図だと、山王川を渡った先に水堀(池?)のようなものが確認できますが、これがそのまま当時の状況かどうかは分かりません。更に奥(地図左手)には江戸口と記されていますが、どうもこの付近から山王川までが山王曲輪(別称:山王篠曲輪)だったと思われます。

<江戸口見附跡>
Oadawara-Edoguchi-Mitsuke.JPG
こちらは江戸時代の見附跡です。若干異なりますが、北条氏の時代の総構えの出入り口(山王口)とほぼ一致します。

ちょっと雑な結論で恐縮です。ただ、井伊直政がこの付近で小田原城の一角に攻め入ったことは史実。味方の援護を得られず、北条側の反撃を受けて退いたという話もありますが、いかにも勇猛果敢な井伊直政らしい話ですね。

<天然の堀>
Oadawara-Sannou-River.JPG
北条側からみれば、越えて欲しくない川だったのでしょう

■訪問:
浜町山王神社

[神奈川県小田原市浜町]4丁目
江戸口見附跡
[神奈川県小田原市浜町]2丁目

■参考及び出典
現地説明板
・山王神社御由緒
・旧山王原村の図



お城巡りランキング
タグ:神奈川
posted by Isuke at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 城跡[関東]
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/11957128
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
検索
記事ランキング
[アクセスランキング]
  1. 1. 上杉謙信の軍旗 毘沙門天と懸かり乱れ龍
  2. 2. 真田の城 上州沼田城
  3. 3. 刑場近くの橋のなごり 泪橋と思川
  4. 4. 高遠城のなごり
  5. 5. 関東の連れ小便・政宗白装束の舞台 (石垣山城)
  6. 6. 矢之門から帯曲輪へ(白河市)小峰城
  7. 7. 小峯御鐘ノ台大堀切のなごり(小田原城)
  8. 8. 火の玉不動 大宮宿の水路と刑場のなごり
  9. 9. 金沢城のなごり
  10. 10. 大石内蔵助 終焉の地 細川家下屋敷跡
  11. 11. 暗渠と城跡34 渋取川と蓮上院土塁(小田原市)
  12. 12. 高天神城のなごり
写真ギャラリー
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
Isukeさんの画像
Isuke
もともとは無趣味の仕事人間。土日は家でゴロゴロ。本ブログは、そんな男が急に城跡巡りに目覚め、てくてくと歩き始めた記録です。
プロフィール
X (Twitter) Twitter-Isuke.JPG Isuke@shirononagori
最新記事

お城巡りランキングに参加中 [参加させて頂いた雑誌]

アクティブライフ・シリーズ009 クルマで行く 山城さんぽ 100【電子書籍】[ 交通タイムス社 ]

[当サイトお勧め本]

小説 上杉鷹山 全一冊 (集英社文庫(日本)) [ 童門 冬二 ]


感想(39件)