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2018年02月17日

入学しました!足利学校

お隣の足利氏館跡を訪問したついでに、足利学校にも立ち寄りました。

■入 学■
<入学証>
shirononagori200c (5).JPG
入学証です。自分も軍師に仲間入りできたようで嬉しい。あの太田道灌も足利学校で学んだとのこと。これで道灌の後輩です!・・・ってまぁ、これは要するにチケットです。大人は420円。おカネで解決して後輩ぶるのも格好悪いですね。ただ、たった420円でその雰囲気を味わうことはできます。

<足利学校>
shirononagori200c (8).JPG
実は何度か来ている上に、当ブログでも紹介済です。
記事→「軍師たちの学び舎
今回は、城跡巡りに付き合ってくれている旧友二人の案内人のつもりで再入学しました。

<学び舎と庭園>
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建物は江戸時代中期の学び舎を再現したものです。庭園は北側と南側にあり、こちらは南庭園。綺麗に整備されています。


■ 授業料 ■
ところで、セコイ話ですが教育にはお金が掛かりますよね。足利学校は当時の日本の最高学府。入学金+年間授業料はどのくらいだったのでしょう?

実は無料。そう、タダ!

えっ!ということは、希望すれば入学できたのですね。これなら貧富の差が教育の差につながるなんて問題も回避できます。志と才能、これさえあれば良いのですね。

<入徳門>にゅうとくもん
shirononagori200a.JPG
深い意味で、この門は世間に開かれていたわけですね。ただし、学ぶ者の身分は僧侶です。いい加減な気持ちでこの門はくぐれません。


■学校内探索■
ところで・・・
二つ目の門(学校門)をくぐってすぐくらいまでは、友人に対してそれらしい説明をしていたのですが・・・気が付けば一人。いつもの癖で、気になるものに向かって足が勝手に動いてしまい、はぐれたようです。あら・・・友人たちはどこへ?案内人失格ですね。まぁお互いに敷地の中にいるのですから、どこかでまた会うでしょう。ということで、ますます勝手に歩き始めました。

<竹林>
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なんとなく落ち着きます。静かな竹林に囲まれ、いい雰囲気を満喫しながら、一人でいろいろと考え始めました(まぁロクな考えではないのですが)。

<土塁>
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敷地は土塁で囲まれています。まるで城郭のようですね。学びたい者に門を開き、そうでない者は入らなくて結構。そんな感じですかね。

<土塁>
shirononagori200c (16).JPG
こちらも。整備し直したものですが、雰囲気は伝わります。

<堀>
shirononagori200c (17).JPG
土塁の切れ目(裏門付近)から撮影。水掘になっています。

<稲荷神社>
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足利学校敷地内の神社。自然な流れとして、学業のことをお祈りしたくなりませんか?実際、合格祈願の絵馬がたくさん掛けてありました。「正一位霊験稲荷社」とあります。曖昧ながら、とにかく「霊験あらたか」な神社と受け止めました。せっかくなので何か祈ろうと思いましたが、特に望んでいることがなく、会釈だけにしました。

<字降松>かなふりまつ
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説明板によれば、学生が読めない文字に出会った時、紙に書いて松の枝につけておくと、和尚(まぁ校長先生のことですね)がふり仮名や注釈をつけてくれたので、字降松と呼ぶようになったとか・・・。そうですか。私の場合、まず「字降松」と紙に書いて松の枝に結んでおく必要があります。

<北側>
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靴を脱いで建物の中へ。画像は北庭園です。人を避けて撮影したので、これは庭園の一部。実際に目で見たものは、もっと広くて美しい。

<展示物の一例>
shirononagori200c (19).JPG
見学されている方が多かったので、建物の中の展示物は撮影しませんでした。こちらは外。宥座の器?「ゆうざのうつわ」ではなく「ゆうざのき」です。それにしても何の道具ですかね。水を使うようですが・・・。

これ、手前の柄杓を使って水を器に汲み入れるのですが、適度に入れれば、少し斜めにぶら下がっている器はまっすぐになります。ところが、水を入れ過ぎれば器がひっくり返り、水が全部こぼれてしまいます。ドッキリゲーム?まぁそういう楽しみ方もありますが、これは後述する孔子と関係があります。慢心を戒める。そういう深い意味があります。


■ 儒 学■
<孔子像>
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こちらは校長先生ではなくて孔子さま。子は先生という意味だから先生さまはおかしいか・・・孔さま。足利学校の入り口付近(敷地の外になります)で撮影。

前回の投稿では足利学校の「軍師育成機能」をクローズアップさせて頂きましたが、もともとは儒学に重きをおく学校です。孔子はいうまでもありませんが儒家の始祖。紀元前の方ですね。その教えが足利学校の教育の柱でした(これは上杉憲実が足利学校を再生させた頃のお話です。それより以前は学校そのものの歴史も含めて良く分かっていません)。

<入徳門>にゅうとくもん
shirononagori200c (1).JPG
正面入り口の門は「入徳門」といいます。「」に入る門ということですね。徳というと仁・義・礼・智・信の五徳を思い出します。まぁ大まかに言えば道徳的な要素ですね。知識より大切な徳。これがまず入口というところが感慨深いですね。ちなみに、その次の門が「学校門」。そして孔子廟へ向かう「杏壇門」があります。杏壇(きょうだん)とは、孔子が弟子たちに学問を教えた壇のこと。まわりにあんずの木があったことから生まれた言葉です。

<学校門>がっこうもん
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どの門も同じではなく、意味があります。
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学校門の奥には吉檀門が見えています。その先が孔子廟です。

<孔子廟>こうしびょう
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杏壇門をくぐったところにある孔子廟。儒学の祖・孔子の像を祀っています。独特の雰囲気と風格。建物は中国の明の時代の聖廟を模した造りになっているそうです。

さて
ここでやっとはぐれていた友人たちと再会。私の扱いに慣れているので、軽く笑ってすませてくれました。半分照れ隠しで知識の切り売りを再開した私ですが、なんとなく徳で負けている。それでいて心地よい。利害関係の無い古い友達はありがたいですね。かなりむかし、同じ学び舎で過ごしました。

<梅>
shirononagori200c (9).JPG
2月上旬の訪問でしたが、既に梅の花が。なんとなく、また来るような気がします。

-------■ 足利学校 ■--------
創設:平安初期(又は鎌倉時代)
廃校:明治5年
[栃木県足利市昌平町]※

※孔子は魯国昌平郷(現在の中国山東省曲阜県)の出身です。


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