2015年03月19日
兵庫県の自転車保険義務化 がもたらすもの
かねてからニュースになっていた兵庫県の自転車保険義務化の条例案が市議会で可決された。これにより全国で自転車保険を条例で義務化したのは初となった。
ニュースによれば兵庫県が導入を決めた1つの理由として自転車対歩行者の事故が10年ものの間に2倍近くまで上昇しているのに対し、加入率は24%台であること。もうひとつは2008年に兵庫県神戸市で発生した9500万円高額賠償に起因するとのこと。
自転車事故がこれだけ社会現象になっていながら、街に出れば未だにルールを守っていない自転車によくでくわす。ヒキタさんもラジオで言っていたが、この春は寒さから自転車を利用していなかった人たちが一気に出てくる時期なので、とりわけルール違反な自転車が増える時期もである。そのような時期に自治体が保険加入を義務化するという報道は一定の効果があると思う。
ただ、兵庫県の条例では具体的に取り締まるのが難しいため罰則は設けていない。周知という意味でとりあえず条例化し、状況を見て厳罰化するといった感じだろうか。そこは自転車環境(自転車レーン等)が未整備な部分もあるので、いずれとなるだろう。
自治体が条例で義務化する背景には、やはり未だに減らない自転車事故という点が大きいと思う。最近では少しづづ自転車レーンが出来てきたり、6月からは警察も自転車に対する取り締まりを強化するが、急速に良くなるとは思えず、大きな自治体からの義務化による周知徹底となった形とみる。兵庫県の事例を見て、自転車利用者が多く、かつ事故が多い他の自治体でも似たような義務化を条例化するケースが出てきそうだ。
参照元:FNN
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兵庫県で、自転車の使用者に保険の加入を義務づける条例が可決された。自転車社会の在り方を問う動きが広がっている。
あとを絶たない、自転車による危険な運転。
18日、兵庫県で、自転車の使用者に保険への加入を義務づける条例案が、全国で初めて可決された。
井戸敏三兵庫県知事は「自転車運転にともなう、損害保険への加入を、県民の皆様に義務づけて励行していただこうと」と述べた。
兵庫県の人からは「わたしは(自転車保険義務化)いいと思いますよ。だって、(自転車の)事故多いでしょ」、「(自転車保険に)今、入ってない...、入らないといけないと思うけど」といった声が聞かれた。
兵庫県によると、県内の自転車対歩行者の事故件数は、10年間で、およそ2倍に増加。
その一方で、兵庫県で自転車の保険加入率は24%と、自賠責保険が義務づけられている自動車に比べて、利用者の関心が低かった自転車の保険。
今回の加入義務は、利用する本人に加えて、未成年者の子を持つ保護者や、会社で使う事業者にも課せられ、販売業者には加入の有無を確認する義務がある。
ただし、取り締まりが難しいため、罰則は設けていない。
兵庫県の人からは「(自転車保険加入義務)いいと思いますよ。けがをさせたときに、賠償金が何千万円と高くなったら大変なので...」といった声が聞かれた。
今回の新条例には、きっかけとなった事故があった。
2008年、兵庫県で、当時小学5年生の男子生徒が運転する自転車が、60代の女性をはねる事故が発生した。
女性は、頭の骨が折れて、要介護状態となった。
女性側は、損害賠償を求めて提訴し、裁判では9,500万円の支払いが命じられた。
三井住友トラスト基礎研究所・古倉宗治研究理事は「保険の義務づけのような、(事故の)事後対策以上にですね、事故が起こらないような事前の対策が重要な課題」と話した。
自転車の事故自体を減らすための取り組みも、進められている。
国交省などが2月から試験的に導入したのが、「自転車ナビライン」。
現在、自転車は車道の一番左端を通行することが義務づけられているが、歩道を走ってしまう自転車が多いのが現状となっている。
このため、歩行者などとの接触が、あとを絶たない。
これまで、そういった事故を防ぐため、縁石線などで車道と分離した「自転車道」や車道上に線が引かれた「自転車レーン」などが整備されてきたが、道幅が狭い道路には作れなかった。
そこで試験導入が始まっているのが、自転車ナビライン。
スペースを取らないため、狭い道でも設置でき、自動車も通行が可能であるものの、自転車も通行しやすくし、接触事故を防ぐのが狙い。
今回整備されたのは、国道246号線の一部の区間で、東京都内では17カ所目となり、自転車による事故件数が、東京23区内の直轄国道の平均のおよそ3倍と多い場所。
誘導を受け、ナビライン上を走行する自転車。
自転車利用者は「自転車の道だよって示すことで、気持ち的に走りやすくなる」と話した。
歩行者は「(これまでは歩道を)すごいスピードで来ていたので、とてもいいことだと思います」と話した。
しかし、よく見ていると、自転車ナビラインのところに車のタイヤが乗ってしまっていた。
交差点の手前では、車が車道の左端ぎりぎりまで接近し、自転車が通行するスペースがない。
迫る自動車を避けながら、窮屈そうに走り抜けていった。
車のドライバーは「(まだ)周知されていないかなと思って、ただでさえ狭く感じるし、(自転車が通るのは)怖いですね」と話した。
国交省東京国道事務所の課長は「今回の配備形態の結果次第では、この手法(自転車ナビライン)が、全国に普及できるように努めてまいりたいと思います」と話した。
事故を起こさない努力と、事故が起きてしまったあとの対策。
安心できる環境作りのためには、その両輪が必要となる。
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ニュースによれば兵庫県が導入を決めた1つの理由として自転車対歩行者の事故が10年ものの間に2倍近くまで上昇しているのに対し、加入率は24%台であること。もうひとつは2008年に兵庫県神戸市で発生した9500万円高額賠償に起因するとのこと。
自転車事故がこれだけ社会現象になっていながら、街に出れば未だにルールを守っていない自転車によくでくわす。ヒキタさんもラジオで言っていたが、この春は寒さから自転車を利用していなかった人たちが一気に出てくる時期なので、とりわけルール違反な自転車が増える時期もである。そのような時期に自治体が保険加入を義務化するという報道は一定の効果があると思う。
ただ、兵庫県の条例では具体的に取り締まるのが難しいため罰則は設けていない。周知という意味でとりあえず条例化し、状況を見て厳罰化するといった感じだろうか。そこは自転車環境(自転車レーン等)が未整備な部分もあるので、いずれとなるだろう。
自治体が条例で義務化する背景には、やはり未だに減らない自転車事故という点が大きいと思う。最近では少しづづ自転車レーンが出来てきたり、6月からは警察も自転車に対する取り締まりを強化するが、急速に良くなるとは思えず、大きな自治体からの義務化による周知徹底となった形とみる。兵庫県の事例を見て、自転車利用者が多く、かつ事故が多い他の自治体でも似たような義務化を条例化するケースが出てきそうだ。
参照元:FNN
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兵庫県で、自転車の使用者に保険の加入を義務づける条例が可決された。自転車社会の在り方を問う動きが広がっている。
あとを絶たない、自転車による危険な運転。
18日、兵庫県で、自転車の使用者に保険への加入を義務づける条例案が、全国で初めて可決された。
井戸敏三兵庫県知事は「自転車運転にともなう、損害保険への加入を、県民の皆様に義務づけて励行していただこうと」と述べた。
兵庫県の人からは「わたしは(自転車保険義務化)いいと思いますよ。だって、(自転車の)事故多いでしょ」、「(自転車保険に)今、入ってない...、入らないといけないと思うけど」といった声が聞かれた。
兵庫県によると、県内の自転車対歩行者の事故件数は、10年間で、およそ2倍に増加。
その一方で、兵庫県で自転車の保険加入率は24%と、自賠責保険が義務づけられている自動車に比べて、利用者の関心が低かった自転車の保険。
今回の加入義務は、利用する本人に加えて、未成年者の子を持つ保護者や、会社で使う事業者にも課せられ、販売業者には加入の有無を確認する義務がある。
ただし、取り締まりが難しいため、罰則は設けていない。
兵庫県の人からは「(自転車保険加入義務)いいと思いますよ。けがをさせたときに、賠償金が何千万円と高くなったら大変なので...」といった声が聞かれた。
今回の新条例には、きっかけとなった事故があった。
2008年、兵庫県で、当時小学5年生の男子生徒が運転する自転車が、60代の女性をはねる事故が発生した。
女性は、頭の骨が折れて、要介護状態となった。
女性側は、損害賠償を求めて提訴し、裁判では9,500万円の支払いが命じられた。
三井住友トラスト基礎研究所・古倉宗治研究理事は「保険の義務づけのような、(事故の)事後対策以上にですね、事故が起こらないような事前の対策が重要な課題」と話した。
自転車の事故自体を減らすための取り組みも、進められている。
国交省などが2月から試験的に導入したのが、「自転車ナビライン」。
現在、自転車は車道の一番左端を通行することが義務づけられているが、歩道を走ってしまう自転車が多いのが現状となっている。
このため、歩行者などとの接触が、あとを絶たない。
これまで、そういった事故を防ぐため、縁石線などで車道と分離した「自転車道」や車道上に線が引かれた「自転車レーン」などが整備されてきたが、道幅が狭い道路には作れなかった。
そこで試験導入が始まっているのが、自転車ナビライン。
スペースを取らないため、狭い道でも設置でき、自動車も通行が可能であるものの、自転車も通行しやすくし、接触事故を防ぐのが狙い。
今回整備されたのは、国道246号線の一部の区間で、東京都内では17カ所目となり、自転車による事故件数が、東京23区内の直轄国道の平均のおよそ3倍と多い場所。
誘導を受け、ナビライン上を走行する自転車。
自転車利用者は「自転車の道だよって示すことで、気持ち的に走りやすくなる」と話した。
歩行者は「(これまでは歩道を)すごいスピードで来ていたので、とてもいいことだと思います」と話した。
しかし、よく見ていると、自転車ナビラインのところに車のタイヤが乗ってしまっていた。
交差点の手前では、車が車道の左端ぎりぎりまで接近し、自転車が通行するスペースがない。
迫る自動車を避けながら、窮屈そうに走り抜けていった。
車のドライバーは「(まだ)周知されていないかなと思って、ただでさえ狭く感じるし、(自転車が通るのは)怖いですね」と話した。
国交省東京国道事務所の課長は「今回の配備形態の結果次第では、この手法(自転車ナビライン)が、全国に普及できるように努めてまいりたいと思います」と話した。
事故を起こさない努力と、事故が起きてしまったあとの対策。
安心できる環境作りのためには、その両輪が必要となる。
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