2017年12月12日

濠の出島の枡形門(江戸城桜田門)

つわものどもが夢の跡
今回はとても有名な江戸城の門についてです。

■桜田門■

<桜田門>
sirononagori sakuradamon (2).jpg
いわゆる「桜田門外の変」で広く世間に知られている名前ですね。その実物。重要文化財です。

正式には外桜田門といいます。更に奥の通称「桔梗門(ききょうもん)」が内桜田門。まぁ普通に「桜田門」といった場合は、この「外桜田門」のことです。

<現地案内板>
shirononagori mon sakurada.jpg
[説明文]
『現在この門は桜田門と呼ばれますが、正式には外桜田門といい、本丸に近い内桜田門(桔梗門)に対してこの名が付けられました。古くこの辺りを桜田郷と呼んでいたことに由来します。外側の高麗門と内側の渡櫓門の二重構造からなり、外桝形という防御性の高い城門で、西の丸防備のため異例の大きさで造られました。建築されたのは寛永年間(1624〜44)とされ、現存する門は寛文三年(1663)に再建された門がもとになっています。大正十二年(1923)の関東大震災で破損し、復元されました。』
[後半の一部省略]


だ、そうです。かつては小田原街道の始点として「小田原口」とも呼ばれていたとのこと。徳川以前、江戸城は小田原北条氏の支配下でしたからね。家康の城となり、この出入り口には枡形構造の門が設けられました。

ところで、上の説明に「二重構造」とか「外桝形」ってどういうことでしょうか。


■桜田門の構造■

<高麗門>こうらいもん
sirononagori sakuradamon (1).jpg
最初の門です。死角を減らすために屋根は小さめ。ここを突破するとどうなるでしょうか。

<枡形>ますがた
sirononagori sakuradamon (4).jpg
門をくぐると「四角い広場」のようなスペースに出ます(手前の部分。撮影が濠と石垣メインとなってしまってすみません)。ここが枡形マスのように四角い形だからそう呼びます。
さて、入ったはいいが目の前は水堀だし、他は壁、そして次の門により閉ざされています。これが「枡形」の恐ろしいところ。飛び込んだはいいが動きは制限され、城兵から狙い撃ちにされる空間。罠と思っても良いです。

攻め手も理解していると思うので、決死の覚悟で飛び込むしかありません。あるいは、門の造りを見て不利益を見積もり、もうちょっと攻め安い侵入口を探すかですね。

<現地地図>
sirononagori sakuradamon (7).jpg
赤い丸が現在位置になります。半島のように濠に向かって飛び出ている場所。つまり橋を渡り、ようやくたどり着ける場所です。その入り口の門をくぐって最初に目に飛び込んできた濠は、江戸城の巨大な水濠の一部。つまり濠の中の出島みたいな所に、この桜田門がある。まぁそんな感じになります。

<渡櫓門>わたりやぐらもん
sirononagori sakuradamon (3).jpg
さて、次の門が行く手を拒みます。ご覧の通りの門。実際には門は閉ざされていると思って見て下さい。立ち往生している間に、容赦なく上から狙われますね。門の上にこうした櫓を設けるのが櫓門(やぐらもん)。二階門ともいいます。「渡り」ですが、石垣との間を渡すように門櫓を設ける場合に使う言葉です。

最初の門。そしてこの頑丈そうな二つ目の門。つまり枡形の表と内側に築かれる二つの門ですね。このセットメニューが「枡形門」です。二重構造の門です。ここ桜田門に限らず、最初の門は低層でシンプル、二つ目の門は櫓門となっているのが一般的です。

さて、現在のこの位置。最初の門はくぐったものの、まだ城の敷地の「外」という状態です。このように、城の外側に設ける枡形を「外枡形」といいます。逆に枡形が城内の敷地の一部となっている場合は内枡形です。まぁ役割は同じ。構造上の分類ですね。

<現地案内板>
sirononagori sakuradamon (6).jpg
周辺を含めるとこんな構造になります。


一つの門を突破するだけでも大変なこと。行く手にはまだまだ難所が待ち受けます。攻める側にとって、いかに厄介かを感じてもらえれば嬉しいです。守りを固めるとは、その厄介さを造り出すことに他なりません。

[千代田区皇居外苑]


お城巡りランキング
posted by Isuke at 23:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 城跡[都内]
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
http://fanblogs.jp/tb/7083295
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
検索
記事ランキング
[アクセスランキング]
  1. 1. 巣鴨駅近く 徳川慶喜ゆかりの地
  2. 2. 高天神城のなごり
  3. 3. 暗渠と城跡23 渋谷川と渋谷城
  4. 4. 伊奈一族の拠点 伊奈氏屋敷跡(伊奈町) 
  5. 5. 城跡として訪ねる豪徳寺(世田谷城)
  6. 6. 関東の連れ小便・政宗白装束の舞台 (石垣山城)
  7. 7. 難航不落 金山城のなごり
  8. 8. 慶次清水 前田慶次ゆかりの里
  9. 9. 東北屈指の名城 会津の若松城
  10. 10. 世田谷区に2つの城向橋(暗渠と城跡24) 橋跡に漂う城のなごり
  11. 11. 犬戻り猿戻り(高天神城)横田甚五郎が抜け去った尾根道
  12. 12. 火の玉不動 大宮宿の水路と刑場のなごり
写真ギャラリー
カテゴリーアーカイブ
最新記事
プロフィール
Isukeさんの画像
Isuke
もともとは無趣味の仕事人間。土日は家でゴロゴロ。本ブログは、そんな男が急に城跡巡りに目覚め、てくてくと歩き始めた記録です。
プロフィール

お城巡りランキングに参加中 [参加させて頂いた雑誌]
[当サイトお勧め本]

Kindle for PC (Windows) [ダウンロード]