■狭間の種類■
<忍城にて>
縦長の長方形は弓矢を射るための狭間ですね。矢狭間といいます。一方、丸の小さな狭間は鉄砲用、鉄砲狭間と呼びます。鉄砲狭間は穴が小さいことが特徴で、三角形だったり方形だったりさまざまです(←多少はダシャレのつもり)。攻め手から撃ち返されることを考えれば、小さい方が安心ですよね。ただ弓は小さすぎると矢を射ることができませんので仕方ありません。
<忍城にて>
同じ穴でも、広くなっている方が城の内側です。外側からは狙いづらく、内側ではなるべく動き安いよう工夫されています。外を様子を見る時も、狙いを定める時も、角度があった方がいいですよね。逆に外側からは、中の様子をうかがい知ることはできません。
以上、矢狭間と鉄砲狭間という攻撃方法による分類でした。他に大砲狭間というのもあります。
■狭間の高さ■
狭間が横まっすぐに並んでいる場合もありますが、高さがまちまちの場合があります。
例えば、弓は立って射る。鉄砲は片膝をついて撃つ。こう想定している場合なんかはそれぞれ高さが異なります。昔の男性の平均身長は160p弱と思われますので、そのへんも考慮して段違いの狭間を眺めると、納得性があります。また、遠くを狙うのと、高い位置からすぐ下の敵を狙うのとでは、やはり狭間の高さが違う方が合理的ですね。
まぁ城郭のどんなところに設置されているかで、狭間の事情は異なるのですが、実際に訪問してみて、このヘンの違いも考えながら壁の穴を眺めると、城探索が一層面白くなります。
どういうつもりなのか
当ブログで何度も繰り返している言葉ですが、これを想像するのも城郭巡りの楽しみの一つです。
<小田原城にて>
<二本松城にて>
最後にやや珍しい狭間を
<江戸城大手門にて>
石垣のもっとも上の石に切込みを入れた狭間。石狭間といいます。四角い穴、見えますでしょうか。目立たないですが、しっかり外を銃で狙えるようになっています。
<内側から撮影>
石狭間を内側から撮影するとこんな感じです。江戸城の大手門で撮影しました。訪問する機会があったら、立派な門だけでなく、ぜひこんなところも見てやって下さい。
ということで「狭間」のご紹介でした。ただの穴にも思惑がある。それを共有できれば幸いです。
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