<笠間城の大手門跡>
[茨城県笠間市]
大手とは正面のこと。家に例えると玄関のような場所を大手口といい、そこに設けられる門を大手門と言います。城の顔ともなる門ですから、あまり貧そな造りという訳にはいきませんよね。
<掛川城の大手門>
[静岡県掛川市]
こちらは復元された掛川城の大手門。威風堂々!立派です。 庶民が暮らす城下町に通じる城の正面玄関ということですね。
威厳も大切ですが、やはり防衛施設の一部です。上の掛川城の大手門の奥には、番所が設けられていました。門そのものの防衛機能を極めた形といえば、やはり枡形門(ますがたもん)ということになりますかね。
<江戸城の大手門>
江戸城の玄関ですから流石に重厚で立派です。そして、江戸城の他の主要な門がそうであるように、ここ大手門も桝形門となっています。枡形門は比較的規模が大きな近世城郭で良く見かける門の構造で、簡単に言うと、手前の門・その奥の四角いスペース・さらにもう一つの門の3つがセットになっています。詳細については別途投稿していますので、良かったら参考にして下さい。
→『城用語 枡形・枡形虎口・枡形門』
ところで
大手の代わりに追手と表記されているものもありますよね。これは同じ意味です。正確に言うと、「追手」がもともとの字です。追手には追撃するという意味が込められており、追手門は正面から攻めてくる敵を食い止め、更には城の外へ出て追い撃ちをかけるという戦術的な意味があったことが語源とされています(諸説あり)。
ということで
大手門(追手門)についてでした。
東京に限らす、かつて城があった街では『大手町』という地名を見かることがありますよね。それはすなわち、城の正面玄関である大手門に由来しています。まぁ例外もあるのかもしれませんが、そう思ってほぼ間違いないですね。
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