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2020年08月16日

警備員の「退屈力」

本ブログでは施設警備を中心に書いています
が、今回は交通誘導警備でも鍛えられる
能力について深堀ってみたいと思います。



タイトルにある「退屈力」ですが、これは
斎藤孝さんの著書です。



斎藤さんは退屈力について、以下のように定義
しています。



「外からの強烈な刺激で脳を興奮させるのでは
なく、刺激の少ない状況の中で、自分の脳と
身体を満足させることのできる能力のこと」



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これは交通誘導警備、特に片側交互通行で
必須の能力です。



片側交互通行では、規制区間の両端に一人
づつ警備員が立哨し、車両を止めては流し
ます。



やっていること自体は単純です。旗や無線で
情報を得て、相手の了承の上で止めるか流すか
判断して誘導を行います。この繰り返し。



持ち場を離れられるのは、現場が昼休みに入り
交代で食事を取る時間と、臨時でトイレに行く
時くらいか。



それ以外は、飽きたからといって誘導を辞める
訳にはいきません。事故になります。



この作業を1日中行います。9時〜17時の
工事現場で、工事車両の入れ替えなど変化の
ある現場なら退屈する事は少ないでしょう。



かつて僕が従事した現場は、郊外の産業道路で、
工事期間中は堀りっ放しで規制をかけており、
24時間体制で警備員が付きます。



日勤は9〜20時、夜勤は20時〜翌9時。
それぞれ11時間、13時間労働です。



僕は両方に従事しましたが、長時間交通誘導
それも片側交互通行を行うのはきつい。



工事を行う日勤時は交通量も多く、一般車に
加え、ダンプ・トラック・ミキサー車・路線
バスまで通ります。



ダイヤがあるのでバスは極力止めるな、
ミキサー車や積荷を満載した大型車は
上り坂で止めるな、という指令もあり。



また規制区間の近くに産廃業者もあり、
そこの車両に対して誘導が遅れると、
怒鳴られた事もありました。



これらに耐えて任務を全うする。誰にでも
できる仕事でしょうか。



警備業は単純な作業だから、誰ににでも
できる、といった偏見があります。



しかし、単純な作業であってもそれを飽きずに
10時間以上やり続けるのは能力なのです。
立ちっぱなしで事故の危険と隣り合わせ。



退屈力がないと、到底務まらない仕事なのです。



同じ現場に従事した先輩は、出来るだけ時計を
見ないようにしていたそうです。時間が経って
ないと気持ちが折れるからでしょう。



屋外の道路に立ち、一日中旗を振り続ける。
今これをやれと言われても僕はできません。



退屈力を支える、現場立哨に必要な体力が
ないからです。



なので、交通誘導警備で上記の様な現場を
こなしてきた人は、退屈力という能力がある。
忍耐力の一種と言っていいでしょう。



このように警備で要求され、かつ鍛えられる
能力についての解説でした。
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かつて10年ほど警備業界で従事してきましたが 限界を感じ、同業界を去りました。 今は港湾施設保安職員として、港湾管理業務に従事しています。
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