<横堀>よこぼり
この堀は徳川から奪い取った城跡を、武田勝頼が改修した時に掘られた横堀です。
<説明板>
武田による堀であることが記されています
高天神城は三方が崖であるのに対し、西側の斜面だけはやや緩やかになっています。この弱点を見極め、高天神城を西から攻め落とした勝頼は、城を手中にするとこの弱点を克服すべく城を改修しました。
<高天神城の全体図>
[現地撮影:高天神城想像図]
この図は一城別郭(いちじょうべっかく)の代表例として扱われる高天神城が完成した状態。いわば城の能力がピークの時です。ご覧のように、西側(左手)の峰と東側の峰で、まったく別の城があるかのような構造になっています。
城は東側の峰に砦が築かれたことから始まります。城が拡張される過程で、西側の峰がどのように利用されていったか詳細は分かりませんが、勝頼の改修時に『ひとつの城』として完成しました。
<西側の守り>
冒頭の堀のみならず、後から補強された西側には、戦闘を強く意識した防衛施設が集中しています。天然の地の利に頼らず、人が意識して設けた仕掛けが盛りだくさんです。この付近で言うと堀に加えて土塁や切岸(土の壁)、そして堀切といった防衛施設が散りばめられています。あまり大きな城ではないだけに、これらを一気に見て回れるところが城好きにうけるのかもしれません。
<つわものどもが夢の跡>
砦から始まり、今川・徳川・武田それぞれの手で改修されてきた城跡です。家康は高天神城を武田から奪還すると廃城としましたので、最後の改修者は武田勝頼ということになります。
勝頼の思いが形となって残っています。
■訪問:高天神城
(二の丸〜袖曲輪付近)
[静岡県掛川市]
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