2015年02月22日
自転車の高額賠償 増加する背景を考える
ここ最近、自転車がからむ事故で高額賠償となったケースのニュースや特集番組、それをにらんでの保険会社のCMが目立つ。今回はその背景を考えてみよう。
そのまえにまず、自転車の高額賠償とは何かだが、明確な定義は見つけられなかったので「自転車で事故を起こした時に相手から訴訟を起こされ、数百万〜数千万円規模の賠償額を命じられるケース」としておこう。
次に具体的な例をあげる(日本経済新聞より)。
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9500万円 神戸地裁(2013年) 小学5年生の男児が散歩中の女性と衝突。傷害が残る怪我を負わす
9300万円 東京地裁(2008年) 男子高校生が歩道から車道を斜めに横断し、男性と衝突。傷害が残る怪我を負わす
6800万円 東京地裁(2003年) 男性がペットボトル片手に交差点に進入し、横断中の女性と衝突。死亡させる。
5400万円 東京地裁(2007年) 男性が信号無視して交差点に進入し、横断中の女性と衝突。死亡させる。
5000万円 横浜地裁(2005年) 女子高生が夜間、無灯火で歩行中の女性と衝突し、傷害が残る怪我を負わす
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となっている。内容をみると共通していることは「自転車側に道交法違反等を伴う明らかな過失」がある点。歩行者側には落ち度がない上に被害が甚大なのでこのように高額となるケースが多い。
では、本題の増加理由だがまず近年の傾向として自転車の利用者が増えている点がある。これは震災以降に自転車の利用価値が見直され、通勤で使う人が数年前に比べ明らかに増えているためである。その一方で自転車の走行環境は未だ満足に整っておらず、歩道はもちろん車道上でも自動車と接触するケースが増えている部分がありこの2つの理由が自転車事故を増加させている。ただ、これは近年の自転車利用に伴う理由であって、上記判例の小学生や高校生の事例にはあまり該当しない。それはもともと通学で従来から使っている年齢層であるためだ。実際には小学生〜高校生の事故率というのはこの自転車利用増加に関わらず変わっていないと推測する。その一方で個人が以前よりも民事訴訟を起こしやすくなっているのでは感じている。某テレビ局の法律バラエティ番組の影響もありそうだ。道交法違反を起こしているのは明らかに加害者なので、訴訟を起こせば被害者が優位に勝てる(賠償金を獲得できる)可能性が高い。
高額な賠償額を命じられても加害者である本人が小学生や中学生、高校生だと当然ながら賠償できずその責任は監督業務がある親に来る場合もある。急な出費で時によっては車を売却したりマイホームを売却したりと、たかが自転車事故と侮れない状況がある。このような高額賠償を背景に昨今では自転車保険の広告をよく見かける。
某何とかの回し者になってしまうかもしれないが、こういった背景からもやはり自転車保険には加入しておいたほうが良さそうだ。
※画像はスケアード・ストレイトの株式会社ワーサルさんより
そのまえにまず、自転車の高額賠償とは何かだが、明確な定義は見つけられなかったので「自転車で事故を起こした時に相手から訴訟を起こされ、数百万〜数千万円規模の賠償額を命じられるケース」としておこう。
次に具体的な例をあげる(日本経済新聞より)。
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9500万円 神戸地裁(2013年) 小学5年生の男児が散歩中の女性と衝突。傷害が残る怪我を負わす
9300万円 東京地裁(2008年) 男子高校生が歩道から車道を斜めに横断し、男性と衝突。傷害が残る怪我を負わす
6800万円 東京地裁(2003年) 男性がペットボトル片手に交差点に進入し、横断中の女性と衝突。死亡させる。
5400万円 東京地裁(2007年) 男性が信号無視して交差点に進入し、横断中の女性と衝突。死亡させる。
5000万円 横浜地裁(2005年) 女子高生が夜間、無灯火で歩行中の女性と衝突し、傷害が残る怪我を負わす
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となっている。内容をみると共通していることは「自転車側に道交法違反等を伴う明らかな過失」がある点。歩行者側には落ち度がない上に被害が甚大なのでこのように高額となるケースが多い。
では、本題の増加理由だがまず近年の傾向として自転車の利用者が増えている点がある。これは震災以降に自転車の利用価値が見直され、通勤で使う人が数年前に比べ明らかに増えているためである。その一方で自転車の走行環境は未だ満足に整っておらず、歩道はもちろん車道上でも自動車と接触するケースが増えている部分がありこの2つの理由が自転車事故を増加させている。ただ、これは近年の自転車利用に伴う理由であって、上記判例の小学生や高校生の事例にはあまり該当しない。それはもともと通学で従来から使っている年齢層であるためだ。実際には小学生〜高校生の事故率というのはこの自転車利用増加に関わらず変わっていないと推測する。その一方で個人が以前よりも民事訴訟を起こしやすくなっているのでは感じている。某テレビ局の法律バラエティ番組の影響もありそうだ。道交法違反を起こしているのは明らかに加害者なので、訴訟を起こせば被害者が優位に勝てる(賠償金を獲得できる)可能性が高い。
高額な賠償額を命じられても加害者である本人が小学生や中学生、高校生だと当然ながら賠償できずその責任は監督業務がある親に来る場合もある。急な出費で時によっては車を売却したりマイホームを売却したりと、たかが自転車事故と侮れない状況がある。このような高額賠償を背景に昨今では自転車保険の広告をよく見かける。
某何とかの回し者になってしまうかもしれないが、こういった背景からもやはり自転車保険には加入しておいたほうが良さそうだ。
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