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2017年11月15日

海の出城・親子二代の夢の跡 (浜離宮)

つわものどもが夢の跡
いわゆる「浜離宮」を訪問しました。

<浜離宮>
shirononagori hamarikyu (1).JPG
浜離宮の入口です。徳川将軍家の庭園だったことで有名ですね。前から存在は知っていたものの、あまり庭園には興味が無く、結果としてご縁もありませんでした。今回は「江戸城の一部?」などという勝手な思い込みから訪問。何となく遠く感じていましたが、新橋駅から僅か約四百メートル程度です。来ようと思えばいつでも来れる場所でした。正式には「浜離宮恩賜庭園(はまりきゅうおんしていえん)」。宮内省管轄を経て、現在は東京都が管理しています。

<浜離宮と橋>
shirononagori hamarikyu (5).JPG
ちょっと大げさですが、海を渡る橋です。

<大手門橋>
shirononagori hamarikyu (6).JPG
橋の正面に到着。まっすぐ進むと大手門が待っています。

<大手門>
shirononagori hamarikyu (7).JPG
立派過ぎる!今は石垣だけですが、当時は櫓門が設けられていた訳ですね。庭で片づけるにはあまりにも軍事的な要素が強すぎる(などと感じながら探索開始)。入口はしっかりと枡形虎口になっています。ほとんど「城」です。案内図を見ても、園内の造りが城の縄張りに見えてしまいます・・・(整備の履歴まで調べてないので、現地での個人的な想像です)。

まぁ後日調べた感じでは、やはり庭園ということで良いと思います。ただ「出城」としての役割を充分期待されていた庭園のようです。海路で江戸に迫ろうとする外敵に備えて。せっかく訪問したので、その完成に至までの経緯をまとめてみました。

■甲府藩屋敷■松平綱重屋敷
始まりは1654年。もともと鷹狩りで使われていたこの地に、甲斐甲府藩主・松平綱重が埋め立て工事を施し、甲府藩の屋敷としました。「甲府浜屋敷」と呼ばれたそうです。

なんで甲府藩?

松平綱重は徳川家光の三男。独立して甲府藩主となったものの、将軍家の身内として江戸で暮らしていたそうです。それなら納得しますね。

■綱重とその息子■
綱重の兄は第4代将軍・家綱、弟は5代将軍・綱吉。さすが徳川家光の息子たち。豪華な兄弟ですね。ただ綱重本人は将軍になる機会には恵まれず、35歳で亡くなりました。若すぎますね。将軍になれたかどうかは別として、幕府内で一定の役割を担えたはずの人物でした。

さて、弟の綱吉。歴代将軍の中でも有名な方ですね。その名を聞けば、まず「生類憐れみの令」を連想する人が多いのではないでしょうか。それと比較してあまり知られていないのは、男子には恵まれなかったこと。実は、兄の家綱も同じでした。

あれ・・・では6代将軍・徳川家宣(いえのぶ)ってどなたの息子さんでしたっけ?

家宣は将軍にはなれなかった綱重の長男です。つまり甲府藩主の長男。元の名は綱豊(つなとよ)といい、早死にした父に代わり17歳で家督を継承。やがて「家宣」と改名綱吉の養子を経て将軍となりました。


■浜御殿■家宣による改修
話を浜離宮に戻します。当初は松平綱重により築かれた甲府藩の屋敷。やがてその実子の家宜により改修され、将軍家の別荘となりました。「浜御殿」と呼ばれていたそうです。埋め立てから考えると、親子二代の工事で完成したわけですね。

<正面>
shirononagori hamarikyu (2).JPG

<裏門>
shirononagori hamarikyu (4).JPG
裏門(中の御門)も形状は枡形門。規模は小さくなりますが、景色としてはこっちの方がいい雰囲気です(個人的に)。

<堀?>
shirononagori hamarikyu (3).JPG
水堀ではなく海の一部ですね。


最後に
この庭園が出城として注目されるのはそうとう後のお話。ペリー来航後、護岸に砲台が築かれたそうです。

■訪問
浜離宮恩賜庭園
[中央区浜離宮庭園]1-1


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posted by Isuke at 22:24| Comment(2) | TrackBack(0) | 城跡[都内]
この記事へのコメント
GORIさま。ブログ見て頂きありがとうございます。暗渠イベントは熱気ムンムンで激混みになったので、途中で離脱してしまいました。今後とも宜しくお願いします。ここではIsuke2020という名になっております。
Posted by Isuke2020 at 2017年11月21日 21:51
こんにちは

土曜日の西荻のイベントでお会いした浦和の堀です。GORIの名前でブログへお邪魔させていただくことあるかと思いますが今後よろしくお願い申し上げます。
Posted by GORI(堀 健吾) at 2017年11月20日 11:19
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