<銅門礎石>あかがねもん そせき
加工が施された巨大な石と説明板。「伝 銅門礎石」と題した小田原市による説明文を以下に転記させて頂きます
『この石は、銅門で用いられていたと考えられている礎石です。
使用状況は、復元した銅門をご覧いただくと解りますが、石の大半を土中に埋め、側面を斜めに加工した部分を櫓台の石垣に合わせて設置します。そして、ホゾ穴に柱材を固定して礎石としました。
箱根外輪山の安山岩製で、ところどころに石を割る際に開けられた「矢穴」を確認できます。手前の石は約1.6t、奥の石は約1.8tある立派なものです。』
銅門は小田原城の二の丸のかなり重厚な城門です。現在は復元されていますが、この礎石はかつての銅門の遺構ということですね。正確には「そう伝わる」石です。文の最後のほうにある矢穴は、上の画像だと石の角に見ることができます。
<矢穴>やあな
赤丸〇をつけさせて頂きました。ここですね。矢は弓矢の矢ではなく、クサビのことです。開けた穴にクサビを打込んで石を割ります。凹んでいるのはその工程のなごりです。
城跡の発掘調査で「戦国時代の礎石が確認された」といった記事をときどき見かけますよね。また、曲輪跡にむかしあった通りに礎石が並べられている光景を目にしたりもします。地中にその大半を埋めて使用するわけですから、城が現役の時は目立たない存在だったかもしれません。しかし地表から城が消えても、礎となった石は残る。貴重な城のなごりですね。
■訪問:銅門の礎石
[神奈川県小田原市城内]
■参考及び出典
・現地説明板
(小田原城総合管理事務所)
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