2007年11月29日
質量保存の法則
今日、とても興味深く、そして不安になるようなニュースを目にしました。
「質量保存」理解5割 小中理科学力調査 実験好きも考察は苦手
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/m20071128021.html
> 誤答では、溶けると「(食塩が)なくなる」などがあった。
例えばこれが正しい(食塩が水に溶けると“なくなる”ために質量が減る)としたら、密閉された容器の中に砂時計のように少しずつ塩が落ち、下には水の入った水槽を用意した装置を作る。すると容器全体の質量を計測する事でタイマー的な使い方ができる。また、塩を飽和状態にまで溶かした熱湯が冷えてくると塩が沈殿、質量が重くなるなどの現象も何かに利用できるはず。
と、空想はつきませんが、閑話休題。なぜに中学生になってもこんな科学の基本である「質量保存の法則」を理解していないのか?と考えると、多分「必要ないから」と言う結論に達しそうです。私、小学校1年でアサガオ、3か4年生でヘチマを栽培しましたが、ヘチマ栽培後のテストで「アサガオとヘチマ、それぞれ添え木をどの様に使って成長したか」と言う問題があり、クラスの正解率がほぼ0だった覚えがあります。
だってその違いに注目してなかったし、アサガオが添え木に対してどんな成長をしてたかなんて「必要ないから」覚えていませんでした。
どの季節にどんな星座が出ているか?どの地層からどんな化石が出てくるか?どの花がどのような受粉をするか?どれも小学校の理科や中学の科学で習った程度のテストで満点が取れる!と断言できる人が何人いるでしょうか?一応は理系の私も、若干の不安はあります。
しかし天文マニアや化石マニア、はたまた仕事でこれらに関わっている人たちは当然(その分野なら)満点は確実でしょう。同様に、質量保存の法則を間違えた中学生たちは同法則がどれほど必要かの理解が乏しく、その法則を使った強烈な体験がなかったからかも知れません。
授業のときに前述の空想の話に出てきたような装置を用意し、如何なる状態になろうとも質量が変わらない事を視覚に訴える等すれば、強烈な印象とともに正解率も少しは上がったでしょうに。(ちなみにこの話で中学時代に数学が得意なくせに「反比例グラフ」を理解できなかった友人を思い出しました。その話はいずれ)
最後に。私がなぜ「食塩を水に溶かす実験」で熱く語るのか?
この時期、燻製を作るので大量のソミュール液を用意する必要があるもんで。