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2018年01月19日

軍師たちの学び舎 足利学校

つわものどもが夢の跡
今回は栃木県足利市の「足利学校」です。

■日本最古の学校■
あのフランシスコ・ザビエルによって、世界に紹介された日本最古の学校です。まぁとにかく古い歴史の学校。特に中世においては、日本の最高学府と言えます。

<足利学校>
sirononagori AshikagaG (1).jpg

一時期衰退していましたが、関東管領の上杉憲実(うえすぎのりざね)の尽力により再興。憲実は鎌倉の円覚寺から僧を招いて初代庠主(しょうしゅ)、つまり校長先生のような立場としました。この時に憲実が寄贈した書籍は現在国宝に指定されています。創設時期も不確かな足利学校ですが、歴史が明らかになっているのはこの頃(1430年代)からです。
ちなみにこの上杉憲実、日本最古の武家文庫である「金沢文庫」を再興したことでも知られています。

■軍師養成機関■
もともとは儒学が中心でした。戦国期になると、医学や兵学、易学といった「具体的に役に立つ」学問へとシフトしたようです。まず医学ですが、これを学びし者は今も昔も貴重な存在。いまで言う薬学なども含まれていたのでしょうね。世間に広く役に立つ学問。足利学校は、医学の普及や発展にも貢献していたわけです。 そして兵学と易学、これは戦に関わることです。名だたる戦国武将は、優秀な家臣を足利学校で学ばせ、軍師的な役割を担わせました。つまり戦国時代の足利学校は、軍師養成機関のような役割を担っていた訳ですね。当時は軍師という呼び名ではなかったようですが、とにかく戦に関わることを指揮官に忠告する役割です(軍配者と言ったそうです)。特に武田信玄は、軍師の採用に際しては「足利学校で学んだかどうか」を重視したそうです。学歴フィルター?まぁ現代だとあまり良い意味にとられませんが、そのくらい権威と実績のある学校だったんでしょうね。

軍師というと、兵法を駆使するイメージですよね?しかし当時の足利学校で一番力をいれていたのが「易学」でした。陰陽道の影響を受けた易学、これを背景に・・・ちょっと言い過ぎかも知れませんが、戦に際して「占い」に近い役割をも担っていたようです(それだけやってたのではなく、そういう要素を含んでいたという意味です)。出陣の日を決めたり、進むべき方角を決めたり・・・。今の我々の感覚だと「えっ?」と首をかしげたくなりますが、吉か凶かを判断する役割、これもしっかりとした「学び」を前提としていました。そして、当時はそれが「具体的に役立つ」ことだったのですから、やはり学んだ者は重宝された訳ですね。

<中世のキャンパス>
sirononagori AshikagaG (3).JPG
売店とかあったのですかね…

ピーク時には3千人もの生徒が学んでいたそうです。凄いですね。ちょっと入りきれませんので、もっともっと広かったのでしょう。講義を聞くというより、師と教材に恵まれた環境で自習をするといった感じだったようです。

どんな将来を夢見て学んだのでしょうか。使命感や野心より、純粋に学ぶことを楽しむ人もいたかもしれませんね。

やがて平和な時代が訪れると、学校は徐々に衰退していきました。戦がないなら軍師も不要。求められる教育は、世の中の移り変わりで変化するわけですね。

<軍師たちの学び舎>
sirononagori AshikagaG (2).JPG

戦国の世が終わっても、足利学校そのものは江戸を通して存続。廃校は明治になってからです。

■足利学校■
創設:平安初期(又は鎌倉時代)
廃校:明治5年
[栃木県足利市昌平町]


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