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2020年06月11日

城用語 一城別郭 (いちじょうべっかく)

今回は一城別郭について説明します。
■一城別郭■いちじょうべっかく
これは字の如くで、ひとつの城でありながら、本丸が2つある城の構造を指す言葉です。
<高天神城絵図>たかてんじんじょう
shirononagori437b.JPG
[出典元:現地説明板]
静岡県の高天神城という山城を例に説明します。この城の場合、2つの峰に別々に本丸的な役割を担う曲輪を設けています。本丸・二の丸・三の丸といった曲輪が連続して儲けられている一般的な縄張りとは明らかに異なりますね。まぁ本丸が2つというのも紛らわしいので右手が『本丸』で左手は『西の丸』と呼んでいますが、実質は2つの城があるかの如き構造となっています。山頂の2つの曲輪はどちらも中核たる曲輪として機能し、攻め手に対して双方から攻撃を仕掛けたり、片方へ向かった敵に対して別角度から攻撃するといった、普通の城には無い戦い方が可能となります。また、仮にどちらかが攻め落とされても、戦いは終わりません。

高天神城に限らず、一城別郭の場合は二つの本丸(主郭)の間に谷や堀といった隔たりを確保した上で城全体を設計します。高低差のある山城が分かり易いですが、平城でも中核となる曲輪を意識して2つ設ける場合は、やはり一城別郭に該当します。

一城別郭の『郭』は単なる『くるわ』を指しているのではなく『主たるくるわ』とお考え下さい。

以上です。

<説明板>
sn438d.JPG
冒頭の画像は友人二人と赤丸の現在位置で撮影した説明板です。当日は大手門とは逆側、いわゆる搦手門から登城しました。

<高天神城の搦手門跡>
shirononagori428 (1).JPG

<高天神城跡>
shirononagori437.JPG
武田と徳川が激戦を繰り返した一城別郭の山城です
posted by Isuke at 22:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 城用語
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