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2018年03月09日

暗渠と城跡16 倉賀野の五貫堀川

今回は城跡へ向かう途中のお話です。

■ 倉賀野 ■くらがの
高崎線の駅名にあるからでしょうか?当たり前に知っていた倉賀野という名。高崎市という認識もないまま「城のなごり」を求めて訪問しました。

私が事前に知っていることといえば、倉賀野が戦国時代における激戦区だったこと。そして、川沿いの段丘に築かれたこの地の城は、武田信玄の軍勢によって落とされたこと。それくらいですかね。まぁあとはかつて中山道の宿場町だったこと。他は訪問した後で調べればいいや・・・。そんな感じで、とりあえず来てみました。

倉賀野駅で下車。あとは南へ向かって進むだけです。やや方向音痴ですが大丈夫。大きな川が行く手を阻んでくれる予定なので、通り過ぎてしまう心配はありません。

その途中

<水路>
shiroanyo16kuragano (3).JPG
ん?これは・・・(足が止まりました)。

<水路の暗渠>
shiroanyo16kuragano (4).JPG
歩道になっていますが、これは明らかに水路。暗渠になっていますね・・・

暗渠?
はい。

毎回のように同じ説明で恐縮ですが、これは「あんきょ」と読みます。地下に埋設された川とか水路という意味に受け取って下さい。

<別な場所>
shiroanyo16kuragano (2).JPG
これもただの細い道ではありません。水の流れていた場所。そして今は暗渠です。かつてはここに水の姿があったのですね。

これはもしや・・・

南側に天然の川が流れる城跡をめがけて、北側から接近している最中です。いわば私は城への侵入者。それを拒もうとする堀が設けてあることは、城として理に適いますね。縄張りの常道です。

そして
かつての城の堀跡が、のちの時代に水路として利用されることは珍しい話ではありません。

この水路は倉賀野城のなごりか

期待が膨らみ、この水の無い水路の探索を始めてしまいました。寄り道?いや、目指している城跡は本丸跡に過ぎません。遺構は期待していませんが、既にかつての城の中にいるのかも知れません。

<五貫堀川>ごかんほりかわ
shiroanyo16kuragano (6).JPG
五貫堀川というのですね。で、かつての堀の位置と一致しているのでしょうか?

<堀暗渠>
shiroanyo16kuragano (7).JPG
いい感じのカーブですね。城の曲輪(くるわ)と曲輪を隔てる堀の跡?だったら何と充実した城巡りでしょう!

ちょっと立ち止まり作戦タイム。ネット検索で五貫堀川を調べました。
まず五貫堀川は地域の水田を潤した用水路。『長野堰幹線用水路を倉賀野で分水して水を供給』していたようです。いまでこそ暗渠化されていますが、かつては水車まで設けられていたとのこと。それはそれは、きっと美しい光景だったのでしょうね。回る水車と水が奏でる涼しげな音。故郷にそんな思い出があったら、これはもう何にも代え難い財産ですね・・・

<コンクリ歩道>
shiroanyo16kuragano (8).JPG
かつては水辺だったのですね

で?城とどう関係があるの?

このあと、そして帰宅してからも、この堀川と城の堀を関連付ける資料を探しましたが、確かな証拠がみつからず。市のホームページとか、説得力のある情報が見つかればここで引用させて頂きたいのですが・・・。見つけられませんでした。すみません。

じゃ無駄だった?

テーマを城に絞ればそうですね。

当ブログで『暗渠と城跡』と題して続けているこのシリーズ(というかパターンですかね)。もう16回目になりました。

『城の堀、又はその役割を果たしていた川が、都市化により姿を消しても、その痕跡は暗渠として残っている。だから、暗渠に気づけば城の「地の利」を感じることができる。』

まぁこんなコンセプト(のつもり)でした。

今回の場合は「城巡りに行ったら、それと関係ないけど暗渠も見たよ!」という方向性が良くわからない結末。まいりましたね。ただまぁ「そういう視点で堀川の暗渠を見ることでワクワクした」という体験、つまり知らないが故の興奮のようなものをこの場で共有できたら幸いです。

<段違い暗渠>
shiroanyo16kuragano (17).JPG
いい暗渠でした。感動をありがとう。勘違いだったけど


■散策はつづく■
堀川探索以外にも、かつての城内と思われるエリアをうろうろ・・・

<倉賀野宿高札場>くらがのしゅく こうさつば
shiroanyo16kuragano (11).JPG
高札場が復元されています。その下は高札場跡の石碑。高札場、まぁようするに、統治者から言い渡される内容(決まり事とか掟とか)が張り出されるところですね。かなり強制力のある町内会の案内板をイメージしてもらえれば良いかと思います(ちょっと例えがひどいですかね)。木製のに書き記し、人目につくよう高く掲げておきます。
これらは人がたくさんいたという証。宿場町として栄えていた証拠ですよね。倉賀野は中山道六十九次の12番目(江戸から数えて)の宿場でした。 画像は宿場の本陣跡(須賀脇本陣跡)とされる場所のすぐ近くで撮影しました。

<道切り?>
shiroanyo16kuragano (12).JPG
これはいわゆる「道切り」?かとも思いましたがどうなんでしょう。この先に神社がありますので、鳥居の代わりでしょうか(これも調べましたがわからず・・・)。


<倉賀野神社>
shiroanyo16kuragano (13).JPG
倉賀野最大の神社です。

shiroanyo16kuragano (14).JPG
創建は明らかではないものの相当古く、武蔵七党児玉党の配下にしてこの地の支配者であった倉賀野氏とも深く関わっています。1253年に倉賀野氏の始祖である倉賀野三郎高俊により社殿が造営され、それ以後も倉賀野氏の氏神であり続けました。

shiroanyo16kuragano (15).JPG
江戸時代には中仙道の宿場町として栄えた倉賀野。神社はこの地と近隣の総鎮守であり、倉賀野宿の守護として栄えたようです。倉賀野神社というのは明治になってからの呼び名で、江戸時代には飯玉大明神と呼ばれていました。ここに土塁らしきものがあるという情報を得ていましたが、私はそれらしいものを確認できず。純粋に神社に手を合わせてから立ち去りました。

さて、倉賀野氏ゆかりの神社のあとは、いよいよその城跡。まぁ既に城の中に足を踏み入れているのですが、石碑が建つ本丸跡へ向かいました。
 
<行き止まり>
shiroanyo16kuragano (16).JPG
ここで行き止まり。左手が目的地の公園です。ここが倉賀野城の本丸跡。五貫堀川は私の勘違いのようだし、倉賀野神社でも期待した土塁とは出会えず、ここまでは城跡らしい光景には出会えませんでした。さてさて、ここ本丸跡はどうですかね・・・

ということで、城そのもののお話は次の投稿にて
→『記事へすすむ
よろしかったら覗いてみて下さい。

拙ブログに最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。


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posted by Isuke at 23:18| Comment(2) | TrackBack(0) | 暗渠と城跡
この記事へのコメント
形名様
形名様のブログを拝見させて頂きました。かなり本格的なため、当方お恥ずかしい限りです。ただ、素人なりに感じたことを、共有できたのであれば嬉しいです。

城跡を主たるテーマとしていますが、川や堀は密接に関係しているため、ついでに調べているうちに、いつの間にか興味の対象となっていました。本来の姿ではないが、むかしのなごりが感じられる。暗渠と城跡は、ちょっと似たところがあるなぁと感じています。

訪問頂き、ありがとうございました。
Posted by Isuke at 2024年03月12日 22:06
探索コンセプトをもって、暗渠と城跡、川跡・暗渠を広域で取材しているとは驚きました。私も灌漑用水利には多少興味がありますので、他の記事も含めて面白く拝読できました。ありがとうございます。
Posted by 形名 at 2024年03月12日 01:26
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