アフィリエイト広告を利用しています

2020年03月30日

城用語 矢穴(やあな)

今回はお城の石垣関連の話でときどき耳にする矢穴(やあな)についてです。簡単に言えば石を割る際に石の表面に刻んでおく穴のことです。クサビのこと。開けた穴にクサビを打込んで石を割ります。

■実物■
実物を見た方が分かり易いですね
<実物>
shirononagori420 (1).jpg
虎ノ門駅の『江戸城外堀跡地下展示室』から撮影した石垣です。矢穴、どこだかお分かりになりますでしょうか?

<矢穴と刻印の説明>
shirononagori306 (8).JPG
こちらは展示室内のパネルです。説明文には『石垣表面には石を割った矢穴や大名を示す刻印が見られます』となっています。石の中央の印は刻印。上部の四角い窪みが矢穴です。


<他の例>
shirononagori420 (2).jpg
こちらは石垣山城の駐車場に展示されていた石垣用の石です。矢穴、どこだかわかりますね。

<実際の石垣>
shirononagori420 (4).jpg
こちらは二本松城の石垣です。矢穴の場所、わかりますでしょうか?

shirononagori420 (3).jpg
で加筆させて頂きました。クサビを打込んだ跡がくっきり残っていますね。


石の割り方もいろいろですが、矢穴を使ったこの方法は主に江戸時代に用いられた技法だそうです。つまりお城の石垣に矢穴をみつけたら、江戸時代に積み上げられた可能性が高いということですね。確率が高いということであって、絶対とは言い切れませんので、その辺りはご了承下さい。


■石垣石の割り方■
さて
具体的な方法ですが、矢穴は石目(いしめ)と割りたい石のサイズを想定して彫り、そこに矢(クサビ)を打込みます。石目とは割れやすい状態になっている方向のことですね。
下の画像は仙台城で撮影しました。ちょっと引用させて頂きます。

<石垣石の割り方>
shirononagori420 (5).jpg
[撮影:仙台城]

ノミで矢穴をあける
   ↓
矢穴に矢をさしこむ
   ↓
矢と矢穴に水をかける
   ↓
矢の頭をかけやでたたく
   ↓
石、割れる

分かり易いですね。水をかけるというのは、木製の矢の膨張を促す効果があるのでしょう。

ということで
石垣に関連する城用語として矢穴を紹介させて頂きました。お役に立てれば幸いです。


お城巡りランキング
タグ:城用語
posted by Isuke at 20:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 城用語
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/9741344
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
検索
記事ランキング
[アクセスランキング]
  1. 1. 上杉謙信の軍旗 毘沙門天と懸かり乱れ龍
  2. 2. 真田の城 上州沼田城
  3. 3. 刑場近くの橋のなごり 泪橋と思川
  4. 4. 高遠城のなごり
  5. 5. 関東の連れ小便・政宗白装束の舞台 (石垣山城)
  6. 6. 矢之門から帯曲輪へ(白河市)小峰城
  7. 7. 小峯御鐘ノ台大堀切のなごり(小田原城)
  8. 8. 火の玉不動 大宮宿の水路と刑場のなごり
  9. 9. 金沢城のなごり
  10. 10. 大石内蔵助 終焉の地 細川家下屋敷跡
  11. 11. 暗渠と城跡34 渋取川と蓮上院土塁(小田原市)
  12. 12. 高天神城のなごり
写真ギャラリー
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
Isukeさんの画像
Isuke
もともとは無趣味の仕事人間。土日は家でゴロゴロ。本ブログは、そんな男が急に城跡巡りに目覚め、てくてくと歩き始めた記録です。
プロフィール
X (Twitter) Twitter-Isuke.JPG Isuke@shirononagori
最新記事

お城巡りランキングに参加中 [参加させて頂いた雑誌]

アクティブライフ・シリーズ009 クルマで行く 山城さんぽ 100【電子書籍】[ 交通タイムス社 ]

[当サイトお勧め本]

小説 上杉鷹山 全一冊 (集英社文庫(日本)) [ 童門 冬二 ]


感想(39件)