前回の『馬込城跡』に引き続き、今回も小田原北条氏家臣・梶原氏によって築かれたと伝わる城跡です。
<新井宿城跡>あらいじゅく
低地に面した急斜面
■訪問記■
訪問したのは大田区山王の熊野神社。JR大森駅から徒歩で10程度の距離です。
<熊野神社>
この熊野神社付近が城跡ではないかと推定されています。遺構は無いと聞いていましたので、恒例によって地形を楽しむことにしました。神社は台地上にあり、南側は崖状になっています。
低地へ向かう斜面。わりと急です。遺構はなくとも、要害性は納得です。
階段はありますが、足がデカイ人には不利
だいたいこんな感じですかね
ちなみに
斜面を下った先(この画像だと左手)には、戦国末期開創と伝わる善慶寺があります。城跡からやや話がそれますが、善慶寺には江戸時代に村の窮状を将軍に直訴しようとして領主(旗本・木原氏)に処刑された六人衆の墓があることでも知られています。切実な願いは叶いませんでしたが、新井宿義民六人衆として語り継がれています。
<境内社>
こちらの稲荷社は、もともとは善慶寺の稲荷堂であったとのこと
城のなごりに話を戻します
北条早雲から始まる北条氏が、既に関東一円を支配していた頃、その家臣である梶原氏がこの付近を治め、今回訪問の大田区山王にも拠点を築いていた。全体をざっくりとまとめるとそんな感じの説明になりますかね。今回訪問した場所は低地に面した山王台地の隅。急な斜面と高低差から、それらしい『地の利』を実感することができました。遺構はありませんが、城跡と推定されるのに相応しい場所だと思います。
<つわものどもが夢の跡>
梶原氏居城跡と伝わる場所は複数ありますが、他は疑わしいとか思わず、一族が分散して拠点を構えていたと受けとめることにします。その方が楽しいですからね
以上です。
訪問頂きありがとうございました。
-------■ 新井宿城 ■-------
別 名:梶原城
築城主:梶原氏
築城年:不明(戦国時代)
城 主:梶原氏
廃城年:不明
現 況:山王熊野神社 他
[ 東京都大田区山王 ]
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