<常盤木門>ときわぎもん
小田原城本丸の正門にあたる城門だけあってかなり重厚な造りです。
ところで
名前の常盤木とは?
常盤は永久不変なことを指す言葉。ここでいう常盤木とは、常緑樹を意味しています。現地説明板の言葉をそのまま借用させて頂きますと『松の木が常に緑色をたたえて何十年も生長することになぞらえ、小田原城が永久不変に繁栄することを願って常盤木門と名付けられた』といわれています。城門の名に未来への願いが込められていたわけですね。
<説明板>
詳細が記されています。こちらの冒頭には『常磐木門は、江戸時代の本丸の正面に位置し、小田原城の城門の中でも大きく堅固に造られていました。古絵図などの記録から、江戸時代初期には設けられていたことがわかっています。』とあります。
江戸初期には既に存在していたわけですね。ただ、説明文の続きを要約すると元禄16年(1703年)の元禄地震で門は崩壊し、3年後の宝永3年(1706年)に、枡形門の型式で再建されたとあります。場所が場所だけに、すぐに修復したのでしょう。そして、明治まではその姿を留めていましたが、小田原城の廃城(1870年)により常盤木門も解体。この時に完全に姿を消しました。
名の由来とは異なる運命をたどったことになります。
ただこのままでは終わらず、約100年後になりますが、小田原市の市制30周年事業として再建され、昭和46年(1971年)に完成したそうです。それが現在の常盤木門ということになります。
威風堂々の城門です
そもそもの話として
永遠とか不変は、少なくとも人の営みのなかにはありません。そう願いたいことはたくさんありますが、そうはなりません。ただし、つないでいくことはできます。復元に際しては、明治初期の写真などが参考にされ、その当時できる最善が尽くされたことでしょう。そういう営みのおかげで、かつての城のなごりを感じることができました。
いわゆる枡形門ですので、手前の石垣のところにも門があったわけですね
松の木が緑を保てるのも、葉が入れ替わっているからですね。そういう意味では、常盤木門の名に相応しい復元門なのかもしれません。
ということで
常盤木門のご紹介でした。拙ブログにお付き合い頂きありがとうございます。
■訪問:小田原城常盤木門
[神奈川県小田原市城内]6
■参考及び出典
現地説明板
(小田原城総合管理事務所)
お城巡りランキング
タグ:神奈川