2015年08月29日
北海道の自転車専用レーンを考える @序章
自転車の安全な走行に欠かせない自転車専用レーン。本州などでは自転車専用レーンの設置、実験などのニュースを耳にすることがあるが北海道では極端に少ない。それは地域の特性によることろが大きい。
北海道ではご存知の通り雪が降り、積もる地域である。これが1年間のうち半年を占める。概ね11月から4月にかけては積雪の影響で自転車が利用できなくなる。1年に数回程度の積雪で乗れなくなる本州(積雪地帯を除く)とは大きな違いだ。
さらに北海道では札幌市など大都市を除いて交通の主体が"自家用車"である部分も大きい。地下鉄は札幌市しか無いし、鉄道も首都圏に比べると不便で本数も少ない。バスだって大きな街では数十分に1本の間隔であっても郊外や田舎に行くと1時間に1本。あるいは半日に一方などざらである。このような北海道では一番便利な自家用車が交通の主体となっていて、お店もこれに対応した駐車場完備。これに準じて長年自動車を再優先した道路整備がなされてきた。
では自動車が再優先なら自転車は少ないのかというとそうではない。もちろん人口の少ない市町村では町中を見ると自動車ばっかりで自転車が本当に少ないのだが、ある程度の人口規模で平坦な土地を持つ都市では自転車の利用が多い。管理人の知るところでは一番は(人口も多い)札幌市。次いで(平坦で河川敷がよく整備された)旭川市。次に函館市か苫小牧市などいう感じだ。逆に坂が多い小樽市では人口の割に自転車を利用している人を見かけない。出張で訪れた際に街中を歩いて肌で感じた。
(ちょっと話が脱線したが、)まとめると北海道で自転車レーンが整備されてこなかった理由は
@地域性による自動車優先の道路整備だった
A半年しか使えない自転車に対する安全対策は(歩道を除いて)重要視されてこなかった
と考える。歩道を除いてと書いたのは、歩道上の自転車走行レーンはちらほら見かけるためである。旧来の安全対策に基づく整備で、よくある歩道の中央を白線で割って、そこを自転車と歩行者で分けるタイプの自転車レーンだ。ただ、この歩道上のレーンは信号のない交差点で歩道の切れ目での出合い頭事故を誘発し、非常に危険な整備方法であることがわかったので近年ではあまり整備されない方向にある。
自転車が少ない町であれば自転車に対する対策はほとんど必要ないが、自転車が多い都市では首都圏と同じように対自動車、対歩行者に対して事故が発生する。前述のとおり北海道の道路は自動車を優先した整備のため、車道上の独立した自転車専用レーンはほぼ無いに等しくこれが通勤・通学の自転車利用が多い時間帯では、歩道上を高速で走る高校生の自転車と、これをよく確認しない自動車とでの事故(特に交差点)が起きやすい。
よって半年しか自転車が使えないといってもその利用者の多さなどを考えると特に札幌や旭川では自転車専用レーンを整備して、事故の軽減と自転車の安全な走行環境の整備に務めるのが必要だと考える。また、近年の自転車人気から北海道をサイクリングしたいという本州からの旅行者も増えており、その拠点都市として自転車レーンを整備し、自転車にやさしい街をアピールすることは新たらな観光資源にもなりうる。また、増える高齢者の手軽な移動手段としての自転車も見直されており、自転車レーンの整備(もしくは自転車ネットワークの構築)は今後の新たなライフラインとして大きく期待できるものである。
今回は序章ということでこのへんで。次回の記事では具体的にどう整備すべきかを考えていこうと思う。
北海道ではご存知の通り雪が降り、積もる地域である。これが1年間のうち半年を占める。概ね11月から4月にかけては積雪の影響で自転車が利用できなくなる。1年に数回程度の積雪で乗れなくなる本州(積雪地帯を除く)とは大きな違いだ。
さらに北海道では札幌市など大都市を除いて交通の主体が"自家用車"である部分も大きい。地下鉄は札幌市しか無いし、鉄道も首都圏に比べると不便で本数も少ない。バスだって大きな街では数十分に1本の間隔であっても郊外や田舎に行くと1時間に1本。あるいは半日に一方などざらである。このような北海道では一番便利な自家用車が交通の主体となっていて、お店もこれに対応した駐車場完備。これに準じて長年自動車を再優先した道路整備がなされてきた。
では自動車が再優先なら自転車は少ないのかというとそうではない。もちろん人口の少ない市町村では町中を見ると自動車ばっかりで自転車が本当に少ないのだが、ある程度の人口規模で平坦な土地を持つ都市では自転車の利用が多い。管理人の知るところでは一番は(人口も多い)札幌市。次いで(平坦で河川敷がよく整備された)旭川市。次に函館市か苫小牧市などいう感じだ。逆に坂が多い小樽市では人口の割に自転車を利用している人を見かけない。出張で訪れた際に街中を歩いて肌で感じた。
(ちょっと話が脱線したが、)まとめると北海道で自転車レーンが整備されてこなかった理由は
@地域性による自動車優先の道路整備だった
A半年しか使えない自転車に対する安全対策は(歩道を除いて)重要視されてこなかった
と考える。歩道を除いてと書いたのは、歩道上の自転車走行レーンはちらほら見かけるためである。旧来の安全対策に基づく整備で、よくある歩道の中央を白線で割って、そこを自転車と歩行者で分けるタイプの自転車レーンだ。ただ、この歩道上のレーンは信号のない交差点で歩道の切れ目での出合い頭事故を誘発し、非常に危険な整備方法であることがわかったので近年ではあまり整備されない方向にある。
自転車が少ない町であれば自転車に対する対策はほとんど必要ないが、自転車が多い都市では首都圏と同じように対自動車、対歩行者に対して事故が発生する。前述のとおり北海道の道路は自動車を優先した整備のため、車道上の独立した自転車専用レーンはほぼ無いに等しくこれが通勤・通学の自転車利用が多い時間帯では、歩道上を高速で走る高校生の自転車と、これをよく確認しない自動車とでの事故(特に交差点)が起きやすい。
よって半年しか自転車が使えないといってもその利用者の多さなどを考えると特に札幌や旭川では自転車専用レーンを整備して、事故の軽減と自転車の安全な走行環境の整備に務めるのが必要だと考える。また、近年の自転車人気から北海道をサイクリングしたいという本州からの旅行者も増えており、その拠点都市として自転車レーンを整備し、自転車にやさしい街をアピールすることは新たらな観光資源にもなりうる。また、増える高齢者の手軽な移動手段としての自転車も見直されており、自転車レーンの整備(もしくは自転車ネットワークの構築)は今後の新たなライフラインとして大きく期待できるものである。
今回は序章ということでこのへんで。次回の記事では具体的にどう整備すべきかを考えていこうと思う。
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