<銅門 土塀模型>あかがねもん
構造が分かり安い!
竹で造った柵に何層にも土や漆喰を塗り重ねて造る。素人なので、だいたいそんなイメージで受け止めましたが、文字が記されているので、もうちょっとしっかり確認したいと思います。
<構造>
荒壁・斑直し・大直し・中塗り・砂漆喰
荒壁は下地に細い竹を組んで造る土壁のことですね。で、斑直し?これは調べましたが、説明が長くなるのと、まったくと言っていいほど実感が湧かないので、荒壁の表面を平面に整えることだと素人なりに理解しておきます。次に大直しですが、これも表面を整える工程のようですが、斑直しとの具体的な違いはわかりません(建築業の方なら当たり前のことかもしれません)。中塗りは上塗りの前工程、最後の砂漆喰は字の通りで、漆喰に砂を混ぜて強度を増したものですね。これを仕上げに塗る(塗っては乾かしてを何度も繰り返す)。かなり雑ですが、そんな感じでしょうか。
実は、この模型を見るのは初めてではありません。前回は、壁の構造を一般人に分かり安く説明するための展示物と受け止めました。まぁ間違いではないのですが、今回は説明板をしっかり読んだので、それだけではないことを知りました。
以下は『銅門 土塀模型』と題した説明文の転記です。
『この土塀模型は、江戸時代の工法・技法をもとに復元した銅門の建設に先立ち製作したものです。
使用する木材や白壁の材料である土の収縮や乾き具合などを確かめるため重要な役割を果たしました。
皆さんに古い建築の工法を分かりやすく伝えるため、小田原市建築協同組合より寄贈を受けたものです。』
一般人向けの展示物として造られたのではなく、もともとはプロ用の模型。むかしの方法で土壁を復元するため、土や木材の収縮などを確認する手段だったわけですね。寄贈され、いまでは展示物となっている。納得しました。
<復元された土塀>
銅門の枡形の内側を撮影しました
門や石垣を見つめる人は多いですが、壁をまざまざと見る人は少ないですよね。土塀は耐火性に優れ、仮に火矢をかけられてもそう簡単には燃え上がりません。そんな思いの込められた技法を、しっかりと駆使して復元した城壁です。漆喰の内側は見えませんが、知れば見る目も変わりますね。
■訪問:銅門の土塀模型
[神奈川県小田原市城内]
■参考及び出典
・現地説明板
(小田原城総合管理事務所)
・Wikipedia:2023/1/3
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