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2024年03月09日

源義光ゆかりの石(足柄峠)新羅三郎義光吹笙之石

むかし難所と呼ばれた足柄峠には、源義光ゆかりの石があります。

<源義光ゆかりの石>
Shira-Saburo-Yoshimitsu-Suishonoishi-Stone.JPG
ここは神奈川と静岡の県堺の山中です。厳密に言うと石は峠の静岡側にあります。

<説明板>
Suishonoishi-Explanation-Board.JPG
石のそばに説明板が設置されています。引用も交えながらご紹介させて頂きます。『』内は原文のままです(転記ミスありましたらすみません)。

まず義光について
『八幡太郎義家の弟、三郎義光は琵琶湖の畔り三井寺の近くの新羅の森で元服したから新羅三郎義光と云っていた。戦乱の世にあっても風雅の心を失わず、笙は時の名人豊原時元に学んだ。』
河内源氏2代目棟梁・源頼義の長男が八幡太郎義家義光は三男です。笙(しょう)は竹を縦に束ねたような雅楽の楽器ですね。義光はその道の名人から教えを受けていたようなので、みやびな世界に精通した人物だったのでしょう。

つづきは要約します。
清原武衡らの朝廷に対する反乱を鎮圧するために、八幡太郎義家が奥州へ向かいました(後三年の役)が、激しく抵抗されて義家は苦戦。これを聞いた義光は、兄を救援するために京を出ます。

『数十騎の兵をつれて逢坂山を越え、日を重ねて足柄峠に露営したのは寛治元年の仲秋の名月であった。』

寛治元年は1087年です。説明板に記載はありませんが、義光の出陣は認められておらず、朝廷に無断で陸奥国へ向かったそうです。これにより官職を失っています。一大決心で京を出たわけですね。

その途上、足柄の山中に陣営を構えた義光は、自分に付いてきた笙の師匠の子である豊原時秋を呼びよせます。

『「よく聞かれよ、我は御尊父より笙の秘曲を授り、これを後世に伝うべく託された、然るにこの度戦場に赴く上は生死の程も計り難い、我死なばこの道はすたれ先師の志をも空しうする。只今これより相伝の秘曲を伝授すれば貴殿はこれより京へ引き返しこの道を守られよ。」と輸しこの大石の上に坐り伶人豊原時秋に笙の奥儀を伝えた。』

伶人、つまり雅楽を職とする時秋は、幼くして父と死別したため、その曲を知らなかったようです。義光は自分が戦いでこの世を去ってしまえば、曲の伝承者が絶えてしまうことを惜しみ、この地で時秋に曲を授けたというお話です。時秋は義光の思いと亡き父の秘曲を受けとり、京に引き返しました

いい話ですね。

<吹笙之石>すいしょうのいし
Suishonoishi-Stone.JPG
長くなりましたが、秘曲を伝授する時に義光が腰かけたのがこの大きな石と伝わります。この故事にちなみ、毎年9月の第二日曜日に足柄峠笛まつりが開催されているそうです。

■訪問:新羅三郎義光吹笙之石
[静岡県駿東郡小山町竹之下]


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■参考
Wikipedia:2024/3/9
南足柄市HP「足柄峠」

https://www.city.minamiashigara.kanagawa.jp/kankou/spot/ashigara_touge.html
タグ:静岡
posted by Isuke at 19:15| Comment(0) | TrackBack(0) | ゆかりの地
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