今回はお勧め本のご紹介です。その名も「まち歩きが楽しくなる 水路上観察入門」
2021年4月27日発売
著者:吉村生 著者:高山英男
まぁ内容そのものはタイトルのままですね。ただ「水路の上」には水面があるだけと思っている方に、ちょっとだけ補足させて頂きます。
<水路>
この本で言うところの水路とはこういう道のことです。
<橋の跡>
進んで行くと橋の跡があります。これは飾りモノではなく、本物の橋です。かつてここには水が流れていました。橋はそのなごりです。
<一の橋>
一の橋と記されています。二とか三もあるのですかね?
<二の橋>
ありましたありました
<三の橋>
続いているわけですね
<谷端川>やばたがわ
このちょっと変わった道は、谷端川と呼ばれる川でした。いや、正確に言えば今も川です。護岸をコンクリで固められ、更には地下に埋設され、ほぼ人工の水路となっていますが、やはり川なのです。本来の姿なら、蛇行もするし溢れることもあったでしょう。そんな歴史を重ねた川が、いまは道となって静かに街に溶け込んでいます。
景色をもうちょっとご紹介しますかね
<細長い公園>
冒頭の細長い公園です。ある程度の面積は確保されていますが、形としては不自然ですね。これは蓋をした水路の上を有効活用した結果です。こういう言い方が正しいかどうかわかりませんが、まずは水路ありきで、公園は後付けなのです。ちょっとヘンな公園も、そういうことなら仕方ないですね。事情がわかると、この景色に漂う仕方なさのようなものが、何となく愛おしくなりませんかね?(この感想は個人的なものです)
別なところも見てみますかね
寂しいような楽しいような微妙な空間です
いたって真面目
こちらも
まぁ小さな子にはきっと素敵な遊び相手となるでしょう。この付近は住宅密集地です。育児をする親にとっても心強い味方ですね。こういう水路上は、入口に車止めが設置してあるので、なおさら安心です。
地下に埋葬された水の流れ。そこには暗渠化される以前の長い長い歴史があります。今回は橋跡と遊具のみのご紹介でしたが、水辺だった頃に相応しい景色が、水路となったいまでも道沿いに残されているかもしれませんね。
ということで
本のご紹介というより『道になった水路』の説明でした。それをどう受け止めるのか。それはその人次第です。川だった道沿いの景色に何を思うか。それもその人次第です。「まち歩きが楽しくなる 水路上観察入門」はそのヒントを教えてくれるいわばガイドブック。この本がきっかけで、その人ならではの世界が広がっていくのだと思います。
価格:2200円 |
タグ:暗渠
著者直々にコメント頂き恐縮です。私は山さんのSNSやブログで『暗渠』に興味を持ちました。もともと趣味だった城跡と感覚的に重なる部分が多く、具体的な暗渠物件の紹介以上に、それを見る視点に強くひかれていたような気がします。そういう意味で、山さんの新たなご提案は、城跡を核とする私の趣味の世界を、また一味違ったものに導いてくれるのかもしれません。
人生が楽しく…ですか。そうなりたいですねw
拙ブログに訪問頂きありがとうございました。
今回はあえて暗渠というワードを前面にだすことなく、ましてや何かを解説する本ではなく、こんな街歩きをしたらもっと毎日が(そして人生が)たのしくなりますよ、というご提案をさせていただいております。
城跡に向かう途中の道さえお愉しみいただけるようになれれば幸甚です。