<十二神将立像>じゅうにしんしょう
薬師如来を信仰する者を守護するとされる十二神将。埼玉県立歴史と民俗の博物館で撮影しました。普段は小鹿野町の法養寺薬師堂に安置されています。特別展「鉢形城主 北条氏邦」開催にあわせて、期間限定で貸し出されているそうです。館内には、氏邦直筆の書状ほか、貴重な品々が多数展示されていました。ただ原則は撮影不可。この十二神将立像と、日光菩薩・月光菩薩立像の二体が撮影可でした。
<日光菩薩立像・月光菩薩立像>にっこう・がっこう
こちらは薬師如来を補佐する菩薩ですね。十二神将とは異なり穏やかな姿です。普通は薬師如来の左右に立っているため、特別展とはいえ不思議な感じがしました。十二神将と同じく、埼玉県指定文化財です。元々は蓮華座に乗っていましたが、後世の修理で十二神将立像と同じ岩座に変更されたと考えられています。
<十二神将立像の岩座>いわざ
台座は統一されていますね
<令和の修理>
北条氏邦と家臣らが奉納したことが、それぞれの仏像の足に記されているそうです。見た感じに個体差がありることから、制作された時期のばらつきが推測されています。いずれにせよ戦国時代ですから、4百年以上前の仏像。令和になってから本格的な保存修理がなされ、この姿となりました。十二神将はそれぞれ子・丑といった十二支を表しています。
<申神像>しんしんぞう
この申神像には、氏邦の生まれ年につながる墨書が確認されたそうです。これにより、氏邦は申年生まれという説が有力になっています。
北条氏邦は小田原北条氏の三代当主・氏康の子であり、四代当主となった氏政の弟。北武蔵支配のため、重要拠点である鉢形城の城主を任されていました。武勇の誉れ高い氏邦ですが、統治能力も文化レベルも高い武将だったようです。
今回の特別展で、その一部に触れることができました。
<特別展>
とても素晴らしい企画でした。学芸員さんの丁寧な説明にも感謝いたします。
<埼玉県立歴史と民俗の博物館>
■特別展
「鉢形城主 北条氏邦」
2024年3月16日〜5月6日(終了)
■訪問:
埼玉県立歴史と民俗の博物館
[埼玉県さいたま市大宮区高鼻町]
お城巡りランキング
■参考
埼玉県立歴史と民俗の博物館
(特別展説明文)
---------■ 参考画像 ■---------
<鉢形城跡>はちがたじょう
[埼玉県大里郡寄居町大字鉢形]
小田原北条氏にとって、北武蔵支配のための重要拠点でした。
タグ:埼玉