2021年01月30日

蝦夷に逃れた小山若犬丸の伝説(祗園城・鷲城を拠点とした小山氏のなごり)

今回は北海道上ノ国町に伝わる関東武士の伝説の話です。具体的には、鎌倉の幕府軍に滅ぼされた下野国の小山氏の末裔の話です。よかったらお付き合い下さい。

■関東の名族・小山氏■おやまし
小山氏は現在の栃木県南部に勢力を誇った関東屈指の武士団でした。藤原秀郷の末裔・太田政光が移り住んだ土地の名から小山氏を名乗ったことに始まり(1150年頃)、嫡流が代々下野守護を務その継承は2百年以上続きました。
<祗園城跡>ぎおんじょう
Oyama-Gionjo-Moat.jpeg
栃木県小山市の祗園城跡です。2百年以上続く名族小山氏の居城でした。

<思川と祗園城>おもいがわ
Oyama-Gionjo-River.jpeg
川に面した丘に築かれた城です

しかし11代目当主の小山義政の時に、鎌倉公方と争うことになり(小山義政の乱:1386年〜)、幕府軍に滅ぼされてしまいます。のちに小山氏再興のため、親戚関係の結城氏から当主を迎えることになりますが、長らく続いた嫡流はここで一旦途絶えました


■若犬丸とは■わかいぬまる
当主亡き後、その遺志を継いで鎌倉公方に抵抗する男が現れました。その名も小山若犬丸!諸説ありますが、小山若犬丸は小山義政の嫡男小山隆政のことだと考えられています。つまり幕府軍に滅ぼされなければ、小山氏12代目当主となっていた男。若犬丸は父の遺志を継いで鎌倉公方足利氏満に反抗し、居城である祇園城に立て籠もります。しかし、討伐軍に敗れました。

<祗園城本丸跡>
Oyama-Gionjo-Main-Mailey.jpeg
本丸跡とされる場所です

一度敗れた若犬丸ですが、十年の時を経て、再び鎌倉公方を相手に挙兵します。凄い執念ですね。しかし、やはり幕府軍には叶いませんでした。

<鷲城>わしじょう
Washi-Castle-Oyama.jpeg
二度目の挙兵はここ鷲城を拠点としたと伝わります。

若犬丸には幼い息子がいましたが、捕えられて鎌倉へ送られ、のちに海に沈められてしまいます。敗戦の将となった若犬丸ですが、逃れた先(会津)で自害したとする説もある一方で、蝦夷地に逃れたという説があります。

下野国の男が蝦夷に?

以下は北海道の上ノ国町のホームページから転記させて頂きます。
『15世紀にはいると、小山隆政(こやまたかまさ)、蛎崎季繁(かきざきすえしげ)が渡道し、花沢館を拠点として和人支配地の拡大を図っていました。当時各地の拠点として道南に12以上の館があったという。館を中心に次第に勢力を蓄えた各地の館主は、下之国(しものくに)、上之国(かみのくに)、松前の三守護職の支配下に置かれ、箱館、松前、上ノ国を拠点とする三つの商品流通圏が成立しました。』
[出典:上ノ国町ホームページ]

小山隆政の名がありましたね。隆政は11代当主の嫡男・若犬丸と見なされている一方で、実は若犬丸の弟ではないかという説もあります。私は前者を信じますが、仮に弟の方だとしても、名族の生き残りが当時の蝦夷地へ逃れ、拠点となる館まで築いていたことに驚かされます。他にも、先住民たるアイヌと争うことになったものの、勇敢な戦いぶりからカムイとして祀られたといった話もありますが、調べきれなかったことと、信憑性に欠けるといったご意見もあるようなので、今回はここまでにしておきます。

<鷲神社>
Washi-Shrine-Oyama.jpeg
鷲城の本丸跡に鎮座する鷲神社です。一族の祖・小山政光が武蔵国の鷲宮神社を勧請したことに始まると伝えられています。

ここを拠点に再起を期した若犬丸の夢は一旦途絶えました。しかし遠い北の大地で、そのつづきがあったのかもしれませんね。

<鷲神社の参道>
shirononagoriWashijinja (4).JPG
つわものどもが夢の跡

■画像の撮影■
●祗園城(城山公園)
[栃木県小山市城山町]
→『当サイト記事へすすむ
●鷲城(鷲神社)
[栃木県小山市外城]
→『当サイト記事へすすむ

■参考及び出典■
[上ノ国町ホームページ]
教育・文化 > 文化財 > お役立ち情報 > 北の中世を旅する


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posted by Isuke at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 城跡[関東]
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