1 ウッドデッキを作るキッカケ
親戚の家にある庭のスペース。
せっかくのゆとりスペース、芝生を植えて、根付いたのに、猫の糞害に悩んだ結果・・・
猫除けとして販売されている黒いトゲトゲ付きのマットが敷き詰められ、しまいには、トゲトゲが折れるからという理由で立ち入り禁止。
これじゃせっかくの庭も固定資産税払い損だなぁ、と思っていたところ、ウッドデッキにしてもらえないかとの相談。
このところ、新しいウッドデッキを作る機会に恵まれず、腕がなまりそうだと思っていたところなので、DIYerの私でよければということで、喜んで計画に着手。作るのは、当然、メンテナンスフリーで高耐久のハードウッド製ウッドデッキ。
2 採寸
まずはウッドデッキの施工場所の寸法を測るところから。
というわけで、ひとまず現地に赴いてメジャーとレーザー距離計で採寸。
計測は、正確であるに越したことはないけれど、少なくとも、大きい方向には間違えないよう気を付けたいところ。
採寸のみならず、この先の作業すべてを一人で済ませる前提で考えると、レーザー距離計は非常に助かる便利アイテム。
3 設計図の作成
(1)敷地図
ウッドデッキの設計図は、木材の配置や手順、おおまかな木材料(多少余裕をみてもDIYのメリットがなくなるほどには到底ならない)を割り出すためのものなので、あまり細かい仕上げまで作り込むことはない。
まずは、今回のウッドデッキ製作現場の採寸結果を図に落とすとこんな感じなった。
ちなみに、この図は独学で最低限の機能を覚えたJW-CAD(フリーソフト)で書いたもの。
手書き図面でも十分対応可能だけれど、この程度の作図は覚えておくと、色々なバリュエーションを検討したりするのが楽になるし、レイヤーで部位別に層毎に重ねていくことで作業手順もイメージしやすくなる。
(2)床板
現地の寸法を落とした図面にレイヤーを重ねてウッドデッキの木材を配置していく。
自分の場合、大抵、一番上の床板をまずは書く。どの範囲にどんな向きで床板を貼るのかは完全に好みの世界。
このとき、使用するハードウッドの種類、幅、厚さは決めておく必要がある。
今回使用する樹種※は価格、耐久性、施工性でのセランガンバツーとした。
※今回はどうしてもウリン、などというリクエストもないことから、樹種ありきではなく、なるべく安く仕入れられる材料の中からベストなものを選択した。
近年は他にサイプレス、イタウバなどが比較的安く買えるけれど、個人的にはサイプレスは経年での表面ひび割れが、イタウバは香りもよく、施工性もいいけれど、柔らかくて、根太の数が増えてコスパが悪化しそうなので、やめた。
ネットでいいハードウッドがないか探すと、ウッドデッキ材の販売では最大手と思われる「リーベ」でセランガンバツーの120mm幅の長尺(厚さ20mm)材が安くなっていて、送料無料キャンペーンも行われているのを発見。
木工ランド、サニーウッド、網中木材と比較したけれど、リーベが一番安く作れそうなので、リーベのセランガンバツーを使うことにした。
※床板は幅90mmでも、幅105mmでも、厚さ20mmでも、30mmでも構わないけれど、幅が広く、厚みがある方が貼る枚数が少なくて済むことと、たわみが小さくなるので、同じ厚みで比べれば根太の本数が少なくて済む。作業性や、市場価格、見た目の印象などで、好きに選べばよいと思う。
設計図を書く際は、いちいちスペースを開けて書くのは面倒なので、ウッドデッキの床板の間隔を2mm程度開けると想定して、CAD上では床板幅を122mmにしたうえで床板を置いていく。
※今回の実際の作業では、錐込隊長(堅木用ステンレスビス)をスペーサーに使ったので、約4mmの間隔を開けた。間隔は2mmでは狭いので、4mm〜5mmがおすすめ。
今回は吐き出し窓の前はウッドデッキ表面をサッシ下端に合わせて、奥行き約2m×幅3.6mの長方形の高台のウッドデッキスペースを作り、その他の部分は少し低くなるステップ型デザインでというリクエスト。
せっかくの機会なので、デザインも少しアレンジして、高い部分は横貼り、低い部分は縦貼りで作ってみようと思う。
ウッドデッキの床板表面のイメージはこんな感じ。
(3)根太
ウッドデッキの表面となる床板を置いたら、次に高台となる部分の床板をビスで固定するための基礎構造となる根太を配置する。根太は床板と直交する向きになる。
今回のウッドデッキの床板が20mm厚で、セランガンバツーはウリンより柔らかいことなどを考慮してやや狭く500mm間隔で設置する。
厚さは20mmといっても、幅が120mmなので、この根太間隔は、ややオーバースペック気味だけれど、自宅の庭でなく、人様の家に作るものなので、やや安全サイドで設計。
業者さんがお客様の家に作るときも、悪気はなくとも、こういう、トラブル回避の発想でオーバースペックになるんだろう。
木の長さや場所で微妙に色合いを変えているのでちょっと分かりにくいけれど、緑色の線が根太。
続いて、低床部分の床板を固定するための根太も配置する。
(4)大引き
次に先ほど書いた「根太」を更に下層で直交して支えるウッドデッキ構造最後の砦、「大引き」を配置する(赤と紫の線)。
低床部分は根太だけでよい(というか、高さ的に大引きは配置できない)ので、大引きはなし。
そして、根太と大引きの位置が決まったら、根太と大引きの交差点に束柱を置いていく(青い四角)。
低床部分の根太は、地面に埋め込んだ羽子板付き束石で固定する予定。
これでおおまかな設計は完成。
4 材料注文
(1)数量
ウッドデッキの設計ができたら、各部位に使用する木材の長さ、本数を数える。
アナログに手で1,2、3と数えていくだけ。
そして、若干余裕を持った数量で注文する。
全体の本数によるけれど、自分の場合は、必要本数+1,2本といった感じ。
「余裕」分は間違ってカットしてしまったり、設計上想定しなかったタワミへの対応などのためのもので、結果として使わないことが多いけれど、ウッドデッキが作れるようなら、ベンチやテーブルなど、欲しいオプションアイテムを何でも作れると考えればいいと思う。
DIY作業途中で、ウッドデッキ材が足りなくて途中でホームセンターで高い木材(ならまだいいけれど、種類の違うデッキ材しか売ってない場合も)を買う羽目になったり、作業が中断したりすることは回避したいし。
何より多少無駄になってしまったとしても、ウッドデッキ製作そのものを専門業者に頼むことを考えれば雲泥の差。
ちなみに、実は今回つくるウッドデッキ、当初は全体を低い位置に作る設計にしていたのだけれど、木材注文後にステップ型にしてほしいというリクエストがあったため、急遽設計を変更。
木材を注文のベースにしたのと異なる設計に流用しなければいけなかったため、このような在庫管理表を作って過不足確認をして対応した。幸い、材料的には問題なさそう。
(2)ネット通販店選び
材料を注文する店は比較検討した結果、久しぶりのリーベ。
実は、10年位前、ハードウッドを使ってのウッドデッキDIYに初めて挑戦したときは、自分が探した限りでは、まだリーベと木工ランドくらいしか個人が手軽にハードウッドを買える店がなく、それ以来、リーベをよく使っていた。
だけど、(ここからは個人的感想ですのであしからず。)リーベが徐々に規模拡大していく中で、納品時期が遅くなったり、注文への反応が遅かったり、届いた材の質が著しく悪かったり、そのうち、値段、送料が高くなり・・・と、サービス低下を感じずにはいられなかった。
そんなことがあったので、ここ数年は、木工ランドや、後発のサニーウッド、個人でちょっと敷居が高い印象のあった網中木材などを使うようになっていたし、このブログでもリーベはあまり押してこなかった。
しかし、今回、久しぶりにリーベを候補にしてHPを除いてみたところ
・HPのデザインが変わっていて、見やすくなった(以前はゴチャゴチャしていた)
・キャンペーンで送料無料(一部対象外あり。ここ数年は大規模な送料無料はなかったと思う。)
・セランガンバツーの値段が他と比べてかなり安い(時期、樹種によっては違うこともある)
という状況。
すごい変化だなぁ、と不思議に思ったのだけれど、どうやらリーベは愛知の大日本木材防腐というそこそこ大きな企業(名証2部上場)に買収(100%子会社化)されたようで、親会社のテコ入れが効いたのか、顧客サービスにかなり気を使っている感じ。
それならば過去のことは忘れて、一度、試してみようと注文したところ、大きな問題なく配送されたのはもちろん、何より届いた材の品質がいい。
以前は反りやタワミが大きいものが普通に混じっていたけれど、そういうこともない感じ。
そんなわけで、ウッドデッキ材の値段も安く、品質もいいなら、在庫も、種類も豊富なリーベはおすすめできるお店になった。
(3)注文内容
注文明細は以下のとおり。(実際の注文確認メールをコピペしてます。)
【ご注文商品】
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商品番号 : WDSB-035
商品名 : ※【在庫限り】セランガンバツ・45×70×3000mm(8.9kg)
数量 : 5 本
単価(税込) : \2,857
金額(税込) : \14,285
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商品番号 : WDSB-230
商品名 : ※【在庫限り】セランガンバツ・45×70×2700mm(8.0kg)
数量 : 6 本
単価(税込) : \2,571
金額(税込) : \15,426
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商品番号 : WDSB-365
商品名 : ※【在庫限り】セランガンバツ・20×120×2700mm(6.1kg)
数量 : 22 本
単価(税込) : \1,959
金額(税込) : \43,098
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商品番号 : WDSB-475
商品名 : ※【在庫限り】セランガンバツ・20×120×2400mm(5.4kg)
数量 : 3 本
単価(税込) : \1,740
金額(税込) : \5,220
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商品番号 : WDSB-477
商品名 : ※【在庫限り】セランガンバツ・20×120×3300mm(7.4kg)
数量 : 3 本
単価(税込) : \2,394
金額(税込) : \7,182
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商品番号 : WDSB-478
商品名 : ※【在庫限り】セランガンバツ・20×120×3600mm(8.1kg)
数量 : 18 本
単価(税込) : \2,612
金額(税込) : \47,016
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小計(税込) : \132,227
(うち消費税 : \10,350)
送料 : \7,500
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お支払合計金額: \139,727
★追加注文分
商品名 : ※【在庫限り】セランガンバツ・20×120×3900mm(8.8kg) ※2000+残にカット
数量 : 6 本
単価(税込) : \2,627
金額(税込) : \15,762
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小計(税込) : \15,762
(うち消費税 : \1,293)
送料 : \3,000
合計 :\18,762
総計 :158,489
実は、全部送料無料だと思い込んで注文したのだけれど、ページのかなり下の方に以下の注意書きがあった・・・
応募条件
※今回のキャンペーンは、 2018年12月1日(土)までの到着指定のご注文分までを適応とします。
※全てのデッキ材は長さ3,300mm以内の材を対象としています。それ以上の長さの材をご注文の場合、長さカットのご相談、西濃運輸の到着店届けなどを相談させていだきます。
それでも十分他の店より安いので問題ではなかったのだけれど、キャンペーンを利用する場合は、条件を良く読むことが大事だと再認識。
5 その他用意したもの(木材以外)
なくても対応可能なものは★
・丸ノコ(今回は住宅地での作業用に集塵機に接続できるタイプを使用)
100%集塵とはいかないまでも、飛散防止に相当効果がある。粉塵が少ないと自分自身の作業も楽になる。
・集塵機(丸ノコ接続用。作業後の現場掃除にもあると便利。)★
・丸ノコ定規(丸ノコできちんと直角に切ったり、角度をつけて切る際に必須!)
・インパクトドライバー(コード付を2つ)
本当に高価なコードレスがベスト?狭い範囲で作業するDIYには低価格のコード付きで充分どころか、安定して長時間使えるこちらのほうが作業効率が高いと思う。
・下穴錐(ハードウッドには必須。折れると作業がストップするので、予備含め3個くらいは用意した方が無難。)
下穴錐も色々試したけれど、これが一番、切れ味よく穴が開けられるし、耐久性抜群。鉄鋼用などとは必要な力も全然違う。
・サシガネ(DIY作業全般の必須アイテム。メジャーだけでは無理。)
・メジャー(高価なものでなくても良い)
・レーザー距離計(おひとり様で大きなものを作る際、とても便利)★
・堅木用ステンレスビス(作業効率を考えるとコスパよし)
・消せるチョーク(今回初使用、木材にもコンクリにも、とにかく確実に書ける、消せるで便利すぎ。超オススメ。)
・スコップ
・防草シート(デッキ下に敷く)
・砕石(束石の下の締固め用、兼、防草シート押さえ用)
・手袋(怪我防止)
・作業用ゴーグル(怪我防止。丸ノコ、インパクトドライバー使用時に必須。)
6 作業手順