総務省の推計によると、先月の1日現在、日本の子ども(15歳未満)の数は1649万人で、過去最少だった去年より15万人少なく、昭和57年から32年連続減少しているとのことです。わが国の少子化が止まらない理由はどこにあるのでしょうか。
以前紹介した「消費者庁の育休で昇給&昇進に反対48% 『独身どうすんだよ』」という記事の調査では、「育休をとると昇給の可能性がある」ことに賛成の人から、「周りで(子どもを)作れるのに作らない人は、子育てがいやで遊びたい人ばかりで嫌気がさす」といった、独身や子を持たない夫婦への批判めいた意見が多く寄せられました。
自分の生活を楽しみたい人が日本の少子化を進めているという意見もあるようですが、問題はそれだけでしょうか?
「少子化の一番の原因は何だと思いますか?」という調査を行ったところ、以下の回答が得られました。
・出産・子育てにかかわる経済的負担が大きい:38.2%
・出産・子育てにかかわる身体的負担が大きい:2.3%
・保育所などの環境が整っていない:3.3%
・企業の子育て支援が不十分:3.4%
・雇用が不安定:8.7%
・将来の社会状況が不安:8.7%
・晩婚化・未婚化の進展:15.8%
・配偶者・家族の協力体制が不安:1.0%
・子育てより自分たちの生活を楽しみたい人が多い:13.4%
・固定的な男女の役割分担意識:1.6%
・その他:3.6%
(Yahoo!ニュース 意識調査調べ 対象は6万8837人)
「出産・子育てにかかわる経済的負担が大きい」が38.2%でもっとも多く、子どもを産みたくても経済的な理由で容易に決断できないのが少子化の理由と考える人がもっとも多いことが分かりました。
コメント欄には「(自分の)手取り20万円では足りません。妻と2馬力で働かざるをえない。子どもは実家に預けっぱなし。生んでも親が面倒を見てあげられなくて、不憫で可哀想」
「妊娠初期から分娩までの通院費が高い」
「妊娠、出産、育児で女性は仕事を失い、働けなくなることと同義。シングルマザーも多く、貧困に耐えるか、風俗で働くことを余儀無くされている子たちも多い」
といった厳しい現実を訴える声が寄せられました。
次に多かったのは「晩婚化・未婚化の進展」で15.8%、
3番目は「子育てより自分たちの生活を楽しみたい人が多い」で13.4%。
コメントでは自分の生活を楽しむ未婚者への批判的なコメントが目立ちました。
「子持ちは金がなく小遣いも雀の涙、貯金もできず必死に子育て。独身は自由に金が使え貯金して優雅に海外旅行」と「自分だけ良ければ良いと考えてるシングルが増えている」ことを指摘。
さらに「独身税を作って老後の社会保障にまわす仕組みが必要かな? 独身貴族がうらやましぃけど、人間として一番大事なのは、子どもを産んで育てること」と「独身税」を提案する人が複数いました。
このアイデアは基本的には既婚者側から寄せられたものと推測されますが、一方の独身者側からは、「自分今独身だけど、独身生活ですらいろいろ費用がかかります。家賃食費趣味ん〜いくらあっても足りない自分だけで正直ギリギリです」といったコメントも。
「自由にお金を使えて気楽」といったイメージで語られがちな未婚者側にも、厳しい経済状態のせいで結婚できない……という現実があるようです。